“ときの忘れもの”今週のオークション 2005.07.30

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<<地震、台風はいかがでしたでしょうか>>

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地震、台風と天災が続きましたが、被災された方にはお見舞い申し上げます。

地震が起きた時、私は、ちょうど画廊の建物から外に歩き出したところでしたので、幸い揺れには気づきませんでしたが、地震が大の苦手な私にとって、それは幸運なことでした。おかげさまで画廊に被害はありませんでしたが、かなり揺れたようです。夜、家に帰ると棚に立てかけてあった小さな額が床に落ちて壊れていて、ドキッとしましたが、中の作品も無事で、額もボンドで直せましたので、被害というほどではありませんでした。

鉄道などの交通機関が一時全面ストップしましたから、平日でしたらもっと大混乱になっていたことでしょう。会社には古くなって履かなくなったような運動靴を一足置いておくことをお薦めいたします。

 

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<<今週の話題・・・NINAGAWA「十二夜」>>

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この月曜日に歌舞伎座で「十二夜」を見てまいりました。最も好きな演出家である蜷川幸雄の演出で、シェイクスピアの戯曲を歌舞伎にアレンジするという興味をそそる企画でしたので行かないわけにはいきません。3階席(4,200円)でしたが、もう充分に楽しめました。菊之助が主人公の双子の男女を早変わりで演じましたが、両役ともたいへん魅力的に演じていてそれは見事でした。特に、男である菊之助が娘を演じ、その娘が男を演じるという二重性が原作を上回る面白さを感じさせたかもしれません。翻案もなかなか良くできており、段四郎、時蔵、信二郎、左団次という豪華な顔ぶれに、松緑、亀治郎の若手二人の演技が出色(!)で、その上座長の菊五郎の狂言回しもさすがという感じでした。是非ご覧下さいと言いたいのですが、このニュースレターが配信される頃には、もう千秋楽を残すのみだと思います。再演の節には、是非ご覧下さい。

ちなみに、八月納涼歌舞伎は、全日完売だそうです。

              

 

さて、今週のオークションです!

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◆今なお魅力を失わない菅井汲のシルクスクリーン作品
◎「赤い空間 ESPACE ROUGE」1984年/額付
◎「VARIATION」1976年/額付

◆30日まで、ときの忘れものでは「瑛九展」を開催中です!瑛九関連の作品・書籍を出品しています。
◎銅版作品「小人魚」1952年(1983年後刷り)
◎貴重資料・フジテレビギャラリー「瑛九展」図録・価格表付1974年
◎町田市立国際版画美術館「瑛九とその仲間たち」展図録1988年
◎福井瑛九の会編「現代美術と瑛九の芸術」1970年

◆瑛九らデモクラートの作家たちを支援したパトロンであり、小コレクター運動を唱えた美術評論家、久保貞次郎先生関連の書籍から、上記の瑛九関連以外をご紹介します。
◎久保貞次郎著・美術の世界8「ヘンリー・ミラー」
◎久保貞次郎監修・町田市立国際版画美術館「ヘンリー・ミラー水彩画展」図録1987年
◎久保先生のテキスト「欧米の児童美術教育」収録・美術出版者「美術批評」1952年4月号
◎久保貞次郎編・靉嘔版画全作品集「虹」1954-1982増補版・1982年叢文社
◎コレクター必携・久保貞次郎著「版画コレクションへの手引」1981年日本リーダーズダイジェスト社
◎序文執筆者Gary Koeppelの久保先生あて献辞入り図録
「Henry Miller THE PAINTINGS A CENTENNIAL RETROSPECTIVE」1991年
◎久保貞次郎、荒地かおる編・画集「ヘンリー・ミラー絵の世界」1981年叢文社
◎ときの忘れもの綿貫夫妻も執筆の追悼文集「久保貞次郎を語る」1997年 文化書房博文社