スタッフSの海外ネットサーフィン No.95「ガストン・プチコレクション@大英博物館 」
The British Museum, London
読者の皆様こんにちは。雨が降ろうが風が吹こうがコロナ禍がちっとも鎮静化しなかろうがとにかく暑い(一時雨で涼しくなりましたが)今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。雨にも負けず風にも負けずコロナは先日ようやく1回目のワクチン接種を済ませましたがやはり暑さには勝てないスタッフSこと新澤です。
今回の記事で取り上げさせていただくのは、イベントではなく人。勿体ぶったところでタイトルにデカデカと書いていますのでぶっちゃけますと、ガストン・プチさんについてです。
1930年、カナダ・ケベック州生まれのプチさんは1952年聖ドミニコ会修道者となり、1961年に宣教者として来日。以来60年もの間、渋谷・南平台にある聖ドミニコ・カトリック渋谷教会で修道士として活動する傍ら、作家としても活動を続けてきました。制作内容は絵画、版画、彫刻、ステンドグラスと多岐に渡り、拠点である日本と地元であるカナダを含め、個展だけでも世界各地で90回以上開催され、グループ展では200回以上出品を行っています。ステンドグラス作家ということで、勿論教会のステンドグラスも手掛けており、他にも東京都港区にある高円宮家のステンドグラス《秋扇の舞》もプチさんの作品の1つです。ときの忘れものの亭主がかつて主宰していた現代版画センターでも、1979年にリトグラフ《静物》と、1980年に版画集(シルクスクリーン3点)〈輝く影〉をエディションしています。
1970年代からは教会の敷地内で版画工房を主宰し、自分だけではなく多くの美術家たちの版画制作をサポートしてきました。また、制作のみならず日本の現代版画を世界に向けて紹介することにも尽力され、著作も多数執筆されています。
上記の活動の一環で海外の美術館にも多数の和製現代版画がプチさんのコレクションから収蔵されており、今回ご紹介する大英博物館のコレクションもその一部です。

大英博物館のHPにアクセスし、「Collection」を選ぶと検索コラムが表示されるので、「Gaston Petit」と入力すると「Fr Gaston Petit」とサジェストが表示されるので、その他のガストンさんやプチさんと混同されないように選んで検索すると出るわ出るわ、その数合わせて974件! これが特定の時代の特定の国に限定された個人のコレクションなのですから、その情熱には感服するばかりです。このコレクション数は天下の大英博物館にしてもちょっとした量のようで、博物館データベースに登録されているプチさんの略歴には以下のように記されています:
"Dominican priest, went to Japan as a missionary; painter, printmaker and collector; the Museum purchased a large number of Japanese modern prints from him"
「日本へ宣教師として渡ったドニミカ教会の僧侶;画家、版画家であり、コレクター;博物館は彼から膨大な量の日本現代版画を購入した」
登録されているコレクションの作家は元永定正、靉嘔、オノサト・トシノブ、内間安瑆、野田哲也、小野忠重、木村利三郎、畦地梅太郎など錚々たる面子ですが、惜しむらくは登録されている作品の95%以上がテキストデータのみで、画像がないことです。

