
京都市京セラ美術館では「草間彌生 版画の世界 反復と増殖」が開催中です。
草間先生の故郷・長野県の松本市美術館が所蔵する作品と作家蔵を加えた約330点の版画が京都に集結しています。
前期と後期で作品を全点入れ替えたとのこと。暑い京都で熱気あふれる草間版画の世界にどっぷり浸かってきました。
会期:2025年4月25日(金)~9月7日(日)
前期:4月25日(金)~6月29日(日)/後期:7月1日(火)~9月7日(日)
時間:10:00~18:00(最終入場は17:30まで)
会場:新館 東山キューブ
休館日:月曜日(ただし、4/28、5/5、7/21、8/11は開館)
詳細は公式HPをご覧ください。
草間彌生先生は1979年に版画作品を初めて制作発表します。
それを刷り師としてサポートしたのが刷り師の石田了一先生です。
レゾネ番号1番《靴をはいて野にゆこう》、2番《幻の野に立ちて》は、米国から帰国後の死や苦悩をテーマにした作品とは対照的に、華やかなモチーフが色彩豊かに表現されています。それまでの抽象的な表現に加え、靴、帽子、南瓜、ドレス、葡萄、花や蝶など日常的なモチーフが網目や水玉で構成され、明瞭な色彩をまといます。網目や水玉の増殖が創作活動の根幹にあった草間と、複製芸術である版画は必然的に出合ったと言っても過言ではないでしょう。

2025年7月19日、銀座三越にて撮影。
中央が石田了一先生。版画教室の生徒さんと。

左は、石田了一先生からときの忘れものに届いた沢山の「まちむら農場アイスクリーム」。さっぱりした甘さが蒸した身体に沁みます。本当にありがとうございました!
右は、京都市京セラ美術館で販売されていたクッキー缶。《靴をはいて野にゆこう》がデザインされています。
京都市京セラ美術館の入り口。
草間彌生展の入り口。
展覧会のカタログに掲載されている松本市美術館の澁田見彰先生によるテキスト「反復と増殖 草間芸術の小宇宙」には、刷り師・岡部徳三先生や石田了一先生についても書かれていますので、ぜひお読みください。
石田先生が刷ったラメ入りの版画が並ぶ部屋は、見る角度によって変化する煌めきによって、1点1点が草間宇宙への入り口のように見えてきます。草間スタジオの方によると京セラの今回の展示は、今までで一番ラメ作品が美しくなるような照明になっているとのこと。お見逃しなく。
さて、ときの忘れものでは「2025コレクション展4/瑛九、ウォーホル、ホックニー他」を開催中です。
草間彌生《夕映えの雨》を出品しています。
京都の「草間彌生 版画の世界 反復と増殖」の前期でも展示されていた本作は、石田了一先生による刷りです。
<版画の魅力にとりつかれて、私はつくりつづけて来た。その道のりの鮮やかな内省の輝きに、いつも私は自ら打ちのめされている。創造へのはばたきは、限りある人間の営為の中で、毎日が生への発見である。版画は尽きることのない人生の足跡であると、来し方をいつも振り返って心に命じている。
草間彌生 >
草間彌生
《夕映えの雨》
1992年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
52.5 x 45.5 cm
Ed. 75
サインあり
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(スタッフM)
◆「2025コレクション展4/瑛九、ウォーホル、ホックニー他」
会期:2025年8月1日(金)~8月16日(土) 11:00~19:00 ※日曜・月曜・祝日休廊
出品作家:靉嘔、赤瀬川原平、安藤忠雄、畦地梅太郎、泉茂、石山修武、磯辺行久、伊藤公象、瑛九、オノサト・トシノブ、恩地孝四郎、加藤清之、北川太郎、草間彌生、倉俣史朗、島州一、嶋田しづ、田名網敬一、難波田龍起、野田哲也、長谷川潔、日和崎尊夫、舟越保武、舟越直木、堀尾貞治、槇文彦、宮脇愛子、元永定正、百瀬寿、山口薫、横尾忠則、若林奮、アンディ・ウォーホル、ジョン・ケージ、ジャン・フォートリエ、デイヴィッド・ホックニー、ソニア・ドローネー、フェルナン・レジェ、マリー・ローランサンほか。
出品全47点の画像とデータは8月2日ブログに掲載しました。
●お詫び
本日8日は、杣木浩一の連載エッセイ「宮脇愛子さんとの出会い」の掲載日ですが(毎月8日の更新)、私ども(ときの忘れもの)の都合で8月と9月は休載とさせていただきます。筆者の杣木浩一先生と読者の皆さんにはお詫び申し上げます。
次回は10月8日に掲載予定です。
杣木先生だけではなく他の連載も同様で、一~二ヶ月ほど休載させていただきます。
先日少しご報告しましたが、ホームページを全面的に改変し、連動してブログその他も全く今までとは異なるサイトでの公開作業にかかっています。
思ったより手間で、いまだに道半ばというところで、スタッフも喘ぎながら作業を進めています。
ご理解のほどお願い申し上げます。




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