今日は、「エルンスト・ハース写真展」から「ネヴァダの空」をご紹介します。
この作品が撮影される前年1959年にハースは、マグナムの会長に選出されます。そして、1960年には『ライフ』誌のためにローマ・オリンピックの撮影を行い、ニューヨークに最初のスタジオを開設します。また、ASMP（American Society of Media Photographers）の会長に選出され、ケルンでのフォト・キナで個展を開催しました。オーストリア出身のハースが、アメリカの写真家の協会の会長に選ばれるというあたりはアメリカの懐の広さを感じさせますが、かなり多忙な1年であったろうと思われます。しかし、この「ネヴァダの空」は、そんな年に撮られたとは思えない、大きな時間を感じさせる作品です。この空の微妙な色と光の具合はカラー写真ならではと言えますが、まるで映画「未知との遭遇」の一場面のようで、見るものを異次元に誘ってくれそうな魅力に充ちています。
004_[Nevada%20Sky]「ネヴァダの空」
1960　printed in 1993
Dye-transfer Print
30.4x44.6cm　Ed.50
estate stamp

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◆ときの忘れものでは、1月9日[金]―1月31日[土]まで「エルンスト・ハース写真展」を開催しています。

◆オリジナルプリントを挿入した「ときの忘れものアーカイヴスVol.1 五味彬Yellows」特装版を創刊しました。限定175部、挿入されたプリントは技法、サイズ、イメージなど全てが異なります。
価格7,350円（税込）です。