ちなみに、974件の作品データの中には、プチさん自身の作品23点も登録されており、作家ご本人も「自分の作品が大英博物館に収蔵されていることは知っていたけど、こんなに沢山だなんて思わなかった」と驚いておられました。残念ながら、これらの作品も画像は登録されていません。
コロナ禍が収まるどころか今までにない広がりを見せる昨今、海外はもちろん、近場であってもお気軽にお出掛けくださいとは言い辛い世の中ですが、日々の引きこもりに疲れて体調を崩しては元も子もありません。たまの気分転換に、礼拝堂訪問などいかがでしょうか。
(しんざわ ゆう)
大英博物館コレクションサーチエンジン(英文)
聖ドミニコカトリック渋谷教会(プチさんのステンドグラスが紹介されています)
●ときの忘れものは8月24日(火)~9月1日(水)まで夏季休廊中です。
●本日のお勧めはオノサト・トシノブです。
オノサト・トシノブ Toshinobu ONOSATO
《集合》
1954年
キャンバスに油彩
45.5x38.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
The British Museum, London
読者の皆様こんにちは。雨が降ろうが風が吹こうがコロナ禍がちっとも鎮静化しなかろうがとにかく暑い(一時雨で涼しくなりましたが)今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。雨にも負けず風にも負けずコロナは先日ようやく1回目のワクチン接種を済ませましたがやはり暑さには勝てないスタッフSこと新澤です。
今回の記事で取り上げさせていただくのは、イベントではなく人。勿体ぶったところでタイトルにデカデカと書いていますのでぶっちゃけますと、ガストン・プチさんについてです。
日加修好90周年で制作されたYouTube動画シリーズより。
プチさんが初めて来日した時の思い出や、作品制作について話されています。
プチさんが初めて来日した時の思い出や、作品制作について話されています。
1930年、カナダ・ケベック州生まれのプチさんは1952年聖ドミニコ会修道者となり、1961年に宣教者として来日。以来60年もの間、渋谷・南平台にある聖ドミニコ・カトリック渋谷教会で修道士として活動する傍ら、作家としても活動を続けてきました。制作内容は絵画、版画、彫刻、ステンドグラスと多岐に渡り、拠点である日本と地元であるカナダを含め、個展だけでも世界各地で90回以上開催され、グループ展では200回以上出品を行っています。ステンドグラス作家ということで、勿論教会のステンドグラスも手掛けており、他にも東京都港区にある高円宮家のステンドグラス《秋扇の舞》もプチさんの作品の1つです。ときの忘れものの亭主がかつて主宰していた現代版画センターでも、1979年にリトグラフ《静物》と、1980年に版画集(シルクスクリーン3点)〈輝く影〉をエディションしています。
1970年代からは教会の敷地内で版画工房を主宰し、自分だけではなく多くの美術家たちの版画制作をサポートしてきました。また、制作のみならず日本の現代版画を世界に向けて紹介することにも尽力され、著作も多数執筆されています。
上記の活動の一環で海外の美術館にも多数の和製現代版画がプチさんのコレクションから収蔵されており、今回ご紹介する大英博物館のコレクションもその一部です。

大英博物館のHPにアクセスし、「Collection」を選ぶと検索コラムが表示されるので、「Gaston Petit」と入力すると「Fr Gaston Petit」とサジェストが表示されるので、その他のガストンさんやプチさんと混同されないように選んで検索すると出るわ出るわ、その数合わせて974件! これが特定の時代の特定の国に限定された個人のコレクションなのですから、その情熱には感服するばかりです。このコレクション数は天下の大英博物館にしてもちょっとした量のようで、博物館データベースに登録されているプチさんの略歴には以下のように記されています:
"Dominican priest, went to Japan as a missionary; painter, printmaker and collector; the Museum purchased a large number of Japanese modern prints from him"
「日本へ宣教師として渡ったドニミカ教会の僧侶;画家、版画家であり、コレクター;博物館は彼から膨大な量の日本現代版画を購入した」
登録されているコレクションの作家は元永定正、靉嘔、オノサト・トシノブ、内間安瑆、野田哲也、小野忠重、木村利三郎、畦地梅太郎など錚々たる面子ですが、惜しむらくは登録されている作品の95%以上がテキストデータのみで、画像がないことです。

大英博物館収蔵のプチコレクションの一部(画像付)
ちなみに、974件の作品データの中には、プチさん自身の作品23点も登録されており、作家ご本人も「自分の作品が大英博物館に収蔵されていることは知っていたけど、こんなに沢山だなんて思わなかった」と驚いておられました。残念ながら、これらの作品も画像は登録されていません。
コロナ禍が収まるどころか今までにない広がりを見せる昨今、海外はもちろん、近場であってもお気軽にお出掛けくださいとは言い辛い世の中ですが、日々の引きこもりに疲れて体調を崩しては元も子もありません。たまの気分転換に、礼拝堂訪問などいかがでしょうか。
(しんざわ ゆう)
大英博物館コレクションサーチエンジン(英文)
聖ドミニコカトリック渋谷教会(プチさんのステンドグラスが紹介されています)
●ときの忘れものは8月24日(火)~9月1日(水)まで夏季休廊中です。
●本日のお勧めはオノサト・トシノブです。
オノサト・トシノブ Toshinobu ONOSATO《集合》
1954年
キャンバスに油彩
45.5x38.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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