朝9時、ロビーで植田実先生と山本栄一さんと待ち合わせをし、山本さんに出していただいた車に乗り込む。今日は強行スケジュールで、大分市内の磯崎新先生の建築に触れることになっている。
まずは《岩田学園》へ。

中を案内していただけるなんて、なんてラッキーな。中庭を囲んだ学生寮と食堂、教室、体育館など、ほとんどの校舎を見せてもらうことができた。
岩田学園は元々女子校で、男子校になり、現在共学に至るそうだ。共学になる際、格子状の手すりが塞がれ、ガラスが磨りガラスとなり、開放的だった立面も変わってしまったと聞いた。当時女子校だったという、1964年に建てられた校舎(1号館、2号館)に案内された。外観は、ラジコンやロボットのような、なんとも男らしいゴツゴツした形をしている。

なかに入ると、いわゆる「学校の教室」とはどこか雰囲気が違う。廊下というものが存在せず、両開きの大きい引き戸や室内の小窓、凸凹のある空間、そして、この建物にはひとつとして同じ教室はない。この凹凸の空間がすごく魅力的だった。この教室を背景にした青春映画があったらいいのにな~なんて思ったり・・・。この校舎は、最も印象に残る建物だ。


2時間たっぷり見て回った後、山本さんの設計した住宅を見せてもらうことに。施主の方が心良く見せてくれたので、とても有り難かった。1階は個室、2階はリビングとダイニングキッチン、3階は趣味のスペースとバルコニー。個室を大切にした住宅を設計したと聞。2~3階には間仕切りはなく、閉じるところと開けるところのメリハリがとても気に入った。
続いて、大分市美術館で開催中の「生誕110周年記念 幸松春浦展」を見に行った。大分出身の日本画家・幸松春浦(1897-1962)は、大阪で南画を学び、中央の画壇で活躍していたそうで、磯崎先生とも血縁関係にある方だと聞いた。線が繊細でとてもきれいだった。

磯崎先生の建築である大分の図書館(豊の国情報ライブラリー)は見ておいた方がいいと勧められ、寄ってもらうことに。天井を見上げると重そうな丸い塊があり、壁面に影を落としていた。その時、前日の磯崎先生の影の話を思い出していた。この影も、考え込まれたデザインのひとつなんだと・・・。


午後はアートプラザの磯崎新建築展示室をじっくり見ることになっていた。
「磯崎新 7つの自選展2008 第1回 “7つのヴィッラ”」展。最後にたどり着いた小部屋の展示室には、グローバルな磯崎新先生がどのように動き回り、誰と交友があり、なにを好んでいるかなど・・・気楽に見られるものが展示されており、ひとりで真剣に見ていた。子供のころの写真まであるのだから、これは滅多に見られるものではないはずだ。
宮崎もいい所ですが、是非大分へ行かれてはいかがでしょう。



この出張から2ヵ月経過し、この日記を書いています。
日記とは呼べないかもしれませんが・・・固有名詞は忘れてしまいましたが、不思議なことに空間だけは覚えています。一度触れたら、時が経っても脳裏に焼きついている建築、それが磯崎新先生の建築のすごさだと実感しました。(おだちれいこ)
まずは《岩田学園》へ。
中を案内していただけるなんて、なんてラッキーな。中庭を囲んだ学生寮と食堂、教室、体育館など、ほとんどの校舎を見せてもらうことができた。
岩田学園は元々女子校で、男子校になり、現在共学に至るそうだ。共学になる際、格子状の手すりが塞がれ、ガラスが磨りガラスとなり、開放的だった立面も変わってしまったと聞いた。当時女子校だったという、1964年に建てられた校舎(1号館、2号館)に案内された。外観は、ラジコンやロボットのような、なんとも男らしいゴツゴツした形をしている。
なかに入ると、いわゆる「学校の教室」とはどこか雰囲気が違う。廊下というものが存在せず、両開きの大きい引き戸や室内の小窓、凸凹のある空間、そして、この建物にはひとつとして同じ教室はない。この凹凸の空間がすごく魅力的だった。この教室を背景にした青春映画があったらいいのにな~なんて思ったり・・・。この校舎は、最も印象に残る建物だ。
2時間たっぷり見て回った後、山本さんの設計した住宅を見せてもらうことに。施主の方が心良く見せてくれたので、とても有り難かった。1階は個室、2階はリビングとダイニングキッチン、3階は趣味のスペースとバルコニー。個室を大切にした住宅を設計したと聞。2~3階には間仕切りはなく、閉じるところと開けるところのメリハリがとても気に入った。
続いて、大分市美術館で開催中の「生誕110周年記念 幸松春浦展」を見に行った。大分出身の日本画家・幸松春浦(1897-1962)は、大阪で南画を学び、中央の画壇で活躍していたそうで、磯崎先生とも血縁関係にある方だと聞いた。線が繊細でとてもきれいだった。

磯崎先生の建築である大分の図書館(豊の国情報ライブラリー)は見ておいた方がいいと勧められ、寄ってもらうことに。天井を見上げると重そうな丸い塊があり、壁面に影を落としていた。その時、前日の磯崎先生の影の話を思い出していた。この影も、考え込まれたデザインのひとつなんだと・・・。
午後はアートプラザの磯崎新建築展示室をじっくり見ることになっていた。
「磯崎新 7つの自選展2008 第1回 “7つのヴィッラ”」展。最後にたどり着いた小部屋の展示室には、グローバルな磯崎新先生がどのように動き回り、誰と交友があり、なにを好んでいるかなど・・・気楽に見られるものが展示されており、ひとりで真剣に見ていた。子供のころの写真まであるのだから、これは滅多に見られるものではないはずだ。
宮崎もいい所ですが、是非大分へ行かれてはいかがでしょう。
この出張から2ヵ月経過し、この日記を書いています。
日記とは呼べないかもしれませんが・・・固有名詞は忘れてしまいましたが、不思議なことに空間だけは覚えています。一度触れたら、時が経っても脳裏に焼きついている建築、それが磯崎新先生の建築のすごさだと実感しました。(おだちれいこ)
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