歳をとると時間の経つのが早い。先日まで暑くて汗をかいていたと思ったら、もう10月も下旬、今年もあと2ヶ月ばかりと知って慌てています。見にいかなければならない展覧会も多いので、どう時間をやりくりしたものやら・・・、若いときはいくつもの展覧会をハシゴしても平気だったのに、最近は一つみると、もうくたくたになってしまう。困ったもんです。
 このブログは、ときの忘れものの取扱作家を私たちなりの視点でご紹介していますが、おかげさまで取り上げた作品への問い合わせや注文が増えてきて、とても励みになります。画商ですから、私たちが推奨する作品が売れれば文句無く嬉しい! ネットを始めた当初は全く反応がなかったことを思うと、隔世の感があります。先日も五味彬写真展のギャラリー・トークに参加された若い方から「写真も好きですが、瑛九も好きです。次の瑛九展はいつですか」と言われ、こちらが面食らってしまった。「美術史の本を読んでも瑛九のことはほとんど無視されている」ともおっしゃっていました。その通りです。そろそろ瑛九を日本の近代美術史の中にきちんと位置づけて欲しいですね。開廊以来、毎年必ず瑛九展を開催してきたのですが(通算18回)、今年ははじめてお休みです。来年は第19回瑛九展を必ず開催しますと、その若い方にお約束しました。
 さて、その瑛九の周辺にいた靉嘔の名作「海原野Ⅰ」をご紹介します。
現代版画センターのエディションとして空前のヒットをした「海原野」連作はⅠ~Ⅲまで3点あり、以前にⅡとⅢをご紹介したのですが、Ⅰがなかなか入手(買戻しが)できませんでした。
この連作誕生の経緯については、以前「海原野Ⅲ」のときにご紹介したのでお読みください。
靉嘔作品の一枚刷り作品の中では当時最もスケールの大きなものとして制作されました。この大きさが靉嘔先生の意欲を刺激したに違いありません。

靉嘔・海原野1
靉嘔「海原野Ⅰ」
 1978年 Screenprint(刷り:岡部徳三)
 Image Size:44.5×85.5cm
 Sheet Size:55.0×110.0cm
 Ed.75   Signed
 *現代版画センターエディション 
 ※レゾネNo.345(叢文社)

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから