2026.3.12

2月28日「綿貫不二夫 12作家の版画制作を語る半世紀 第2回 菅井汲 聞き手/三上豊」参加者の感想

2026年2月28日(土)に開催した「綿貫不二夫 12作家の版画制作を語る半世紀 第2回 菅井汲 聞き手/三上豊」
参加者からの感想をお伝えします。 

なお次回第3回(関根伸夫)は3月28日(土)14時から開催します。


左から三上豊先生、綿貫不二夫、綿貫令子
画面中央が菅井汲《スクランブルG》

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ときの忘れもの 綿貫さま
お早うございます。昨日はどうもお疲れさまでした。前回同様、とても楽しかったです。
現代版画センターと菅井汲との関わりや、シルクスクリーンのプロセス、
刷り師(特に石田さん)の役割などなど、知らなかったことばかりで、とてもためになりました。
ありがとうございました。
*TNさん

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「綿貫不二夫 12作家の版画制作を語る半世紀 第2回 菅井汲」に参加して:
座談の名手(画廊亭主:綿貫不二夫氏、以下ご亭主)の素敵な語りを聞き手の三上豊氏が塩梅よく引き出し、楽しい時が凝縮したような語る会でした。
予想した通り、いや予想以上に面白く興味が尽きないエピソードの数々に嬉しくワクワクした気持ちとなりました。
特に興味深かったのは;
・関根伸夫が版画制作の一流として菅井汲を推薦したこと(へぇ~そうなんだという感じでした)
・菅井汲とKS氏との関係
・久保貞次郎の子分と見做されて菅井汲から版画制作を断られそうになったこと(いやはや何とも言えませんが)
・若い時のご亭主には発注者としての意識(認識)がなく、それを菅井汲から指摘されて困惑したこと(その様子が目に浮かぶようですが、ご亭主はそもそも蔦屋重三郎になる気はなかったのでしょう)
・初めて写真製版を採用したシルクスクリーン「スクランブル」シリーズは、エディションした版画のなかで一番売れなかったこと(今見ると一番洗練された版画だと思いますが、当時のコレクターは印刷の匂いを感じ取って(版画と狭義の印刷物を区別したかった)買わなかったことも理解できます。 時代が少し早かったのでしょう)
・菅井汲は全ての原稿を原寸大で制作したが、作家によっては下絵を制作できない人もいてゴーストライターがいたこと(この話はちょっとショックでした)
・摺師の技量と職人としての矜持が作品の品質(完成度)に如何に重要であるかということ(シルクスクリーンの摺師・石田了一氏のことはこの両面において絶賛。人間的にも絶大の信頼を置いていたのが伺える熱い語りでした)
・ご亭主と令子社長の永きに亘る信頼関係(苦難も共に乗り越えて素敵なご夫婦です)
などなど。
最後に少し意外だったのは;
・ご亭主がエディション数にこだわりがないこと。コレクターの片割れの筆者には、エディション数とサインは希少性とオリジナルを担保するものとして非常に重要な要素であるが、ご亭主はプロデューサー(発行元)の立ち位置でコレクターではなかったという認識を新たにした。今更ながら。
とても面白かったので、第3回以降も都合が許す限り参加したいと思います。
ありがとうございました。
*MTさん

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綿貫不二夫さんの尽きせぬお話が、聞き手の三上豊先生の優しくも鋭い質問により、どんどん深まり、面白くて一日中拝聴したい気分でした。ありがとうございました。
まず、綿貫さんと菅井汲さんの出会いの場面。菅井さんに版画制作を依頼したときの会話にこちらも緊張しました。しかし綿貫さんの強い意志と熱意が菅井さんに通じたのだ、と私は思いました。その後気の合う仲になり、綿貫さんは菅井さんに沢山のことを頼むことになったそうです(菅井さんの1970年代から80年代の幾何学的抽象による70点以上の版画エディションを世に送り出す)。菅井さんがデザイナーの仕事を経て若くして渡仏し、画家として華々しいデビューを遂げたこと、サガン原作の映画「悲しみよ、こんにちは」に菅井さんのパリでの個展が登場することは有名ですが、菅井さんは外国で全く独力でそのような地位を築き成功した。それだけに菅井さんは自分の考えをはっきり言うことを大切にする人だと、今回の綿貫さんの語りの各所で感じました。
版画制作の話では、菅井さんが必ず原寸大の原図(原稿)を作るとのことでした。菅井さんの要望に対して、シルクスクリーンの刷り師である石田了一さんがそれを超えるものを創っていく過程にも感激しました。菅井さんの作品のようにシンプルなものほど刷りが難しい。午前と午後で紙の状態が変わるなかで刷りを正確に行う困難さの話に驚嘆しました。作家、版元、刷り師の強い連携と信頼関係が、傑作群を生み出したのですね。
日本全国での菅井汲版画展の展開、また重ねて、ときの忘れものの前身である現代版画センターの成り立ちや活動についても、話は尽きませんでした。
「何十年経っても残るものをつくれるかどうか」。この綿貫さんの言葉は、すべてに通ずる。ずっしりと心に残りました。
*HIさん

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第二回で印象に残ったお話は、以下の通り。
●菅井汲
・阪急でデザインを担当⇨フランスでひとりで生きてきた
・フランス映画「悲しみよこんにちわ」 菅井の展示会のシーンがある
・毎日同じ食事をされていた
・現代版画センター用に原寸大の作品(原稿)を作成
・有名なデザイン
  ・甲子園の高校野球ポスター
  ・阪急ブレーブスの兜のマーク

