“ときの忘れもの”今週のオークション 2008.02.16
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<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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画廊では、「菅井汲・元永定正版画展」を23日まで開催しております。元永さんは、絵本の作家としても知られていますが、作品をご覧になるのは初めてというお客様もいらして、その美しさに感心してらっしゃいました。絵本といえば、いま巷で話題の"Love"(青山出版)という絵本をご存知でしょうか。孤児院で暮らすちょっと変わった女の子の話で、いろいろな色が使われていて、切り込みや穴などの仕掛けがあり、年齢を問わず楽しめる本です。その本をデザインしたジャン=ベルト・ヴァンニさんの作品展を3月14日から開催します。絵本のイメージとは違った不思議な魅力を持った油彩やテンペラ画など約20点を展示いたします。お楽しみに。
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<<今週の話題~熊谷守一展>>
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埼玉県立近代美術館で「熊谷守一展」を見ました。愛知県美術館の木村定三コレクションや天童市美術館の村山コレクションなどから集めた200点が展示されていて、油彩、日本画、書とその多様な作品を網羅しています。初期の代表作「蝋燭」や「自画像」などのリアルさを追求した絵から、一時期絵から離れ、復帰したあとの大胆な筆致で描かれた作品、そして、その中から、輪郭が現れてきて「守一様式」が確立されていく様子がよくわかります。「守一様式」となって以降の作品は、それ以前より、いっそう色彩が明確になり、その組み合わせの妙に目を奪われます。特に、白の使い方が非常に効果的かつ劇的です。徹底的に簡略化されたフォルムと色彩、そして明快な輪郭線によって描かれた作品は、普遍性を持ち、いつまでもその輝きが失せることはないでしょう。 油彩とは対照的に、日本画や書は自由奔放といった感じで、また違った魅力があります。込んでいるかと思いましたが、空いていてじっくり堪能でき、贅沢なひと時でした。とはいえ、たくさんの人に見て欲しい展覧会です。 3月23日まで。
1階の常設展では最近寄贈された大熊家のコレクションから横山大観の作品4点を見ることができます。また、瑛九の油彩、草間彌生の1950年代の作品のほか、小村雪岱の特集展示があり、挿絵の原画など多数展示されていました。
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<<今週の一点>>
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◎マチス特集 マティス リノカット作品40/シート
1944年マチスの生前に刊行された「Pasiphae」という挿画本がありますが、その時収録されなかったヴァリエーション作品がマチスの死後、そのオリジナルの版を使用して1981年に同名の版画集として刊行されました。その81年版には、44年版所収の作品の複数のヴァリエーションが収録されています。使用された版は、出版後レイエ(版に傷をつけること)されており、刊行されたのは、このエディションのみですので、たいへん貴重な作品です。81年版の「Pasiphae」は、「Pasiphae」と「Chant de Minos」の2巻からなりますが、出品作は「Pasiphae」からのものです。マチスの彫った躍動的なラインが魅力的な作品です。
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<<今週のオークションから>>
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好評をいただいております、Z氏のコレクションからの出品です。
◎Z氏コレクション特集/松尾靖史 銅版「花鳥風月I」より
◎Z氏コレクション特集/堀井英男 銅版「花鳥風月II」より
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<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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画廊では、「菅井汲・元永定正版画展」を23日まで開催しております。元永さんは、絵本の作家としても知られていますが、作品をご覧になるのは初めてというお客様もいらして、その美しさに感心してらっしゃいました。絵本といえば、いま巷で話題の"Love"(青山出版)という絵本をご存知でしょうか。孤児院で暮らすちょっと変わった女の子の話で、いろいろな色が使われていて、切り込みや穴などの仕掛けがあり、年齢を問わず楽しめる本です。その本をデザインしたジャン=ベルト・ヴァンニさんの作品展を3月14日から開催します。絵本のイメージとは違った不思議な魅力を持った油彩やテンペラ画など約20点を展示いたします。お楽しみに。
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<<今週の話題~熊谷守一展>>
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埼玉県立近代美術館で「熊谷守一展」を見ました。愛知県美術館の木村定三コレクションや天童市美術館の村山コレクションなどから集めた200点が展示されていて、油彩、日本画、書とその多様な作品を網羅しています。初期の代表作「蝋燭」や「自画像」などのリアルさを追求した絵から、一時期絵から離れ、復帰したあとの大胆な筆致で描かれた作品、そして、その中から、輪郭が現れてきて「守一様式」が確立されていく様子がよくわかります。「守一様式」となって以降の作品は、それ以前より、いっそう色彩が明確になり、その組み合わせの妙に目を奪われます。特に、白の使い方が非常に効果的かつ劇的です。徹底的に簡略化されたフォルムと色彩、そして明快な輪郭線によって描かれた作品は、普遍性を持ち、いつまでもその輝きが失せることはないでしょう。 油彩とは対照的に、日本画や書は自由奔放といった感じで、また違った魅力があります。込んでいるかと思いましたが、空いていてじっくり堪能でき、贅沢なひと時でした。とはいえ、たくさんの人に見て欲しい展覧会です。 3月23日まで。
1階の常設展では最近寄贈された大熊家のコレクションから横山大観の作品4点を見ることができます。また、瑛九の油彩、草間彌生の1950年代の作品のほか、小村雪岱の特集展示があり、挿絵の原画など多数展示されていました。
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<<今週の一点>>
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◎マチス特集 マティス リノカット作品40/シート
1944年マチスの生前に刊行された「Pasiphae」という挿画本がありますが、その時収録されなかったヴァリエーション作品がマチスの死後、そのオリジナルの版を使用して1981年に同名の版画集として刊行されました。その81年版には、44年版所収の作品の複数のヴァリエーションが収録されています。使用された版は、出版後レイエ(版に傷をつけること)されており、刊行されたのは、このエディションのみですので、たいへん貴重な作品です。81年版の「Pasiphae」は、「Pasiphae」と「Chant de Minos」の2巻からなりますが、出品作は「Pasiphae」からのものです。マチスの彫った躍動的なラインが魅力的な作品です。
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<<今週のオークションから>>
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好評をいただいております、Z氏のコレクションからの出品です。
◎Z氏コレクション特集/松尾靖史 銅版「花鳥風月I」より
◎Z氏コレクション特集/堀井英男 銅版「花鳥風月II」より
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