
昨秋、ホームページのデザイン、及び内容を一新したとき「植田実の本」というコーナーを新設しました。
30年来、ご指導いただいている植田実さんの博識、貪欲な好奇心は、専門の建築はもとより、コミック、詩、映画、絵画など幅広い分野に及ぶ。
「ハチクロ」も「ギャラリーフェイク」も私は植田さんから教わりました。
磯崎新、安藤忠雄、原広司、毛綱毅曠、伊東豊雄らから若い世代の建築家までの優れた才能をいち早く見つけ出してきた編集者としての眼、なぜ昔の(?)人はこんなに凄いのか。
その一端を、植田さんが編集してきた本を通して語ってもらいたいと考えて始めたのですが、瓢箪から駒で、思いもかけず植田さんがノッテきて、「植田実の本」から、内容が<建築界の伝説の編集者が、少年時代から本とともに歩んだ半世紀を語る>という風に変わってきました。
「植田実のエッセイ」とタイトル変更した次第です。
「こんな機会を貰わなければ、中学時代からのことを書くなど思いもしなかった」と植田さん自身が語るとおり、がぜん面白くなってきました。
ブログという発表形式もご本人は初めて、超アナログ人間の植田さんはいまだときの忘れもののブログを見たことがない。というかネットには全く縁がない。
担当の尾立麗子がプリントアウトしたものしかご覧になっていない。
原稿は、鉛筆による手書きである。因みに植田さんは左利きだ。
ファックスや自ら持参してくださった原稿を、尾立があっという間にパソコンに打ち込む。
これがめちゃ早い、正確である。
わがスタッフながら、ほれぼれする。
「僕は著者校で、転記ミス(誤植)を直さねばならないことほど失礼なことはないと思っている」という完璧主義者の植田さんだが、昨日もあっという間に打ち込まれた原稿を読みながら「一箇所も誤植がないなんて、尾立さん凄いねえ」とお世辞とは思えぬほどの絶賛である。
一年前、「ひろまえ(弘前)ってどこにあるんですか」と聞いてきた同じ人間とは思えぬ、若さの持つ可能性は恐ろしい。
こちらがあおられそうだ。これからも面白い読み物、つくって行きますので、乞うご期待。
掲載した写真は某月某日、磯崎新アトリエでの打ち合わせ風景。左から尾立麗子、画廊亭主、植田実、磯崎新、刷り師の白井四子男。
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