8月27日は、ル・コルビュジエの命日(Le Corbusier、1887年10月6日 – 1965年8月27日)。
そして本日10月6日が誕生日。今年は生誕138年・没後60年にあたります。
本名はシャルル=エドゥアール・ジャヌレ=グリ(Charles-Edouard Jeanneret-Gris)。
スイスで生まれフランスで活躍した建築家ですが、多くの絵画、彫刻、版画作品を遺したことでも知られています。
2025年8月29日 スタッフM 撮影。
フランスのパリ近郊のポワシー(Poissy)駅から徒歩5分の広場にあるコルビュジエの彫像。
ときの忘れもののブログで「ガウディの街バルセロナより」を連載している丹下敏明先生によれば、
<ライトは生涯に七百五十の設計をこなしたといわれ、ル・コルビュジェは百の建築作品を実現させ、百七十のプロジェクトを残し、六十五の都市計画を立案し、二十の家具、五十の著作を発表したほか、四百の絵画、七の壁画、四十のタピストリー、五十の彫刻作品を残している。これに対してガウディは、二十五の建築作品、十のインテリア、二十五のプロジェクト、五の都市計画的提案、百の家具デザイン、出版物に至っては二稿というものである。
(丹下敏明『ガウディの生涯』後書きより、彰国社、1978年刊)>

2025年8月29日 スタッフM 撮影。《サヴォア邸》ポアシー駅からタクシーで7分くらい。
最も有名な住宅ですね。想像以上に大きく感じました。1931年(昭和6年)竣工。
パリに住むサヴォア家の週末住宅として建てられました。施主のサヴォア氏はイギリスのロイズ社の傘下にあった保険会社の経営者。ロイズといえば世界中の保険の元締めのような巨大組織として現在も有名です。コルビュジエに設計を依頼することが決まってからは、サヴォア夫人からの具体的で細かい要求に応えながら、なんと設計期間は約半年間でこの傑作が生まれたそうです。

サヴォア邸のお風呂。画廊亭主(露天風呂愛好会会員)はここに入ったことがあるとか。

パリ市内の16区にある、ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸にも伺いました。
外観。コルビュジエの兄のアルベール・ジャンヌレ氏とスイスの銀行家であるラ・ロッシュ氏の2世帯住宅です。
内側ではつながっていないのですが、屋上はつながっていました。(キッチンにくぐり扉がついていて行き来できたこともあったそうです)
入口から入って左側がアルベール・ジャンヌレ氏の邸宅。一般公開されています。

アルベール・ジャンヌレ氏の邸宅の応接室。
となりのラ・ロッシュ邸は、現在ル・コルビュジエ財団事務所として使われています。
当日は、ル・コルビュジエ財団事務所のフロジェ田辺典子様、Ms. Isabelle GODINEAUさんにガイドしていただき、貴重なお話を伺うことができました。サヴォア邸で案内してくださったナタリーさんも本当にありがとうございました。(スタッフM)
多くの建築家たちが版画を発表してきましたが、ファンが入手可能な版画を数多く制作したのがル・コルビュジエでした。
ときの忘れものでは開廊以来、多くのル・コルビュジエ作品を扱ってきました。ぜひご注文ください。
ル・コルビュジエ
《モデュロール》
1950年~1956年
リトグラフ
イメージサイズ:70.0×53.0cm
シートサイズ:73.5×54.0cm
版上サインあり
ル・コルビュジエ
『二つの間に』(リトグラフ17点組)
1964年
リトグラフ
44.0×36.0cm
Ed.250
版上サインあり
奥付


モノクロ作品17点















カラー作品1点
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■ル・コルビュジエ Le Corbusier (1887-1965)
スイスで生まれ、フランスで活躍した建築家。本名シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ。モダニズム建築の礎を築いた20世紀を代表する建築家であり、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと合わせ「近代建築の三大巨匠」と呼ばれている。スイスで時計職人の父のもとに生まれ、装飾美術学校に進むが、建築を志すようになる。在学中にパリへ渡り、鉄筋コンクリート建築の先駆者オーギュスト・ペレや、ドイツ工作連盟の中心人物ペーター・ベーレンスなどのもとで、実践によって建築を学ぶ。第一次世界大戦中はスイスに帰省したが、戦後パリに戻ると1920年に雑誌『レスプリ・ヌーヴォー』を刊行し、この頃からル・コルビュジエの名を使い始めた。実践に理論を並行させ、鉄筋コンクリートを活用した建築理論「ドミノ・システム」、高密現代都市の理想的環境を構想した「輝く都市」、身体に合う建築寸法の黄金比「モデュロール」、《サヴォア邸》で実現された新しく自由な建築のための要点「近代建築の五原則」などを、著作やCIAM(近代建築国際会議)で次々に発表し、世界に多大な影響を与えた。また、世界中のさまざまな都市の計画・構想に関わった。「パリ改造計画」案のほか、一部実現した例にインド・パンジャブ州の「チャンディガール都市計画」がある。代表作に「近代建築の五原則」を実現した《サヴォア邸》(ポワシー、1928)、《ユニテ・ダビタシオン》(マルセイユ、1952)、《ロンシャンの礼拝堂》(1955)ほか。日本では《国立西洋美術館》(1959)がル・コルビュジエの基本設計による。
*画廊亭主敬白
今春、フランスからル・コルビュジエ財団の人たちが画廊を訪ねてきました。
その後、スタッフMは夏休みを使ってはるばるフランスに(それも初めて)渡り、サヴォア邸とラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸を訪ねた。
実にいいレポートで、亭主も植田実先生と訪ねた30数年前のことを思い出しました。
サヴォア邸のお風呂、「画廊亭主はここに入ったことがある」とありますが、湯船にもぐりこんだだけですよ。いまだったら怒られるかも知れませんが、当時は訪れる人もまばらでほぼ独占状態でした。
亭主はスタッフたちに<写真を見て行った気になっちゃダメだ、名建築は実地に行ってその空間を身をもって体験しなくちゃあ>と口をすっぱくして言っていますが、これは磯崎新先生の受け売り。
さらにいうと<漫然と見るんじゃダメ、必ずいいコーチ、専門家にナビゲーターを依頼すること>。
スタッフMは最良のナビゲーターに恵まれたようです。
ときの忘れものの建築ツアーは植田実先生はじめ優れた専門家にナビゲーターを依頼しています。
先日のアートフェアアジア福岡でもル・コルビュジエの人気は圧倒的でした。
半世紀前からコルビュジエ、コルビュジエと叫び続けてきた亭主としてはやっと商売になってきたなあ、と感慨しきりです。
◆「銀塩写真の魅力Ⅸ」
会期:2025年10月8日~10月18日
主催:ときの忘れもの
出品作家:福田勝治(1899-1991)、ウィン・バロック(1902-1975)、ロベール・ドアノー(1912-1994)、植田正治(1913-2000)、
ボブ・ウィロビー(1927-2009)、奈良原一高(1931-2020)、細江英公(1933-2024)、平嶋彰彦(b. 1946)、
百瀬恒彦(b. 1947)、大竹昭子(b. 1950)
●ときの忘れものの建築空間(阿部勤 設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info[at]tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。





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