画廊亭主の故郷は群馬県、生まれたのは中条町、幼稚園時代は草津町で、小学校・中学校は嬬恋村で、そして高校三年間は高崎で過ごしました。
群馬県西端の高原地帯・嬬恋村から出てきて高崎高校に入学したのが1961年でした。
最初に入部したのはテニス部、そこで出会った内海孝幸君がなぜかマンドリンを持っていて部室で亭主のギターに合わせて弾いていたのが、その後の人生を決めました。
「マンドリンと私」をお読みいただきたいのですが、内海君が初代部長、亭主が初代指揮者を務めた高崎高校マンドリン・オーケストラは後輩たちの努力でいまや群馬県で最も歴史の古い団体となりました。
ことしの部員は28名 (1年生10名/2年生10名/3年生8名)、一時は廃部寸前までいったことを思うと隔世の感があります。
2月2日に開催された群馬県高等学校ギターマンドリンコンクールでは50~60名を擁する女子高を抑えて最優秀賞(第一位・群馬県知事賞)を受賞し、全国大会出場権を獲得しました(全国大会は7月26日大阪府吹田市文化会館で開催されます)。
全国大会を前に、7月20日(日)には第58回定期演奏会を群馬音楽センターで開催します。
さてここからが本日の本題。
高崎にはアントニン・レーモンドの設計した素晴らしい建物があります。
一つは戦前からレーモンドを庇護した井上房一郎さんの高崎駅近くの自邸(旧井上房一郎邸)、
もう一つが地方初のオーケストラとして発足した群響(群馬交響楽団)の本拠として1961年に竣工した群馬音楽センターです。
群馬音楽センターは、DOCOMOMO Japanが1999年(平成11年)に日本の近代建築20選に選んだ、近代建築の傑作です。
レーモンドの代表作であるこの建物については、2016年に書いたブログ「10月25日はアントニン・レーモンド没後40年」をお読みください。
この特徴的な側面の折板構造(不整形折面架板構造)の壁は剛性が大きくなることのほかにコンクリートの使用量が少なく経済的であることからも採用されたようです。施工は井上工業。完成は1961年(昭和36年)、画廊亭主が高崎高校に入学した年です。
側面。折板構造がよくわかります。屋根の厚さはわずか12cmととても薄い。
1階ロビー。目の前はアントニン・レーモンドギャラリー。レーモンドの作品を見ることができるとともに群馬音楽センターや旧井上邸の模型も展示されています。
群馬音楽センター第一案模型
群馬音楽センター第二案模型
群馬音楽センター最終案模型
音楽センター緞帳下絵
竣工当初は東洋一といわれた壁画(ホワイエ・フレスコ画)。
高崎市民吹奏楽団の練習風景
老朽化で取り壊しの話も出たのですが、レーモンドの意匠を凝らした壮大な建築空間を全面的になくしてしまうのはあまりに惜しいと、存続が決まり、今でも現役で使われています。
*『WebマガジンColla:J』2018年7月号(高崎特集)も併せてお読みください。
読者の皆さんに、このレーモンドの大空間をぜひぜひ味わってほしい。
7月20日(日)に、亭主の母校・高崎高校マンドリン・オーケストラの定期演奏会が開催されます。
もう舞台からはとっくに引退していますが、当日はモギリ担当で皆さんをお迎えします。
夏の暑い最中で恐縮ですが、高崎までお運びいただけると嬉しいです。
ご来場ご希望の方には招待券をお送りしますので、遠慮なくメール、電話等でお知らせください。
【高崎高校マンドリン・オーケストラ第58回定期演奏会】

日時:7月20日(日) 14時開演
会場:群馬音楽センター
曲名:Paradiso 武藤理恵 作曲
マードックからの最期の手紙 樽屋雅徳 作曲
古戦場の秋 小池正夫 作曲 他
当日は亭主は裏方なので、おもてなしもできませんが、どうぞ後輩たちの素晴らしい演奏と、レーモンドの比類ない大空間を体験してください。
◆「開廊30周年記念 塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」
Part 1 2025年6月5日(木)~6月14日(土)
Part 2 2025年6月18日(水)~6月28日(土)
※6月17日(火)に展示替え、日・月・祝日休廊
ときの忘れものは開廊30周年を迎えました。記念展として「塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」展を開催します。
●松本莞『父、松本竣介』
2025年6月8日東京新聞に<昭和初期から戦後活躍 早世の洋画家 松本竣介の生き様 新宿在住次男・莞さん 逸話まとめ出版>という大きな記事が掲載されました。
また『美術手帖』2025年7月号にも中島美緒さんの書評「家庭から見た戦時の画家の姿」が掲載されています。
ときの忘れものは松本竣介の作品を多数所蔵しています。
松本莞さんのサインカード付『父、松本竣介』(みすず書房刊)を特別頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートーク他を開催してまいります。詳細は1月18日ブログをお読みください。
今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
著者・松本莞
『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築空間(阿部勤設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
正面外観
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は原則として休廊ですが、企画によっては開廊、営業しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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