スタッフSの海外ネットサーフィン No.106
「IMAGES ARE REAL -JONAS MEKAS 100! -」
Mattatoio Roma, Italy


 読者の皆様こんにちは。今月頭の雨模様からこっち、急激に冬めいてきている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。来月の今日には久方ぶりの海外アートフェアとなるArt Basel Miami Beachへ出発していることを考えると、今から期待と不安が募るスタッフSこと新澤です。

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 今年の1月の記事でメカス生誕100年を記念して公開された「Jonas Mekas 100!」をご紹介しましたが、今回ご紹介するのは、イベントカレンダーで11月9日から翌年2月26日まで掲載されている「IMAGES ARE REAL」です。開催会場はローマ、テスタッチョ地区にあるMattatoio(マッタトイオ)。以前パリの元商品取引所(Bourse de Commerce(ブルス・ドゥ・コメルス))がそのままの名前で美術館としてオープンしたことを記事にしましたが、このMattatoio(マッタトイオ)も同様で、英語にするとslaughterhouse、日本語にすると屠畜場という名称がそのまま施設名として使用されています。流石にこれはどうなんだ…

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 この展覧会は、ヴェネチアからニューヨーク、ソウル、レイキャビックまで、数々のアートプロジェクトでメカスに同行したデュオ、フランチェスコ・ウルバノ・ラガッツィがキュレーションしたもので、ジョナス・メカスの60年に渡るキャリアを、前衛映画史という括りを超えて、回顧的に考察しています。メカスの1960年代から2010年代後半までの幅広い作品を紹介する中で、人間の残虐性に対する抵抗の形として、また現在の不確実性に対する幸福の探求として、メカス作品を探求することを目的としています。

 今回の展覧会のタイトルは、映画『Out-takes From the Life of a Happy Man』からの引用であり、作家のオフスクリーンの声が反映されています。"Memory is gone, but the images are here, and the images are real!(記憶は失われたが、イメージはここにあり、イメージは本物だ!)"。ジョナス・メカスの生誕100周年を祝うことは、3世代に渡るアーティストや映画制作者にインスピレーションを与えた人物の記憶を讃えるだけでなく、何よりも、個人的であり政治的でもある映画制作の実践の現在を永続させることを意味するのです。(展覧会公式ページより引用)

"Outtakes from the Life of a Happy Man" (Excerpt) by Jonas Mekas

 昨今はコロナの勢いこそ治まらないものの、ようやく国外への移動制限も緩和されてきました。
 もし年末年始にかけてイタリアへ旅行する機会があれば、是非お運びください。

(しんざわ ゆう)

IMAGES ARE REAL公式ページ(英語)
Mattatoio公式ページ(英語)
Jonas Mekas 100!(英語)

スタッフSの海外ネットサーフィンは毎月26日の更新です。

クボテーって誰? 希代のパトロン久保貞次郎と芸術家たち」開催中
会期:10月15日[土]~10月29日[土] *日曜休廊
会場:ストライプハウスギャラリー STRIPED HOUSE GALLERY
  〒106-0032 東京都港区六本木 5-10-33
  Tel:03-3405-8108 / Fax:03-3403-6354
主催:久保貞次郎の会
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アンディ・ウォーホル展 史上最強!ウォーホルの元祖オタク栗山豊が蒐めたもの
会期:2022年11月4日(金)~11月19日(土) *日・月・祝日休廊
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