19時から「アンディ・ウォーホルとメディア/栗山コレクションをめぐって」というお題のギャラリートークを行なった。講師を務めてくださったのは、和光大学助教授の野々村文宏先生。ギャラリーの収容力と参加人数に少し無理があり、席もきゅうきゅうの中、メモを取る方もおり熱心に聴いていた。
今回、野々村先生に講師をお願いしたのは、若い世代にウォーホルを伝えていくには若い世代の人がいいと考えた綿貫さんが、色んな方に相談したところ、野々村先生を推薦する方が多く、初対面だがお願いをして、快く引き受けてもらった。
野々村先生は思春期のころ音楽小僧だったらしく、ベルベット・アンダーグランドなど、ロックやパンクミュージックを聞き、ニューヨークのアングラ・シーンから入ったと言う。綿貫さんとはまた違った視点でアンディ・ウォーホルについて語っていたので、興味深いものだった。ユースカルチャーは、ウォーホルのスタイルが下敷きになっている場合が多いらしく、娯楽の社会にウォーホルのスタイルを真似ているものが存在することには驚かされた。綿貫さんはリアルタイムでウォーホルに接しており、世間に認められる前のウォーホルは変人扱いされていたという。野々村先生がウォーホルを知った時は、もうカリスマ的存在であった。私が彼の名を知ったときには、すでに歴史的人物になっていた。もう永遠に会えることのない存在になってしまったウォーホルだが、彼の社会的な地位の変化や、世間やメディアが注目する矛先を世代ごとに振り返っていくことは、文化を知ることだと思った。映画・アート・音楽・ファッション・同性愛までも、辿り着く人物はウォーホル。栗山豊さんが、アカデミックなものからアンディ・ウォーホルという文字しか載っていない紙切れまで、とにかく莫大な資料残して逝ってしま理由は何なのだろうか?私たちに何かのきっかけを与えてくれたに違いない。この資料をどう生かすかがときの忘れものの課題であると思う。是非、皆様のお力を借りたいと思います。