2007年最後の企画展「恩地孝四郎と創作版画たち」展も一昨日、無事に終えることができました。
最終日は作品を引き取りにこられた方、お支払いにこられた方(助かりました!!!)、直前に出た新聞告知を見て初めていらっしゃった方など、珍しく千客万来でしたが、思いもかけぬ出会いもありました。
今回の展示では、川上澄生を展示しなかったのを残念に思われた方も少なくないと思います。
私自身そう思っており、決して川上澄生が嫌いなのでないということをいいたくて、旧知のお客様(今回も大枚はたいてお買い上げくださいました)に「私のサラリーマン時代の大先輩が長谷川勝三郎さんといって、あの鹿沼の川上澄生美術館を作った方でね、私も長谷川さんのお元気な頃、たくさん作品を見せて貰ったんだ」などと自慢話をしかけていたら、ちょうどそこに居合わせた初めてのお客様がにっこり笑って「それは私の父です」と言われたのには仰天しました。
私は、大学を卒業して毎日新聞に入社したのですが(というと、皆さん美術記者ですかと勘違いされますが、文化とは縁も所縁もない泥臭い販売局勤務でありました)、毎日新聞の大先輩の印刷局長が長谷川勝三郎さんでした。
私、美術には全くの素人でしたが、少年の頃から本屋さんに憧れていたので、限定本や装画本、詩画集にはいささか詳しかった。雲の上の長谷川さんにいつどうやって面識を得たのか今となってはさだかではありませんが、宇都宮中学で川上澄生に学んだ長谷川さんが、生涯師を敬愛し、そのコレクションが膨大であることを知り、ご自宅にうかがい、それを見せてもらったことは私の人生の宝物です。
長谷川さんご自身も若き日に創作版画を手がけており、それを見つけたときは嬉しかったですね。
だから鹿沼に美術館ができてからも何度か伺いました。いかにも明治回顧に相応しい可愛らしいデザインの美術館です。
まさかその長谷川大先輩のご子息が、ときの忘れものに来られるなんて、長生きしてよかった。
きけば、印刷博物館にお勤めとのこと、同館ホームページの印博通信にも寄稿なさっています。
展覧会をすると、このような思わぬ出会いがあるのも楽しみの一つです。
さて、皆さんの声を聞く貴重な窓口であるホームページの掲示板は迷惑メールの殺到で一時中断しておりましたが、何とか再開することができました。入り方は簡単ですので、ぜひ皆さん試してください。
大晦日の本日は、社長も私も、忘年会の飲みすぎでふらふらしながら、静かに過ごしております。
2007年はときの忘れものにとって、いつになくイベントの多い年でした。
細江英公展はじめ写真作品の取り扱いの増加、久々の小野隆生展、大阪・堂島ホテルのアートフェアへの参加、夏の真っ最中に敢えて開催したジョック・スタージス展、秋の倉庫の突然の引越し作業、などなど6人のスタッフが総がかりで取り組みました。
画商は売れてなんぼの世界ですが、おかげさまでお客様の支持をいただくことができ、潰れずにすんだことは、何より嬉しいことでした。
ときの忘れものの展覧会は人が殺到するわけでもなく、いつも閑散として静かなものですが、何とか生き延びているのは、ネットのおかげかも知れません。
因みに2007年1月1日の累計アクセス数は179,639でした。本日現在の累計アクセス数は219,523ですから、一年間のアクセスは約4万件になります。これが多いか少ないのかはわかりませんが、海外を含むネットでのご注文が飛躍的に増えた一年でもありました。
これからますますネットでの取引が増えることを想定し、ホームページの刷新作業を年末からネット担当者が手分けして着手しています。
私の二人の息子、雄高と拓野がときの忘れもののホームページをつくってくれたのは、確か1999年秋頃だったと思います。二人とも親に似ず、理科系だったせいもあり、使いやすさにかけては他より一日の長があったかも知れません。ただしデザインはいまいちでした。
最初は手探りで始めたものですから迷路のごとくなってしまい(それが面白いと言ってくださる方もいたのですが)、2005年の秋に北澤敏彦さんのデザインで一新しました。
今回の刷新作業は、デザインは変えませんが(もうここまでページが増殖蓄積されると全ページのデザイン変更は不可能)、各コーナーの情報を整理し、見やすく軽くするのが主眼です。
お気づきの点がありましたら、どうぞご意見、ご要望をお寄せください。
掲載した写真は、某月某日とあるレストランでのスタッフ全員の会食の折のスナップです。
なかなか全員が揃った写真がなくて、随分と季節はずれの雰囲気ですね。それもそのはず、このレストラン、天井が開くんです。さやわかな外気が流れ、夜空を仰いでの会食でした。
年末年始のお休みは、12月30日~2008年1月7日(月)までです。
1月8日より通常通りの営業を致します。
今年一年のご愛顧を感謝申し上げます。
皆さん、どうぞ良いお年を。
来年もよろしくお引き立てください。
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