最終講評会
昨年の秋から新しく就任したクールにあるのグラウビュンデン州立応用科学大学(Fachhochschule Graubünden)での設計スタジオで最終講評会がありました。
この大学は基本的に事前に職業訓練学校でドラフトマンとして働きながら学んだ学生や、大工や石工を学んだ人、はたや経済など建設分野以外を学んで、また働いている人たちもいます。そこは、通常の大学とは少し違ったところです。
だからこそ、生徒は学ぶことに対する目的意識が高く、提案の密度が濃く、成果物は学部1学期目とは到底思えない内容で提出してきました。今回の課題は、Halle für «XX»とし、つまり「«XX»のためのホール」を提案するものとしました。XXは自分たちで設定し、その根拠も明確にプレゼンしてもらいました。音楽といった分かりやすいものから、悲しみといった抽象的なもの、コモンといった社会的なものまで多岐にわたって、どれひとつとして似たものがなかったのは、学期を通して驚いたことです。また、学生同士が競争意識の中で課題をこなすというよりも、助け合いながら学んでいく姿勢には驚きました。一度社会に出て働き、再び学ぶということを通して、何か共通意識・意思のようなものがあったのだと思います。
35人、17チームの作品を設計デザイン担当二人、構法担当二人の合計4人で進めてきましたが、具体的な設計について議論することができ、有意義な学期を過ごすことができました。
(すぎやま こういちろう)
■杉山幸一郎 SUGIYAMA Koichiro
日本大学、東京藝術大学大学院にて建築を学び、在学中にスイス連邦工科大学に留学。2014年から2021年までアトリエピーターズントー。現在、グラウビュンデン州立応用科学大学(FHGR)で設計を教える傍ら、建築設計事務所atelier tsuを共同主宰。2022年1月ときの忘れものにて初個展「杉山幸一郎展スイスのかたち、日本のかたち」を開催、カタログを刊行。
世の中に満ち溢れているけれどなかなか気づくことができないものを見落とさないように、感受性の幅を広げようと日々努力しています。
・ 杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。次回は2026年3月10日を予定しています。どうぞお楽しみに。
●「綿貫不二夫 12作家の版画制作を語る半世紀 第2回 菅井汲 聞き手/三上豊」
開催日時:2026年2月28日(土)14時~(要予約)
会場:ときの忘れもの
どなたでも参加いただけますが、事前予約制とします。
参加費:1,000円(資料代を含む)
参加ご希望の方は、お名前(フルネーム)、ご連絡先(住所)を明記の上、メールにてお申込みください。
前回は12時開始でしたが、今回は14時開始となります。
*第1回の様子は2月4日のブログをお読みください。
菅井汲「スクランブルG」

1976年
凸版+シルクスクリーン(刷り:石田了一)
イメージサイズ:35.5×25.0cm
シートサイズ:40.5×28.5cm
Ed.150 サインあり
*現代版画センターエディション
■三上 豊(みかみ ゆたか)
1951年東京都に生まれる。11年間の『美術手帖』編集部勤務をへて、スカイドア、小学館等の美術図書を手掛け、2020年まで和光大学教授。現在フリーの編集者、東京文化財研究所客員研究員。主に日本近現代美術のドキュメンテーションについて研究。『ときわ画廊 1964-1998』、『秋山画廊 1963-1970』、『紙片現代美術史』等を編集・発行。
◆松本竣介と舟越保武
2026年2月6日(金)~2月21日(土)11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
洋画家・松本竣介と彫刻家・舟越保武の二人展を開催します。 1912年生まれの二人は、岩手県立盛岡中学(現在の県立盛岡第一高等学校)の同級生で、ともに絵画俱楽部に所属し、終生の友情を結びました。
その後二人はそれぞれの道を歩みますが、1941年と45年に盛岡・川徳画廊にて松本竣介と舟越保武の二人展を開催。
現在、岩手県立美術館には二人の常設展示室が設置されています。
本展では松本竣介の素描と舟越保武の彫刻・版画作品をご紹介いたします。
●ときの忘れものの建築空間(阿部勤 設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。



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