060920石山先生

060920石山先生2


画家にはタイプがあり、ご自分が描いているところを決して他人に見せない人と、人前で平気で描ける人がいる。
福沢一郎先生のお宅にはずいぶんと伺ったが、アトリエにはとうとう入れてもらえなかった。
現存の作家では、・・・(さしさわりがあるから止しましょう)
建築家はその点、共同作業が身についているせいか、安藤忠雄先生でも磯崎新先生でも人前だろうとどこだろうと場所を選ばず、すいすいと描いて行く。
躊躇なく白い紙の上に筆を走らせるさまはさすが天才とため息がでる。

来週10月6日から「石山修武展 チベット・インスピレーション」を開催する。
ドローイングと銅版画による新作展である。
本来ならとうに額装も終わり、いまごろは撮影なり、展示計画を練っているはずだ。
だがしかし、絵はまだ手元にない・・・・
困った、展覧会まで一週間もない・・・・

先週、石山先生がやってきて二階のスタッフルームでやおらもってきた絵の具でドローイングを始められた。
どうやら研究室では来客やら、学生さんやら、電話やらで落ち着いて描くことなぞ難しいようで、ときの忘れものに避難してきたというわけだ。
一心不乱に絵筆をふるう姿は神々しいまでだ。
夕方、家路につかれた石山先生だが、描いた絵はすべて持ち帰られた。まだ未完成らしい。
いったい展覧会までに絵は何枚いただけるのだろうか(予定は40点である、もちろん大枚はたいて額も特注済みである)。