オフィス旅行
ザルツブルクの街
秋休みということもあったのでしょうか? ここ一ヶ月は日本からの知人友人の訪問が多く、毎週どなたかと会って、普段の生活からは得ることのできないインスピレーションをもらっていた日々でした。
クールも10月に入ってからは山の頂には雪が見え、最低気温が0度に近い日もありました。今はスイスのプロジェクトも日本のプロジェクトも現場が進み、入札書類を作りながら施工図を描く、という2つの異なるフェーズをやりくりしていて、それでももう少しでこの二重仕事が終わる。という気持ちでやってきています。こんな時には少しリフレッシュするべきだと。僕たちも秋休みを利用して3泊4日のオフィス旅行でザルツブルク(Salzburg)へやってきました 笑。
ザルツブルクはモーツァルトで有名な街ということだけは知っていたのですが、それ以外のことは全然わからず。実際に訪れてみると街はそれほど大きくはありません。駅前のホテルに滞在し、そこからバスで10分程度離れたところにある旧市街へ向かいました。
Franziskanerkirche。手前がロマネスク、奥がゴシック
ロマネスク(下)とゴシック(上)の天井
旧市街は教会が多くあり、なかでもFranziskaner kircheは街の中でも最も古い教会の一つで、ロマネスク教会と後期ゴシック教会の2つのパートからなっています。つまり、エントランスを入ると壁量の多い、やや薄暗いロマネスク空間があって、その奥に垂直方向に広がる、光に満ちたゴシック空間がある。という構成。
後期ゴシック様式の部分
教会の幅は同じだけれども光と天井高さの違いによって、空間体験にダイナミックさがありました。小さな教会ではロマネスク様式をゴシック様式に改修したものを見たことがありましたが、ここまでくっきりと領域分けされている大きな教会は初めて訪れました。時代が違うと空間の作り方がこうも違うのか。と思わされます。縄文と弥生くらいの価値観の転換です。
オーボエ協奏曲のコンサート
日曜日の今日は昨日のパーティ後の静けさか、またお店もほとんど閉店しているので街全体の時間がゆっくりと進んでいて、都市の空間の輪郭がいつもよりもくっきりと感じ取れました。
もちろん、コンサートも楽しんで、良いリフレッシュとなりました。
(すぎやま こういちろう)
■杉山幸一郎 SUGIYAMA Koichiro
日本大学、東京藝術大学大学院にて建築を学び、在学中にスイス連邦工科大学に留学。2014年から2021年までアトリエピーターズントー。現在、スイス連邦工科大学チューリッヒ校で設計を教える傍ら、建築設計事務所atelier tsuを共同主宰。2022年1月ときの忘れものにて初個展「杉山幸一郎展スイスのかたち、日本のかたち」を開催、カタログを刊行。
世の中に満ち溢れているけれどなかなか気づくことができないものを見落とさないように、感受性の幅を広げようと日々努力しています。
・ 杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
また杉山さんの展覧会を来年2026年夏ごろに開催予定です、どうぞご期待ください。
*画廊亭主敬白
<9日午後5時3分ごろ、盛岡市と岩手県矢巾町、宮城県涌谷町で震度4の地震があった。気象庁によると、震源地は三陸沖で、震源の深さは約10キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6・7と推定される。
毎日新聞オンライン 配信>
東北をはじめ各地で熊の被害が相次いでおり、亭主の故郷の群馬県嬬恋村でも被害が出たとのニュースに心をいためていた折、今度は地震と津波。自然の脅威に慄くばかりです。
岩手には半世紀前から私たちの顧客や支援者たちが多くおり、皆さんの安否が心配でなりません。
どうぞご無事でありますように。
◆「西田考作さんを偲んで、西田画廊旧蔵ポスター展」
会期:2025年11月5日(水)~15日(土) *日曜・月曜・祝日は休廊
主催・会場:ときの忘れもの
出品作品:荒木経惟、磯崎新、大竹伸朗、加納光於、桑原甲子雄、田名網敬一、福田繁雄、森村泰昌、
アンディ・ウォーホル、トニ―・クラッグ、パウル・クレー、アドルフ・ゴットリーブ、
フランク・ステラ、セバスチャン、サム・フランシス、ヨーゼフ・ボイス、
ジャクソン・ポロック、ロバート・ラウシェンバーグ、マーク・ロスコ、ジョアン・ミロ、他
*生前の西田考作さんの開廊直前インタビュー録(1982年)を11月6日ブログに掲載しました。
*坂上しのぶさんの論考「バイヤーズと西田考作」を11月12日と、13日の二回にわけて掲載します。
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●ときの忘れものの建築空間(阿部勤 設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。 
外観







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