駒井哲郎を追いかけて第77回
画廊では「春の小展示/松本竣介と駒井哲郎」を開催しています。
点数はそう多くはないのですが(だから小展示としました)、ひときわ目立つのが1971年に制作された駒井哲郎先生の「大きな樹」(発表時のタイトルは「樹木」)という大作です。

近年、世界があっと驚くような現代美術の優品を積極的に蒐集し、観客が多いのは京橋のアーティゾン美術館と箱根のポーラ美術館であることは異論がないでしょう。
本日はアーティゾン美術館と駒井哲郎先生の「大きな樹」についてのちょっとした因縁話(と言っていいのか・・)をご紹介します。
アーティゾン美術館の旧名はブリヂストン美術館、文字通り倉敷の大原美術館と並び日本の美術館の先駆けとして1952年に開館しました。設立したのは株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎(1889-1976年)。2015年にビル建て替えのため休館していましたが、2020年に名称をアーティゾン美術館に変更し、旧美術館の約2倍の面積で開館しました。
つまりアーティゾン美術館の母体は株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎が自ら集めたコレクションです。
いまや連結従業員13万5千人の大会社のコア事業は自動車のタイヤです。亭主が美術界に入ったころの名称はブリヂストンタイヤ株式会社といいました。
1970年ころ、ブリヂストンタイヤ株式会社が額縁製作に乗り出し、その一環として版画の版元となり、駒井先生はじめ日本の代表的版画家の作品をエディションし、売っていました。
えーっと驚かれる方も多いでしょう。亭主が知る限り、美術史のどの年表にも、版画のあまたある雑誌、書籍、研究書のどこを見ても書いてありません。不思議ですね。
今回展示中の「大きな樹」はブリヂストンタイヤ株式会社がエディションし頒布した作品です(額縁も同社製です)。
今から7年前の2016年02月14日のブログで「忘れられた版元」と題して紹介したことがあります。ぜひご笑覧ください。
駒井哲郎「大きな樹」
(発表時のタイトルは「樹木」)
1971年
銅版(エッチング)
イメージサイズ:44.5×32.8cm
シートサイズ:63.2×45.2cm
Ed.210 signed
※レゾネNo.288(美術出版社)
額裏に貼られたシール
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆「春の小展示/松本竣介と駒井哲郎」
会期:2023年2月15日(水)~2月25日(土)*日・月・祝日休廊
出品作品の画像とデータは2月9日ブログに掲載しています。
挿画本やカタログについては2月15日のブログ「松本竣介の画集・カタログ」と、2月16日のブログ「駒井哲郎の挿画本とカタログ」をご参照ください。

画廊では「春の小展示/松本竣介と駒井哲郎」を開催しています。
点数はそう多くはないのですが(だから小展示としました)、ひときわ目立つのが1971年に制作された駒井哲郎先生の「大きな樹」(発表時のタイトルは「樹木」)という大作です。

近年、世界があっと驚くような現代美術の優品を積極的に蒐集し、観客が多いのは京橋のアーティゾン美術館と箱根のポーラ美術館であることは異論がないでしょう。
本日はアーティゾン美術館と駒井哲郎先生の「大きな樹」についてのちょっとした因縁話(と言っていいのか・・)をご紹介します。
アーティゾン美術館の旧名はブリヂストン美術館、文字通り倉敷の大原美術館と並び日本の美術館の先駆けとして1952年に開館しました。設立したのは株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎(1889-1976年)。2015年にビル建て替えのため休館していましたが、2020年に名称をアーティゾン美術館に変更し、旧美術館の約2倍の面積で開館しました。
つまりアーティゾン美術館の母体は株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎が自ら集めたコレクションです。
いまや連結従業員13万5千人の大会社のコア事業は自動車のタイヤです。亭主が美術界に入ったころの名称はブリヂストンタイヤ株式会社といいました。
1970年ころ、ブリヂストンタイヤ株式会社が額縁製作に乗り出し、その一環として版画の版元となり、駒井先生はじめ日本の代表的版画家の作品をエディションし、売っていました。
えーっと驚かれる方も多いでしょう。亭主が知る限り、美術史のどの年表にも、版画のあまたある雑誌、書籍、研究書のどこを見ても書いてありません。不思議ですね。
今回展示中の「大きな樹」はブリヂストンタイヤ株式会社がエディションし頒布した作品です(額縁も同社製です)。
今から7年前の2016年02月14日のブログで「忘れられた版元」と題して紹介したことがあります。ぜひご笑覧ください。
駒井哲郎「大きな樹」(発表時のタイトルは「樹木」)
1971年
銅版(エッチング)
イメージサイズ:44.5×32.8cm
シートサイズ:63.2×45.2cm
Ed.210 signed
※レゾネNo.288(美術出版社)
額裏に貼られたシールこちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆「春の小展示/松本竣介と駒井哲郎」
会期:2023年2月15日(水)~2月25日(土)*日・月・祝日休廊
出品作品の画像とデータは2月9日ブログに掲載しています。
挿画本やカタログについては2月15日のブログ「松本竣介の画集・カタログ」と、2月16日のブログ「駒井哲郎の挿画本とカタログ」をご参照ください。

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