●現代版画センター
・刷り師イシダさんの作家と打合せ準備される資料(試刷り)のバリエーションが凄い。
⇨ 作家から紙の質で薄い注文があり、提示した作品を破り、新しい紙で再作成
⇨アンディウオホールの版画作成時の資料は図録として残ってる。
→いずれの資料を是非見たい。
・版画は限定部数より版画としての質次第。何十年たった作品の差は絵の具、紙の選択に違いから歴然。
*NYさん

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◆次回は3月28日(土)14時から開催します。
「綿貫不二夫 12作家の版画制作を語る半世紀 第3回 関根伸夫 聞き手/三上豊」
開催日時:2026年3月28日(土)14時~(要予約)
会場:ときの忘れもの
どなたでも参加いただけますが、事前予約制とします。
参加費:1,000円(資料代を含む)
参加ご希望の方は、お名前(フルネーム)、ご連絡先(住所)を明記の上、メールにてお申込みください。

関根伸夫《絵空事―赤の風船》
1975年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)+作家手彩色
45.0×35.0cm
Ed. 100  サインあり
*現代版画センターエディション

関根伸夫せきねのぶお 19422019 
1942年9月12日埼玉県生まれ。1962年多摩美術大学油絵科入学、1966年多摩美術大学大学院油画研究科入学、斉藤義重に師事(1968年卒業)。1968年に第8回現代美術展《位相No.6》、神戸須磨離宮公園現代彫刻展《位相―大地》、第5回長岡現代美術館賞展《位相―スポンジ》などで次々と受賞。日本発の現代美術ムーブメント[もの派]を代表する作家として活躍する。1970年第35回ヴェニス・ビエンナーレに《空相》出品。これを機に渡欧し、1971年帰国。
1973年環境美術研究所を設立(2010年閉所)。1977年デンマーク・ルイジアナ美術館にセキネ・コーナーが完成。1978年ルイジアナ美術館他でヨーロッパ巡回展を開催。2010年上海へ移住。2012年ロサンゼルス南部のパロスバーデス半島に移住し制作活動を行なう。2019年 5月13日ロサンゼルス郊外のトーランス市の病院にて永逝(享年76)。

■三上 豊(みかみ ゆたか)
1951年東京都に生まれる。11年間の『美術手帖』編集部勤務をへて、スカイドア、小学館等の美術図書を手掛け、2020年まで和光大学教授。現在フリーの編集者、東京文化財研究所客員研究員。主に日本近現代美術のドキュメンテーションについて研究。『ときわ画廊 1964-1998』、『秋山画廊 1963-1970』、『紙片現代美術史』等を編集・発行。

●ときの忘れものは昨2025年6月に30周年を迎えました。
現代版画センター(1974~1985年)を経て、1993年に綿貫令子が有限会社ワタヌキを設立、1995年6月に南青山に画廊「ときの忘れもの」を開設いたしました。
紆余曲折はありましたが、約半世紀、主として現代版画の版元として活動してまいりました。
現代版画センターが制作発表(エディション)した約80作家、780種類の版画・立体マルチプルのうち280点は埼玉県立近代美術館に寄贈いたしました。
同館では2018年に「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展を開催し、280点を公開、展示してくださいました。
会場:埼玉県立近代美術館
会期:2018年1月16日(火)~3月25日(日)

ときの忘れもののスタッフは誰も現代版画センターを知りませんが、同センターのエディション作品はこれまで現在の所蔵者(関西の通販会社)から少しずつわけていただき(買い戻し)画廊で紹介展示しています。さらにときの忘れもののエディション作品も既に300点(種類)を超えています。
それらの作品群の中から、スタッフの希望で、
オノサト・トシノブ、菅井汲、関根伸夫、内間安瑆、ジョナス・メカス、元永定正、アンディ・ウォーホル、宮脇愛子、草間彌生、靉嘔、磯崎新、安藤忠雄の12作家にどうのように関わり、エディション作品をつくってきたかを公開で語ることとなりました。
(12作家を選んだのはスタッフたちです)
聞き手は現代版画センターを知る編集者の三上豊氏にお願いしました。
毎月1回、第4土曜日の14時から開催します(要予約)。

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■特集展示「安藤忠雄」
会期:2026年2月27日(金)~3月12日(木) 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
好評につき3月12日(木)まで、会期を延長します。
会場:ときの忘れもの
安藤忠雄の1988年の巨大版画「中之島プロジェクト(アーバンエッグ)」2点を展示するとともに、ル・コルビュジエ、磯崎新、槇文彦、マイケル・グレイヴス、倉俣史朗、六角鬼丈、佐藤研吾など巨匠から気鋭まで建築家の秀作を併せてご覧いただきます。

 


2002年 大阪の安藤忠雄建築研究所にて、版画のエディション制作打合せ。
左から安藤忠雄先生、植田実先生、綿貫不二夫。

 

◆ときの忘れものは、アートフェア東京2026 へ出展します。

TOKYO ART BEATでも<ときの忘れものは、内間安瑆・内間俊子の作品、瑛九のフォト・デッサンなど戦後美術史における重要作家を取り上げる>と注目されています。
会期=2026年3月13日(金)~3月15日(日)
会場=東京国際フォーラム ホールE/ロビーギャラリー
(〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5番1号)
ときの忘れものブース番号= N009
出品作家=安藤忠雄、磯崎新、内間安瑆、内間俊子、瑛九、倉俣史朗、佐藤研吾、塩見允枝子、瀧口修造、松本竣介

*アートフェア東京2026 公式サイト https://artfairtokyo.com/

<重要なお知らせ>
アートフェア東京2026出展のため、
ときの忘れものは、2026年3月13日(金)~3月16日(月)は臨時休廊いたします。
スタッフはアートフェア東京の会場(東京国際フォーラム)におります。

●ときの忘れものの建築空間(阿部勤 設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

 

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