3月19日(水)から、パリのポンピドゥー・センターで“Paris Nori - Artistic circulations and anti-colonial resistance, 1950 – 2000” (黒人のパリ- 芸術運動と反植民地闘争 1950 – 2000)が始まりました。1950年代から2000年までフランスで活躍した黒人アーティストの影響を探る本展では、アフリカ、アメリカ、カリブ海諸国など様々な出身地のアーティスト150人による300点以上の作品が展示されます。
画像0Gerard Sekoto, "Self-portrait", 1947 - The Kilbourn Collection - c Estate of Gerard Sekoto/Adagp, Paris, 2025 - Photo c Jacopo Salvi

本展の副キュレーター・Eva Barois De Caevel氏は、Euro News.のインタビューで「様々なバックグラウンドを持つ黒人作家達を”Pairs Noir”として再定義したことが重要」だと語ります。地理的・民族的な差異はあれど、奴隷としての扱いや人種差別を受けた経験など、作家たちのほとんどに共通の体験、言い換えれば黒人の間で共有されている「意識」に焦点を当ててキュレーションをしたのだそうです。
画像1Wifredo Lam (Wifredo Oscar de la Concepcion Lam y Castilla, dit)(1902, Cuba - 1982, France), "Umbral"(Seuil), 1950 (https://www.centrepompidou.fr/en/ressources/oeuvre/c8E8b4k)

画像2Georges Coran(1928, France), "Delire et paix", 1954 (https://www.centrepompidou.fr/en/ressources/oeuvre/2Ckg1h1)

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Harold Cousins(1916, Etats-Unis - 1992, Belgique), "Roi des musiciens", 1955 (https://www.centrepompidou.fr/en/ressources/oeuvre/5FjnaqX)

本展では、多様な黒人作家達による抽象画やシュルレアリスムの再定義のみならず、彼らがパリでどのように連帯し、アフリカの脱植民地化を目指すパン・アフリカンアート(※)を作り上げていったのかを浮き彫りにします。Eva氏は、この野心的なグループ展を足掛かりとして、多くの施設・博物館・大学がこれらの黒人アーティスト達に注目し、作品の収集や評価、各作家の個展開催へとつながれば、と考えているそうです。
※パン・アフリカニズム:アフリカ系諸民族による植民地支配からの主体性の回復、歴史の復権、独立と統一を目標とする運動。

画像4Amadou Gaye, "Les quartiers populaires debarquent a Paris a l’instar de ceux d’Asnieres-Gennevilliers pour accueillir la Marche", 1983 (https://www.centrepompidou.fr/en/ressources/oeuvre/Zz0eCY0)

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Chanel Diagne(1953, Republique francaise),"Le Garcon de Venise", 1976 (https://www.centrepompidou.fr/en/ressources/oeuvre/CCSm5zH)

画像6Ernest Breleur(1945, France), "Sans titre (Serie Fwomaje)", 1988 (https://www.centrepompidou.fr/en/ressources/oeuvre/sigcXaJ)

本展キュレーターのAlicia Knock氏とEva氏とのインタビューはこちらのURLからご覧いただけます。:https://www.euronews.com/video/2025/03/27/paris-noir-pompidous-landmark-exhibition-spotlights-decades-of-black-art-and-resistance

"Paris Noir" は6月30日(月)まで開催です。フランス在住の皆様、期間中にパリ滞在予定の皆様、是非この大展覧会に足を運ばれてはいかがでしょうか。
(スタッフMJ)


●5月11日のブログで「中村哲医師とペシャワール会支援5月頒布会」を開催しています。
66fc6cbc-s今月の支援頒布作品は島州一、ブーランジェ、仙波均平です。
皆様のご参加とご支援をお願いします。
申し込み締め切りは5月20日19時です。

◆次回展覧会のお知らせ
魔法陣2「2025コレクション展3/駒井哲郎、菅井汲、池田満寿夫」
2025年5月21日(水)~5月24日(土)11:00-19:00
※前回展DMで予告していた日程から会期が変更となりました


●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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