ときの忘れもの ギャラリー 版画
ときの忘れものWEB展覧会
風景撮影:新澤悠

◆瀧口修造展-U 〜ときの忘れものWEB展覧会


2014年4月の「ときの忘れものWEB展覧会」は、2014年3月に開催した瀧口修造展-Uの様子をご紹介いたします。お問合せはこちらから。
詩人、美術評論家、シュルレアリスム運動の紹介者として著名な瀧口修造は、戦前・戦後を通じ多くの若手芸術家の精神的支柱として、日本の前衛芸術をリードしてきました。ところが、1958年のヴェネチア・ビエンナーレでコミッショナーを務め、その後欧州各地を訪問してアンドレ・ブルトンやマルセル・デュシャンらと面会してきた頃からその活動に変化が現れ、帰国してからは自らもドローイング、水彩、バーント・ドローイング(焼け焦がした水彩)、ロトデッサン(モーターによる回転線描)、デカルコマニー(転写法)など、さまざまな手法による造形制作を開始しました。遺された素晴らしい作品は、小品が多いとはいえ、どれも驚くような美しさを持っており、まさに一人の造形作家として評価されるべき質・量を備えています。



瀧口修造(1903-1979)

詩人、美術評論家として知られる。シュルレアリスムの理念を体現し、戦前・戦後を通じ日本における前衛芸術運動の理論的・精神的支柱として、多くの芸術家の活動を鼓舞し続けた。内外の造形作家と詩画集を共作したほか、自らも多数の造形作品を残している。
1903年、富山県に生まれる。幼少期から文学・美術に親しみ、特にウィリアム・ブレイクに傾倒していた。慶應義塾大学英文科在学中に、指導教授だった西脇順三郎を通じてシュルレアリスムを知り、『シュルレアリスム宣言』、『磁場』などを読んで深く影響され、一連の実験的な詩的テクストを発表するとともに、ブルトン『超現実主義と絵画』を全訳した。31年に卒業後、映画製作所PCL(写真化学研究所。東宝の前身)にスクリプターとして勤務する傍ら、美術評論活動を開始した。海外のシュルレアリストたちと文通を続け、ブルトン『通底器』、『狂気の愛』、「文化擁護作家会議における講演」やエルンスト、ダリの著作などを翻訳・紹介、37年には山中散生とともに「海外超現実主義作品展」を開催した(記念出版『アルバム・シュルレアリスト』も編集)。「超現実造型論」「前衛芸術の諸問題」などの美術評論だけでなく「写真と超現実主義」「物体と写真」などの写真評論も執筆し、画壇に属さない前衛美術家・写真家たちの研究・発表グループを理論的に指導した。しかしこうした活動は、国際共産主義運動に関係する危険なものと見なされて、41年春から7ヶ月余り特高によって拘留され、中断を余儀なくされた。
58年、ヴェネチア・ビエンナーレのコミッショナーとして訪欧、イタリアの彫刻部門の代表だったフォンターナを高く評価して絵画部門で票を投じた後、欧州各地を訪問し、ブルトン、デュシャン、ダリ、ミショーらと面会した(ブルトンとの会談を自ら「生涯の収穫」と回想している)。帰国後、時評的な美術評論の発表が減少する一方、展覧会序文などの私的な執筆が増加した。公的な役職を辞任する反面、赤瀬川原平の「千円札事件」(65〜70年)では特別弁護人を積極的に引き受けている。ミロ、サム・フランシスなど、多くの造形作家と詩画集を共作したほか、自らもドローイング、水彩、デカルコマニー、バーント・ドローイング(焼け焦がした水彩)、ロトデッサン(モーターによる回転線描)などの、独特な手法の造形作品を制作し、個展も数回開催している。67年には戦間期の詩的テクストを集成した『瀧口修造の詩的実験 1927〜1937』を刊行した。夢の記録の形をとった散文作品や、諺のような短いフレーズの作品も残している。自ら構想したコンセプチュアルな「オブジェの店」に対して、上記の訪欧後も文通を続けていたデュシャンから「ローズ・セラヴィ」の名を贈られた。この返礼に『マルセル・デュシャン語録』を刊行(68年)、その後もデュシャン研究を継続し、「大ガラス」の一部を立体化したマルティプル『檢眼圖』も制作している(東京ローズ・セラヴィ、77年。造形作家岡崎和郎との共作)。79年に心筋梗塞のため没した。

(執筆:土渕信彦)



"II-1"

