“ときの忘れもの”今週のオークション 2005.06.25


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<<今週の話題・・・ブランドの力>>
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今年はどうやら梅雨らしい梅雨にはなりそうにもありませんね。雨の中を歩かないで済むのは、それはそれで良いのですが、すでに水不足の問題が
起きているようです。また、私の鼻はいまだにムズムズしていますが、雨が少ないせいでしょうか。


先日、銀座のN画廊に若い女性作家の個展のオープニングに行く機会がありました。その作家は、仙台在住で、東京での個展は初めてです、が、大
作も含め20点ほどの作品は2点を残して売約済みの赤丸が付いていました。まだそれほど高くはないとはいえ、初日にこれだけ赤丸が付いてくれれ
ば、画廊は言うことなしです。
昨年、彼女が銀座の別の画廊で3人展をしたときは、小品が5点程度で、価格はもっと安かったように記憶しています。それでも、すべての作品が売
れてはいなかったはずです。


この差は何か。この作家が、昨年から今年にかけて注目され始めてきたということもあるでしょうが、画廊のブランド力が大きく作用していること
は間違いないでしょう。良く知らない作家だが、あの画廊が扱うのなら前途有望な若手で、初個展なら今が買いどき!という図式です。画廊として
そのような思われ方をすれば、こちらのペースですね。そのようにお客さまが買ってくだされ
、他の人も欲しくなり、価格が上がり、マスコミに
も取り上げられる、するとまた欲しい人が現れて、価格があがるというインフレ・スパイラル(こういう言い方があるのかわかりませんが)に乗り
ます。売る側も買う側も第二の奈良美智さんを求めているわけですね。


前回ご紹介した日本橋高島屋の「加山又造全版画展」に知人が木曜の夕方に行ってみたら会場はガラガラだったそうです。日中はどうかわかりませ
んが、これが、日本橋三越だったらきっとそんなことはないでしょう。三越カードは催事の入場が無料、高島屋カードは半額という違いもあります
が、ここにもそういったブランド力を感じるのは私だけでしょうか。


わがときの忘れものに、そのようなブランド力があるかといえば、はなはだ疑問ですが(こんなことをスタッフが言って良いのか!)、他の画廊に
はないような企画を提供していくことを心がけていることは間違いありません。どうか、いつもご注目いただきたいと思います。
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<<画廊を会場にオークション開催中!>>
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このところ毎回ニュースレターでお知らせして参りましたように、明日26日(日)まで、青山のときの忘れものを会場に入札方式のオークションを
開催しております。すでにたくさんのご入札をいただいており、厚く御礼申し上げます。
ホームページにも出品作品リスト及び画像が掲載されておりますが、画廊の壁じゅうに展示された作品をぜひご覧にお出かけ下さい。お待ち申し上
げております。

               
さて、今週のオークションです!
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◆70歳を過ぎて、いまなお制作意欲の衰えを知らない「ぎゅうちゃん」こと篠原有司男のサイケデリック・シルクスクリーンシリーズ(1977年)。最近、サイケデリックなグラフィック作家の田名網敬一の仕事が見直されてきていますが、パワーではこちらも負けていません。
◎「Gemini」
◎「Strowberry Soft Cream」
◎「Coffee Break」
◎「Summer Breeze」
◎「Black is beautiful」
◆「ポストもの派」で現在は彫刻家として活躍中の北辻良央の銅版作品「蜃気楼」シリーズ(1992年)2点です。
◆ご好評をいただいております小品特集は、今週も多数出品中です!引き続き、希望落札価格で落札いただいたときには「おまけ袋」をサービスでお付けいたします。
中身は、絵葉書セット、画集、カタログなどなど。どうぞお楽しみに!
◎菅井汲 シルクスクリーン「VARIATION」(1976年)