会期=2025年10月23日(木)~10月27日(月)
会場=Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1
   (No.5, Sec. 5, Xinyi Rd., Xinyi Dist., Taipei City 110, Taiwan)
ブースNo.  B29

SVIP プレビュー 2025/10/23 (木) 12:00-21:00

VIP プレビュー 2025/10/23 (木) 15:00-21:00
                     2025/10/24 (金) 11:00-14:00

一般公開  2025/10/24 (金) 14:00-19:00
                 2025/10/25 (土) 11:00-19:00
                 2025/10/26 (日) 11:00-19:00
                 2025/10/27 (月) 11:00-18:00

ART TAIPEI 2025では、安藤忠雄、靉嘔、佐藤研吾、仁添まりな、釣光穂の作品を紹介・展示します。

私たちは、優れた建築家というのは人間の生きる空間をデザインする「アーティスト」だと考えています。 その空間に身をおくだけで人間の精神に刺激を与えるような空間を創造する人、実際に建築が実現しなくとも、そのような空間を夢想する人、そんな建築家たちが描いたドローイングや版画をご紹介します。

日本を代表する建築家・安藤忠雄(b. 1941)は美しいコンクリート打ち放し建築を次々と生み出し、光と影をあやつる設計で、世界で高い評価を得ています。世界中に安藤の建築がありますが、台湾では[亜洲大学亜洲現代美術館](2013年竣工)を設計し、また2022年に忠泰美術館で個展「挑戦-安藤忠雄展」が開催されています。台湾でも名の知れた建築家です。安藤はドローイングや版画制作も行ない、当ギャラリーでも版画集をエディションしています。

佐藤研吾(b. 1989)は今年の大阪関西万博のコンペで選ばれ、テレビ局の「サテライトスタジオ」の設計に携わるなど、現在最も活躍している建築家です。日本の福島県の農村に拠点を据えつつ、国内に加えてインドのベンガル地方でも建築設計・施工を行っており、自身の移動の経験を基軸に多様な活動を展開しています。その傍ら、一貫して木と鉄を組み合わせたピンホールカメラを制作しています。そのカメラで長時間露光の撮影を行い、写真作品も発表しています。

虹のアーティストと呼ばれる靉嘔(b.1931)は、渡米後、ジョージ・マチューナスの主唱によって現代美術に革新をもたらした「フルクサス」の運動に初期から参画し、中心メンバーとして活躍しました。フルクサスは、多国籍の集団、美術だけでなく音楽、詩、舞踏などさまざまなジャンルの作家が参加したことが特徴的で、靉嘔はメンバーのナム・ジュン・パイクやオノ・ヨーコらと「イヴェント」と呼ばれるパフォーマンを度々行ないました。彼は、全ての物体・イメージを虹色で分解し再構築する虹の作品やパフォーマンスで世界的な評価を受けています。2023年はM+(香港)にて大展覧会「靉嘔:虹虹虹」が開催され、また現在、台湾の市長官邸藝術サロン(ヒロヒロアートスペース主催)で「Ay-O: A Rainbow Frenzy」が開催されるなど、国際的に活躍しています。本展では靉嘔の虹のタブローや版画をご紹介します。

琉球絵画の研究や復興に尽力している若手作家・仁添まりな(b. 1993)は、幼少期から過ごしている沖縄を拠点に、琉球画家として未来に向けた沖縄をテーマにした理想郷を描き続けています。仁添は、中国の影響を受けた琉球絵画の花鳥画に、中国から伝来した花と鳥の吉祥を意味する組み合わせが多く取り入れられ、人々の願いを込めて描かれていたことに関心をいだいています。「琉球絵画の花鳥楽園」を一貫としたテーマに、琉球絵画の描法を積極的に取り入れ、伝統的な吉祥の画題を、現代の琉球絵画で描く楽園として制作していくことで、伝統と革新を試みています。

伝統工芸が盛んな金沢に在住する釣光穂は、身近にある形や、土器や須恵器など古代の陶器の形をモデルに、手びねりという伝統的な陶芸の技法を用いて、まるで編み物のように表現する、気鋭の陶芸家です。細長い土をより合わせ、明るく着色された作品群は、陶器でありながら毛糸製のように柔らかく、優しい印象を受けます。焼いたときに自重により撓む形の変化を利用したり、日本の伝統菓子「金太郎飴」の手法から着想を得て、自身の手びねりの陶器作品に用いたりするなど、新たな試みに挑んだ釣の陶器作品をご紹介いたします。

上記の作家の新作、旧作を組み合わせ、彼らが更に広く認知される機会にしたいと思います。