
建築家・石山修武先生が昨年から今年にかけ集中して制作した銅版画「電脳化石神殿」連作32点を発表します。オープニングは初日ではなく7月19日(土)17時から開催しますので、ぜひお出かけください。
会期=2008年7月18日[金]―7月26日[土]
12:00-19:00
*日・月・祝日休廊
石山修武銅版画集『電脳化石神殿』32点組
2007~2008年 銅版(刷り:白井版画工房)
限定15部(うち6/15~15/15の10部をセットにして刊行)
*1/15~5/15は、特別に単品で頒布します。
セット価格:525,000円(特製たとう入り)
石山修武銅版画集より「電脳化石神殿 1窟 北」
2007年 エッチング・雁皮刷り
22.0×28.0cm Ed.15 サインあり
価格31,500(シート、税込み)
*単品で頒布するのは5部のみです(1/15~5/15)
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ちょうど、世田谷美術館で『建築がみる夢 石山修武と12の物語』展が開催中ですが、同展には銅版画の一室が設けられており、カタログには石山先生が銅版に熱中している様子がエッセイで綴られています。
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電脳化石神殿窟院群
銅版を彫る感じは明らかにドローイングとは異なる。ドローイングは少なからず描くというよりも、立ち上げる、構える、という趣なのに対して、銅版は非構造的に彫るという風がある。ドローイングが伽藍を目指すのに比して、銅版は窟院を彫り続けるに例えられるだろう。
何を彫るのだろうか?
無意識の中にある記憶を彫っているのだろうと思われる。記憶は消えやすい。だからこそ蓄蔵したいと願うのだろう。銅版に対する時の他には無い手応え、質感はやはり願いとしか呼びようが無い。
32点の新作銅版群に、電脳化石神殿窟院巡りの風を与えたのは、彫る作業を終え、白井版画工房による刷りも、全て終えてからの事だ。つまり、彫っている時は自分でも何を彫っているのか良くは解らなかったのだ。これだけはただただ好きでしょうが無くて彫っているとしか言い様が無かった。
作品らしきに名をつけよ、と言われてハタと困った。どうにも名前がつけようが無い。困り果てた深夜、ポッと脳内に灯りがともった。これは窟院巡りのようなものではないかと。脳内風景の旅だろうと。それで一気に電脳化石神殿巡りの旅が生まれたのだ。
命名しなければ、恐らく美術館やギャラリーに展示もせず、私の秘事のまま暗闇に仕舞い込まれたのだろうと思われる。その幸せは今はもう失せてしまった。
(『建築がみる夢 石山修武と12の物語』図録より)
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◆世田谷美術館で8月17日[日]まで「建築がみる夢 石山修武と12の物語」が開催されています。
◆ときの忘れものは、7月25日[金]―7月27日[日]まで大阪の堂島ホテルで開催される「ART OSAKA 2008」に出展します。ブースは808号室です。
◆6月26日~9月30日までの三ヶ月間、伊豆の伊東にある池田20世紀美術館で「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」が開催されています。展示の様子はスライドショーでご覧になれます(コチラをクリックしてください)。
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