ヴァンニオープニング
会期も明日までとなった、ジャン・ベルト・ヴァンニさんの個展だが、昨日画廊にご年配の品の良い二人のご婦人が見えられた。
熱心に作品をご覧になった後、「先日この画家の方が澁谷駅で迷っておられるのをお気の毒に思って、地下鉄の乗り場までご案内して差し上げたのよ」とおっしゃる。
あっと気づいた。あのとき電話を下さったのはこの方たちだったのかと・・・
実は、ヴァンニさんご夫妻は3月12日に成田に到着したのですが、日本にはよく来られているのでこちらも油断してニューヨークには「澁谷に着いたら電話を下さい、お迎えにあがります」とわが社の英文担当の三浦がメールを送っていた。
ところが、三浦がときの忘れものの電話番号を誤記してしまったらしい。
ヴァンニさん、澁谷に着いて公衆電話(携帯なんか持たない質素倹約の人なのです)から、三浦の誤記した電話番号にかけるのだが、当然通じない。
ヴァンニさん途方に暮れていたんでしょうね。それを見た上記のご婦人と連れのお身内の男性の方が声をかけてくださったらしい。
「TOKI NO WASUREMONO」という不思議な名前のギャラリーで個展を開く画家だということを知ったその男性が恐らく携帯の検索で私どもの電話番号を調べて、ヴァンニさんのかわりに電話をかけてくださった。
予定の時間を過ぎてもなかなか連絡がないのでやきもきしていたのですが、親切な方からの電話で地下鉄の駅にすっ跳んでいった三浦でした。
殺伐とした事件が続く昨今ですが、こういう方にめぐり会えるなんて、やはりヴァンニさんらしいですね。絵本『loveーラブー』最終ページの言葉を思い起こし、キュンとします。