美しい作品集が届きました。
OJUNさんの寄稿がすばらしくて生前に少ししかお話できなかった直木さんのことをわずかでも知ることができたような気がしました。
桂氏も嫉妬したという才能。笑うと少年ぽかった直木さんのどこまでも澄んだ作品たち。たくさんの人にこの作品集が届くことを祈ります。
私が初めて直木さんにお会いしたのは「ときの忘れもの」でのOJUNさんとの二人展の会場でした。
お二人の出会いの場所。掌に乗るくらい小さいのに「宇宙みたい」と思った直木さんのブロンズ作品。またあの作品に会いたいなぁ。

(20210520/萱原里砂さんのtwitterより)>

舟越直木さんのことはあまり良く知らなかったけれど、少し気になって調べてみたらすごくいいものがあった。舟越保武さんの息子さんで、舟越桂さんの弟さんも彫刻をされていた、2017年に64歳で亡くなられていたというのはしばらく前に知っていた。



(20210519/azknさんのtwitterより)>

舟越桂さんの弟、直木さんの作品集『舟越直木』(求龍堂)じわじわきた。64歳で亡くなってたのか…。舟越ファミリーの遺伝子を感じる不思議な魅力がある。
(20210502/ナカムラクニオ(6次元)さんのtwitterより)>

作品集『舟越直木』
『舟越直木』舟越直木、待望の初作品集。
 父は彫刻家・舟越保武、兄は舟越桂という芸術家一家に生まれ、父や兄につづき自然と創作の世界に入った舟越直木は、彫刻と絵画の間を自在に行き来し、形式にとらわれない、みずみずしさと神話性に満ちた多様な作品を生み出した。2017年5月6日、64歳で逝去。
本書は舟越直木の創作世界をまとめた、初めての作品集である。厳選した珠玉の95点を掲載。巻末には、友人で画家のO JUN、舟越桂、美術評論家の峯村敏明によるテキスト、舟越直木自身による言葉を掲載。
(求龍堂ホームページより)

作品集『舟越直木』
発行日:2021年4月19日
サイズ、頁:A4変型 上製本 144頁(図版95数)
発行:株式会社求龍堂
特別協力:ギャラリーせいほう、峯村敏明
寄稿:峯村敏明(美術評論家)、O JUN(アーティスト)、舟越桂(彫刻家)
撮影:江崎義一
編集・デザイン:清水恭子(求龍堂)
翻訳:パメラ三木(ミキ・アソシエイツ)
©Naoki Funakoshi 2021
定価 : 5,500 円(税込み)+送料520円
ときの忘れもので取り扱っています。

舟越直木(ふなこし なおき)
1953年1月14日 舟越保武と道子の三男として東京都世田谷区桜一丁目に生まれる。洗礼名ミカエル。高校時代はラクビー部に所属。
1978年 東京造形大学絵画科卒業後、インドからヨーロッパにかけて旅行する。
1983年 銀座のみゆき画廊にて舟越直木展を開催。
1989年 横浜市民ギャラリーにて第25回今日の作家「かめ座のしるし」に出品。
1991年 世田谷美術館の世田谷美術展’91に出品(以降、2006年まで出品)。
1996年 盛岡のMORIOKA第一画廊で舟越直木展を開催。平成8年度岩手県美術選奨を受賞。新潟県立美術館中庭に野外彫刻「夏の夜(Summer Night)」を設置。
2000年 東京・青山のときの忘れもので「O JUN・舟越直木展」開催。
2003年 東京・青山のときの忘れもので「舟越直木展」開催。
2010年 ゲンダイビジュツ「道(ドウ)?」(練馬区立美術館 練馬/東京 2.21-3.28)舟越直木作品15点収蔵。
2012年 岩手県立美術館4点買上げ(2014年、9点買上)。
2015年 講演「此の人の声を、応答せよ。Vol.22 ファイナル舟越直木(東京藝術大学 12.8)」。
2017年5月6日 肺癌のため64歳で逝去。

●作品のご紹介
舟越直木 《1996.12月19日》舟越直木 「1996.12月19日」 (1)
舟越直木 「1996.12月19日」 (2)
舟越直木 「1996.12月19日」 (3)
舟越直木 「1996.12月19日」 (4)舟越直木《1996.12月19日》
1996年 ドローイング
シートサイズ:40.0×32.0cm
サインあり


