<<ギャラリーときの忘れものだより>>
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画廊では「五味彬写真展 YELLOWS1.0」を開催中です。17日には五味彬先生のギャラリートークがあり、「Yellows」を撮り始めたきっかけや月刊PLAYBOYに掲載され、それが2ヶ月で打ち切られた理由、そして「Yellows」がいかにして出版されなかったかというお話をしていただきました。五味先生は、当日は風邪気味で体調は万全ではありませんでしたが、そのお話には一同聞き入ってしまうほどの熱い語り口でした。そこにはやはり、「Yellows」が出版されなかった無念さがいまなお残っていることを感じさせました。
「ときの忘れものアーカイブスvol.1 五味彬 Yellows」オリジナル・プリント1点入りの特装版の特別価格4,000円(税込)は、10月25日までです。26日からは7,350円となりますので、この機会にお求め下さい。
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<<今週の話題~ピカソ展>>
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国立新美術館の「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展とサントリー美術館の「巨匠ピカソ 魂のポートレート」展を見て参りました。パリの国立ピカソ美術館が改修工事を行うため、この巡回展となったわけで、既にパリで見ている作品が多かったものの、何度見ても良い作品は良いものです。また、ピカソ美術館では通常見ることの出来ない作品を見ることができる良い機会でもあります。個人的には、青の時代と1930年代の油彩と版画が好きです。青の時代のあの青の中に暗く潜む炎のような情念が好きです。それとは逆の1930年代の油彩には、マリー・テレーズに対する愛情が溢れていて、明るい紫や黄色の使い方が心地よく、こちらもハッピーな思いにさせてくれます。それとこの頃集中的に制作されたミノタウロスの作品が好きで、版画の「ミノトロマシー」や「夜、鳩を持つ少女に導かれる盲目のミノタウロス」、そして、油彩の「闘牛士の死」は小品ですがその凝縮された力は素晴らしく、いつも見入ってしまいます。お薦めの展覧会ですが、両館見ないと物足りないかもしれません。せっかくパリから作品が来てくれたので、もう一度見に行きたいと思っています。
またこの日、オークションでもおなじみの竹田鎮三郎先生の個展でメキシコから帰国中のご本人にお会いしました。お元気そうで何よりでした。
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<<今週のオークションから>>
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◎春陽会 多摩美大教授 渡辺達正 「蝶」銅版
◎横尾忠則 リトグラフ「Artist in Forest II」シート
◎馬場檮男 リトグラフ「赤いタンク」シート