12月2日、細江英公先生と「机」で食事をした時のこと。3月に刊行予定の版画掌誌第6号の細江英公特集で、誰に執筆してもらったらいいかと相談すると、「清里フォトアートミュージアムの山地裕子さんがいいよ」と言われた。清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)は細江先生が館長をしておられる。「行かなくちゃ・・・」と言っているうちに、日はどんどん過ぎ、とうとう年末になってしまった。

 26日午前10時半過ぎ、この日はドシャ降り。令子さんの運転する車に乗り、山梨県にある清里フォトアートミュージアムへと向う。勤務中だし、令子さんが運転してくれているので申し訳ないなぁ・・・と思いながら、睡魔と闘いあっさり負けた。

 3時間掛かってK・MoPAに到着。コンクリート打ちはなしの美術館の中は細長く、やたら天井が高く、とにかく広い。この空間にいると、私たちがとっても小さく見える。休館日にもかかわらず、細江先生からご紹介いただいた主任学芸員の山地裕子さんが迎えてくださった。ウィン・バロック展を見せてもらう。子供の写真はどれも可愛かった。綿貫さんはこのコレクションのすごさに感激していた。
寒そうにしている林が見える元レストランで、山地さんと以前細江先生のアトリエで働いていたという田村さんと打合せを行ない、原稿執筆を依頼した。
 暗くなる前に館内を案内してもらった。一直線になった長い天窓は、照明と同じ働きをしている。K・MoPAの施設は文句なしだった。写真美術館だけでなく、レストラン、ホテル、温泉、天体観測所があるそうだ。残念なことに、ホテルとレストラン部門は現在営業していない。天体望遠鏡は、観測者も絶賛するほどのものだそうだ。ホテルは洋室・和室、全部で約30部屋ある。林側の部屋と水(人工池のような)側部屋だ。どこもキレイなままだし洒落ているのに、使っていないなんてもったいない。
 玄関ホールに、昔、細江先生がン百万円で購入したという超大きいカメラが飾られてあった。田村さんにカメラの中を見せてもらった。じゃばら折りのものとレンズだけ、あとは空洞だった。「こんだけ?」と、何を期待していたのか自分でもわからないが、なんだか期待はずれの気持ちになった。
 帰りも、ワイパーをフル作動させながら東京に戻ってきた。
                     (おだちれいこ)

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