池田20世紀美術館は2025年5月1日に開館50周年を迎えたそうで、記念祝賀会にご招待いただき、静岡県伊東市へ行ってきました。

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祝賀会の会場は格式のある川奈ホテルの大宴会場。川奈ホテルは1936年に開業し、2つのゴルフコースが併設されており、あのマリリン・モンローがハネムーンで宿泊したとか。内装もクラシック。
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こちらは映写機だそうで、この空間で映画見てみたいものです。

祝賀会にはたいへん多くの方がお祝いに駆けつけており、同館で個展を開催したガストン・プチさんはじめ作家の方や、画廊の皆さんともお会いしました。
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ノーベル賞受賞者の大村智先生のご祝辞もあり、津軽三味線や歌、和太鼓などで宴を盛り上げていました。お料理もそれはそれは豪華。

館長の伊藤康伸様、前館長の川添英樹様にご挨拶させていただき、
祝賀会の後は、バスをご用意いただき、美術館へ移動。
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私は「小野隆生展」のときに何度も足を運んだ池田20世紀美術館ですが、それ以来久しぶりの訪問でした。

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池田20世紀美術館は、1975年(昭和50年)、現在東証プライムに上場しているニチレキ株式会社の創立者 池田英一氏の寄付によって開館した美術館です。美術館の建物は、彫刻家の井上武吉の設計によるもので、外壁には、日本で初めてステンレススチールが使われました。
(池田20世紀美術館HP「当館からのご挨拶」より抜粋)
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変わらず迎えてくれる秋山祐徳太子さんのブリキの皇帝と綿貫夫妻。

こちらのコレクションにはフランシス・ベーコンの名品があります。何度も拝見していますが、すさまじい力があります。これを見に来るだけでも価値はあります。
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アンディ・ウォーホルのシルクスクリーン〈マリリン・モンロー〉は10点揃っています。
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マチス、レジェ、ムンク、シャガール、ミロなど名品がずらりと並んでいました。
個人的には、ときの忘れもの亭主がどのような見方をするのかが気になり、後ろをついて回りました。しばらく立ち止まってまじまじと見る作品があり、どこを見ているのだろうと近づいてみると、どうやらサインを見ていたようです。勉強になります。
入社した頃、美術館慣れしていない私は、膨大に展示されている作品を前に、どうやって見たらいいかわからずにいると、パッと見て気になる作品だけ見ればいいと教えていただいたことがあり、今でもその見方をしているのであります。

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岩中徳次郎さんの〈生物テルス〉シリーズは、散歩中で拾ったものや、家にあった廃物を使って制作されたものだそうで、タイトルを逆さから読むと「すてる物 生かす」だそうです。当方にある瀬木愼一先生のコレクションにもありました。

企画展では「大津英敏展」を開催中。
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この初期《横たわる女》という作品が素敵でした。
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お天気も良く、素敵な一日でした。
50年の歴史を持ち、20世紀美術の名作を所蔵展示する池田20世紀美術館に、是非訪れてみてください。
おだち れいこ

*画廊亭主敬白
最近遠出はおっくうになり不義理続きですが、池田20世紀美術館には尾立に助けてもらいお祝いに行ってきました。
創立者の池田英一さんにお目にかかったのは1975~6年か、亭主が創作版画に夢中になっていたころでした。
人づてに山本鼎(1882年~1946年)の木版の版木を所蔵されているらしいと伺ったからです。この話をするとまたまた長くなるので、端折りますが、山本鼎は石井柏亭、森田恒友と三人で創作版画のさきがけとなった雑誌『方寸』を1907年(明治40)に創刊しました。1911年(明治44)までに全35号が刊行されましたが、当時揃いで所蔵しているところはなかった。三彩社から出た復刻版『方寸』は野田宇太郎さんともう一人のコレクターのものを合わせて撮影し刊行されたものです。
鼎のご子息、詩人の山本太郎(1925年~1988年)さんがご健在でお話を伺うこともできました。
親父は晩年、中風で苦しんだ。昭和19年ころ、学校から帰ったら二階から大きな音がするので驚いて上がったら、親父が鉈で版木を割っていた。だからうちには版木は残っていない。
そのとき山本家に無かった版木の一点は有名な「漁夫」、そしてもう一点が鼎夫人と愛猫を描いた「カロ」の版木(ここまで書いてきて、さすがに50年前の記憶に自信が持てない)、この2点が山本鼎の現存する版木という話でした。
池田英一さんにお目にかかった記憶はあるのですが、その詳細はもう記憶にありません。

「2025コレクション展3/駒井哲郎、菅井汲、池田満寿夫」
会期=2025年5月21日(水)~5月24日(土)11:00-19:00
※前回展DMで予告していた日程から会期が変更となりました

魔法陣2詳しい出品内容は5月20日のブログに掲載しました。

●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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