『受贈記念 コレクター寺田小太郎―難波田龍起、相笠昌義を中心に―』
会期:2021年5月17日(月)~7月30日(金)10:00~17:00
休館日:6月30日(水)
7月7日(水)14日(水)21日(水)~23日(金祝)28日(水)
会場:會津八一記念博物館
入館料:無料
概要:当館は2010年と2019年に故寺田小太郎氏(1927-2018)のコレクションから合計150余点の作品をご寄贈頂きました。これを記念し、展覧会を開催致します。

1987年頃、寺田氏は新宿区の再開発に伴い創設されることとなった東京オペラシティ アートギャラリーへの寄贈を目的として、作品の収集を始めました。画家難波田龍起(1905-1997)の作品と出会ったことで「東洋的抽象」という収集方針が形成されますが、寺田氏の興味が一つ所に留まることはなかったようです。「日本的なるもの」、「人間とは何か」という問いを根底におきながら、自らの考えに基づいて作品の収集を続けました。最終的にそのコレクション総数は約4500点に上るといわれています。

本企画展では、難波田龍起、その次男である史男、そして、相笠昌義の作品を中心に、加納光於、鈴木竹柏、村上友晴、李禹煥など寺田氏が収集した幅広い作家たちの作品約100点を展示します。また、寺田氏の周囲にいた方々の話を共に紹介することで、コレクター寺田小太郎の一端に触れたいと思います。(早稲田大学會津八一記念博物館公式ホームページより)
出品リスト
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●展覧会図録のご紹介
20210624會津八一記念博物館_00001『受贈記念コレクター寺田小太郎 -難波田龍起、相笠昌義を中心に-』
執筆:相笠昌義(画家・多摩美術大学名誉教授)、沼田敦子(寺田小太郎氏二女)、藪野健(早稲田大学栄誉フェロー、名誉教授・日本藝術院会員・府中市美術館館長)
編集・執筆:玉井貴子(早稲田大学會津八一記念博物館 学芸員)、宮田悠衣(早稲田大学會津八一記念博物館 助手)、和田佐知子(早稲田大学會津八一記念博物館 学芸員)
編集協力:早稲田大学大学院文学研究科学生(山田麻里亜、阿部令太郎、池田淳史、伊藤圭一郎)
発行:早稲田大学會津八一記念博物館
発行日:2020年5月18日
印刷・製本:ニューカラー写真印刷株式会社

展覧会を鑑賞したスタッフIより
難波田龍起、難波田史男、内間安瑆オノサト・トシノブなど、ときの忘れもの取扱い作家の作品も展示されています。
興味深いのは寺田小太郎氏と難波田龍起先生の交流の形跡が展示されていることでしょうか。書簡や日記、当時の資料が作品とともに見られます。コレクターと作家の交流があったこと、それを公表しているところはこの展示の見どころの一つだと思います。
本ブログ2021年06月17日『日向あき子のエッセイ「百瀬寿小論 版●ヒト●光●宇●」』で企画展を紹介した東京オペラシティ アートギャラリーには寺田氏の膨大なコレクションがあることは知っている方も少なくないと思いますが、今回ご紹介した早稲田大学會津八一記念博物館にも多くの作品が寄贈されています。
展示作品を掲載した図録には寺田氏のご息女の沼田敦子さんの文章、「いま 父を想う」が掲載されています。寺田氏は生前、円盤(UFO)を長年にわたり研究されていて北海道にUFOを呼ぶためのピラミッドを所属団体とともに建設したそうです。

*画廊亭主敬白
展覧会についてはスタッフIのレポートがあるので、わざわざ亭主が書くこともないのですが・・・・
図録5ページに掲載された「さて困った。実は私達姉弟は父のことを本当によく知らない」に始まる沼田敦子さんの『いま 父を想う』には驚き、感銘を受けました。
全文を再録掲載したい誘惑にかられますが、ぜひ同館で展示をご覧になったうえで、図録をお買い求めください(ときの忘れものでは扱っていません)。
寺田さんは現代版画センター(1974~1985)の会員でした。ときの忘れものを開廊(1995~)してからもオノサト・トシノブ、難波田龍起、内間安瑆など多くの作品を買っていただきました。
私たちは多くのコレクターに巡り会ってきましたが、それぞれコレクションがその方の人生に深く関わっていることを突然知る瞬間があり、そのたびに粛然としたものでした。
寺田さんのお嬢様の文章を読み、難波田先生のご葬儀のおりの寺田さんの弔辞を思い出しました。ああそうだったのかと、寺田さんの人生の深淵を覗き見たような恐ろしさを覚えました。
美術品を売るのはその方の人生に否応なく関わることなのだといまさらながら思い知った次第です。

●本日のお勧め作品は難波田龍起です。
nambata_18_tenkuu難波田龍起 Tatsuoki NAMBATA
《天空へ》
1978年  銅版画
28.0×18.0cm
Ed.35   サインあり
※レゾネNo.101
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●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。