デカルコマニー、水彩、紙
イメージサイズ:14.0×12.3cm
シートサイズ :15.1×12.3cm

"II-2"

デカルコマニー、水彩、紙
イメージサイズ:13.6×9.9cm
シートサイズ :13.6×9.9cm

"II-3"

デカルコマニー、水彩、紙
イメージサイズ: 14.2×5.1cm
シートサイズ : 14.2×5.1cm


"II-4"

デカルコマニー、紙
イメージサイズ:13.6×9.7cm
シートサイズ :13.6×9.7cm
U-5と対

"II-5"

デカルコマニー、水彩、紙
イメージサイズ:13.6×9.9cm
シートサイズ :13.6×9.9cm
U-4と対
裏面にも作品あり

"II-6"

デカルコマニー、紙
イメージサイズ:13.8×9.9cm
シートサイズ :13.8×9.9cm


"II-7"

デカルコマニー、紙
イメージサイズ:13.7×9.9cm
シートサイズ :13.7×9.9cm
U-8と対

"II-8"

デカルコマニー、紙
イメージサイズ:11.0×8.5cm
シートサイズ :13.7×9.8cm
U-7と対

"II-9"

デカルコマニー、紙
イメージサイズ:12.1×10.1cm
シートサイズ :12.9×11.0cm


"II-10"

デカルコマニー、紙
イメージサイズ:16.7×11.6cm
シートサイズ :16.7×11.6cm

"II-11"

デカルコマニー、紙
イメージサイズ:13.6×9.9cm
シートサイズ :13.6×9.9cm
裏面にも作品あり

"II-12"

デカルコマニー、紙
イメージサイズ:5.4×9.0cm
シートサイズ :5.4×9.0cm


"II-13"

1962年
デカルコマニー、紙
イメージサイズ:7.3×12.6cm
シートサイズ :9.8×13.7cm
富山県立近代美術館蔵No.76と対

"II-14"

1962年
デカルコマニー、紙
イメージサイズ:12.5×9.2cm
シートサイズ :12.5×9.2cm
富山県立近代美術館蔵No.53と対

"II-15"

デカルコマニー、紙(郵便はがき)
イメージサイズ:14.1×9.0cm
シートサイズ :14.1×9.0cm


"II-16"

デカルコマニー
イメージサイズ:14.2×7.3cm
シートサイズ :19.3×13.1cm
※『瀧口修造の造形的実験』(2001年)No.198と対

"II-17"

デカルコマニー
イメージサイズ:12.3×9.0cm
シートサイズ :19.4×13.1cm
※『瀧口修造の造形的実験』(2001年)No.197と対(下の図柄だけ違う)

"II-18"

デカルコマニー
イメージサイズ:15.7×9.0cm
シートサイズ :19.3×13.1cm


"II-19"

デカルコマニー
イメージサイズ:26.3×19.0cm
シートサイズ :26.3×19.0cm
※『瀧口修造の造形的実験』(2001年)No.223と対

"II-20"

デカルコマニー
イメージサイズ:14.2×9.3cm
シートサイズ :25.8×19.0cm
U-21と対

"II-21"

デカルコマニー
イメージサイズ:15.5×9.3cm
シートサイズ :25.7×19.0cm
U-20と対


"II-22"

デカルコマニー
イメージサイズ:15.0×10.0cm
シートサイズ :26.9×20.0cm
U-23と対

"II-23"

デカルコマニー
イメージサイズ:15.5×10.5cm
シートサイズ :27.0×19.3cm
U-22と対

"II-24"

デカルコマニー
イメージサイズ:20.4×13.7cm
シートサイズ :20.4×13.7cm


"II-25"

デカルコマニー
イメージサイズ:18.5×14.8cm
シートサイズ :26.4×19.1cm

"II-26"

デカルコマニー
イメージサイズ:14.0×10.0cm
シートサイズ :19.2×13.2cm
U-27と対

"II-27"

デカルコマニー
イメージサイズ:13.5×10.5cm
シートサイズ :18.4×12.3cm
U-26と対


"II-28"

デカルコマニー
イメージサイズ:13.0×10.7cm
シートサイズ :13.3×11.0cm
※『瀧口修造の造形的実験』(2001年)No.222の対

"II-29"

デカルコマニー
イメージサイズ:11.2×7.3cm
シートサイズ :19.4×13.2cm
U-30と対

"II-30"

デカルコマニー
イメージサイズ:11.2×7.5cm
シートサイズ :19.3×13.2cm
U-29と対


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