建築家の谷口吉生先生が昨年12月16日に87歳で亡くなられました。
先日、金沢市民ホールにて「谷口吉生氏 お別れの会」が行われ、出席して参りました。谷口先生は、私どもとは渋谷の現代版画センター時代からご縁があり、青山時代には2010年の「マン・レイと宮脇愛子展」にもお越しくださいました。

2010年 マン・レイと宮脇愛子展 2010年9月28日~10月16日 オープニングにて
宮脇愛子先生と谷口吉生先生、槇文彦先生
お別れ会は、金沢市長の式辞、そして、金沢市議会議長、北國新聞社・代表取締役社長、清水建設・代表取締役社長、谷口吉郎・吉生建築記念館・前館長などの追悼の辞がありました。また、最後の谷口久美夫人の故人を偲び参列者への感謝の言葉は心温まるもので胸にしみました。
金沢には、御尊父・吉郎先生との唯一の共作[金沢市玉川図書館]や、[鈴木大拙館]、谷口家の土地を市に寄贈されて建てられた[谷口吉郎・吉生建築記念館]があります。吉郎先生が金沢出身だったこともあり、また疎開先が金沢で幼少期に少し住んだこともあるようで、谷口吉生先生は金沢市名誉市民になられたそうです。
最近は[富山新聞高岡会館]の設計をされています。
会場には建築写真や図面などがパネルになっており、清家清先生がアメリカはいいよと言ったことがきっかけでハーバード大学に進学したこと、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の壁画制作の際、猪熊さんが描いた画用紙に、もうちょっと余白があった方がいいと大半の絵を修正液で消してしまったという貴重なエピソードも掲載されていました。
国内外に名建築を手掛けた谷口吉生先生。私は金沢の建築はもちろん、ニューヨークの[MoMA][MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館]など、代表作はわりと見ていると思いますが、[土門拳記念館]は見ていなかったので、いつか酒田市に見に行かねばと思います。

2009年に開催した「香川の建築とうどんを楽しむツアー」にて。
設計した谷口先生が<大半の絵を修正液で消してしまった>という[MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館]大壁画の前での集合写真。
謹んで谷口吉生先生のご冥福をお祈り申し上げます。
(おだち れいこ)
●ときの忘れものの建築空間(設計:阿部勤)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
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