舟越直木"1997.APRIL 7"
舟越直木《1997.APRIL 7》 (1)
舟越直木《1997.APRIL 7》 (2)
舟越直木《1997.APRIL 7》 (3)舟越直木"1997.APRIL 7"
1997年 ドローイング
マットサイズ:82.0×66.0cm
サインあり

舟越直木 "Bedessa Moon"
舟越直木《Bedessa Moon》2000年 ブロンズ 14.5×9.0×7.5cm
IMG_9676舟越直木"Bedessa Moon"
2000年 ブロンズ
14.5×9.0×7.5cm
桐箱入り
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●舟越直木 ときの忘れものでの展示歴
・1997年7月22日~8月9日「ドローイング展
出品作家=大沢昌助、木村利三郎、池田龍雄、今泉省彦、小野隆生、舟越直木、小川信治、難波田龍起、他

・1999年12月3日~12月11日「水彩・素描展

・2000年6月6日~6月17日「OJun・舟越直木展
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2000年6月15日:「O Junとの二人展」にて自作を頭の上に載せてポーズをとる舟越直木(撮影:杉田和美)
於:青山・ときの忘れもの(一軒家時代)

O Junとの二人展にむけた舟越直木からのメッセ-ジ
< 今回のO-Junとの二人展に出品する作品は蝋型鋳造によるブロンズ彫刻にしようと思っている。
 今までは石膏の直づけによって原型を作ってきたが最近あの蝋型の形のコントロールの自由さのようなものに興味をもったからだ。原型が蝋型だといっても出来上がって来るものはブロンズであるから、ブロンズの質には変りはない。しかし、その表面のもっている風合、見た目のやわらかさの異いなどを確めてみたいと思っている。僕とO-Junは体格もとてもちがうし、彼は大きくてしかも、デリケートだと僕は思っている。作品の目指すところも異なっている。同じだったら気持悪い。
 しかし初めて彼の作品を見た時のことは良く覚えている。絵の上に日本語で、日記だか、心の叫びのような文章が書かれていた。そして、その時、こんなに真正直なことを書いてしまう作家もいるのかと思い感動した。そして、その時、二言三言話をしたのをおぼえている。私は私の作品をつくる。それらが彼の作品と、どんな対話をしてくれるか楽しみにしている。 2000.2.25 舟越直木


・2003年2月7日~2月22日「舟越直木展
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112003年2月「舟越直木展」にて、左から、舟越直木さん、深井隆さん、池田信宏さん、北郷悟さん
芸術家の一家のなかで育ち、作品を制作することと、生活することあるいは生きていくことが自然と同じ意味をもつのだろうと、その振舞いに見受けられる舟越直木。初期の平面作品から1980年代からは彫刻へと展開し、大きな野外彫刻やブロンズによる立体作品、その過程に描いたドローイングや水彩などの平面作品を発表し続けています。 2000年「舟越直木+阿部陽子展」の図録に、その制作への姿勢をが垣間見える文章を寄せています。   
僕は表現という言葉がよくなじめない。なぜそうなのかと考えてみると、それはトリックみたいな感じを僕に感じさせるからだ。僕は作品をつくる時いつも何かを表現しているという感じはもったことがない。ある作品が何かを表現していると言われることがよくある。たとえばキリストが十字架にかけられている絵などで背景の空の暗い青さがキリストの受難の悲しみを……などと言うように。だが僕はなにかいつも、そういう言葉に成程とは思いつつも、何か納得しきれないものを感じた。どんな時代のどんな作品も主題というものは作品にとって口実に過ぎない。 ただそこには、ある意志――ある方向性をもった力――が存在するだけだ。 だが、その意志そのものをとり出して見せることはできないだろう。なぜなら意志とは見えないある力のことだからだ。 ジョットによせて 舟越直木

2006年2月24日~3月11日「オブジェ展―私の好きな4つの版画と20のオブジェ―
051206


・2017年7月8日~7月29日「移転記念コレクション展
02
05舟越直木 「new born baby」ブロンズ、H34.5cm