
また暑い夏がやってきた。
亭主は暑いのはとても苦手なのだが、それにもかかわらず、この時期は心が燃えてくる。
仕事そっちのけで、日曜には高崎まで行って、後輩たちと高崎高校マンドリン・オーケストラ(TMO)の練習をする。
マンドリンというと、古賀メロディーを連想する人も少なくないと思いますが、斎藤秀雄が初めて指揮したのがマンドリン・オーケストラであり、留学後もマンドリンの作曲をしていたことを知れば、また、萩原朔太郎が詩と同じように、自らマンドリン・オーケストラを組織し、指揮と演奏にある時期没頭したことを知れば、マンドリンの印象が少し違ってくるのではないでしょうか。
そういえば、先般世田谷美術館で開催された「富本憲吉展」では、美術学校時代にマンドリンを弾いていた富本の写真がありましたね。
彼らが演奏していたのは(そして私たちも)モーツアルトやヴィバルディなどのクラッシック、そしてマンドリン・オリジナルといわれる、マンドリン・オーケストラのために作れらた曲でした。
そもそも亭主がマンドリン少年を経て、美術界に入ったのは高校時代に井上房一郎さんに出会い影響されたからでした。
井上さんの夢は高崎に音楽と美術、哲学の殿堂をつくることでした。
それらは群馬交響楽団、レーモンド設計の群馬音楽センター、磯崎新設計の群馬県立近代美術館として結実し、没後はレーモンド設計の自邸が高崎哲学堂として市民に解放されています。
高校時代、音楽に明け暮れた3年間、井上さんにお世話になり、社会に出てからは神奈川県立近代美術館館長だった土方定一先生に紹介され、さらに土方先生の紹介で久保貞次郎先生に巡り合うことにより、亭主は美術の世界に入りました。
7月16日(月曜、祝日)・TMO第40回定期演奏会のご案内
7月5日の上毛新聞に「大舞台へ練習に熱 高崎高マンドリンオーケストラ OBら含め70人 16日に定演」と写真入りで大きく取り上げられましたが(といっても故郷の兄から送られたファックスで知ったのだが)高崎高校マンドリン・オーケストラ(TMO)は創立47年を迎え、7月16日に定期演奏会を開催します。半世紀近く卒業生と現役の高校生が一体となって演奏を楽しむオーケストラが継続してきたことはおそらく全国でも例がなく、今年も15歳の高校一年生から最年長の私たちOBら約70名が舞台に上がります。
受験校の宿命で、一時は現役部員が激減し廃部の危機に見舞われたのですが、おかげさまで今年は新入生が15人も入部し、2,3年生をあわせ30人をこすまでになりました。
5月の連休には藤岡の山奥の小学校を借りて合宿したのですが、OBを加え50人以上の参加者が音楽室に入り切れず、体育館での練習となりました。
OBたちにとっては涙の出るような嬉しい出来事でした。
今年は、40回の記念演奏会でもあり、例年以上に盛り沢山の企画が進んでいます。
先ず、群馬交響楽団の首席ヴァイオリン奏者・秋葉美果さんが今年もゲスト出演し、私たちをバックに「ハバネラ」などを独奏されます。プロの奏者との共演は私たちにとっても、また高校生にとっても刺激のある事件で、嬉しさと緊張で身の竦む思いです。
また、私たちの妹分でもある高崎女子高校マンドリン部が特別出演してくれます。
高女(通称たかじょ)はいまや県下有数のマンドリン・オーケストラとして高高(通称たかたか)の3倍近い部員を擁し、7月末には大阪で開催されるマンドリンの全国大会へ群馬県代表として出場します。
さらに今年は、会場が群馬音楽センターに変更になりました。
アントニン・ レ-モンド設計の戦後日本の名建築の一つですが、竣工年に因み定員1961人(!)という大会場です。
1966年私たちが第1回定演を開催した時からずっと会場は音楽センターでしたが、1986年から文化会館(定員700人)に移りました。今回は実に20年ぶりの帰還となります。
昨年より三倍もの広い会場ですので、たくさんの皆さんに来ていただかないと・・・何とぞお近くの方はもちろん、遠方の方もぜひいらっしゃってください。
ご連絡いただければ、招待状をお送りします。
音楽センターは高崎駅西口から徒歩10分くらいです。
駅から1分の所には高崎市美術館があり「中村征夫写真展 海中2万7000時間の旅」を開催中です。お時間のある方はそちらもご覧いただければと思います。
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