金はないがヒマだけはたっぷりある丸投げ亭主です。
ですが先週末、社長が自転車で転んでしまい、大事をとって一週間自宅療養なので、慣れない銀行振り込みだとか、額屋さんへの発注だとか私も結構忙しい。
加えて、写真担当の三浦が日ごろの激務に耐えかねて某国に逃亡してしまったので、マン・レイ展に関してお客様からの問合せには私が対応せざるを得ない。老骨に鞭打って働いております。
このブログも穴があいたらまずいと、久しぶりに版画のことを書くことになりました。
ときの忘れものでは、2009年2月から新たな試みとしてWEB展覧会と題して毎月ネット上での展覧会を開催しています。
2月がル・コルビュジエ展、3月がクリスチャン・ボルタンスキー展でしたが、第3回目の今月は「殿敷侃展」です。
ほとんどの方はご存知ないかも知れませんが、知る人ぞ知る、広島で被爆、短い人生を破天荒に生き僅か50歳で亡くなった作家です。
1977年、わが師・久保貞次郎先生は銀座の飯田画廊で偶然この作家に出会い(このとき殿敷は35歳)、微細な点描で克明に描かれたレンガの作品にほれ込んで、プレス機一式を作家のアトリエに送りつけ、銅版画の制作を勧めます。
その頃、私は市ヶ谷にあった久保邸に足しげく通っていましたから興奮気味の久保先生から殿敷の作品を見せられ、「綿貫さん、凄い作家を見つけました」とコレクションを強く勧められたのですが、未熟者の悲しさ、何となくひいてしまい、悔いを残すことになりました。私の三歳上で会おうと思えば会えた作家でしたが、遂に会わずに終わってしまいました。
今回、WEB展覧会でご紹介するのは、久保先生の勧めで1977年以降に制作された銅版画ですが、種類もそう多くはありません。1993年に下関市立美術館で遺作展「殿敷侃 遺されたメッセージ・アートから社会へ」にも数点が出品されたようです。同館では昨年もコレクション展が開催されました。
これら数点の銅版画を見ると、私は同じく50歳の短命だった日和崎尊夫(1992年没)と、駒井哲郎(1976年没、56歳)の二人のことを思い浮かべます。辛うじてお二人には間に合い、仕事もすることができました。日和崎、駒井はいまや版画史上に燦然と輝く星ですが、殿敷侃が再評価されるのはいつのことでしょうか・・・
しかし、3人の作品を並べてみると、拮抗しているのがよくわかります。

左)殿敷侃「原爆ドーム」
右)駒井哲郎「顔」
1973年 銅版 23.5×21.0cm
限定250部

左)殿敷侃「貝(4)」
右)駒井哲郎「静物」
1968年 銅版 35.5×35.5cm
限定30部

左)殿敷侃「うすばかげろう」
右)日和崎尊夫「KALPA 74」
1974年 木口木版 25.5×20.0cm
限定50部
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
ところで三浦さん(きっとどこかのホテルでこのブログを読んでいるに違いない)、お土産待ってま~す。
ですが先週末、社長が自転車で転んでしまい、大事をとって一週間自宅療養なので、慣れない銀行振り込みだとか、額屋さんへの発注だとか私も結構忙しい。
加えて、写真担当の三浦が日ごろの激務に耐えかねて某国に逃亡してしまったので、マン・レイ展に関してお客様からの問合せには私が対応せざるを得ない。老骨に鞭打って働いております。
このブログも穴があいたらまずいと、久しぶりに版画のことを書くことになりました。
ときの忘れものでは、2009年2月から新たな試みとしてWEB展覧会と題して毎月ネット上での展覧会を開催しています。
2月がル・コルビュジエ展、3月がクリスチャン・ボルタンスキー展でしたが、第3回目の今月は「殿敷侃展」です。
ほとんどの方はご存知ないかも知れませんが、知る人ぞ知る、広島で被爆、短い人生を破天荒に生き僅か50歳で亡くなった作家です。
1977年、わが師・久保貞次郎先生は銀座の飯田画廊で偶然この作家に出会い(このとき殿敷は35歳)、微細な点描で克明に描かれたレンガの作品にほれ込んで、プレス機一式を作家のアトリエに送りつけ、銅版画の制作を勧めます。
その頃、私は市ヶ谷にあった久保邸に足しげく通っていましたから興奮気味の久保先生から殿敷の作品を見せられ、「綿貫さん、凄い作家を見つけました」とコレクションを強く勧められたのですが、未熟者の悲しさ、何となくひいてしまい、悔いを残すことになりました。私の三歳上で会おうと思えば会えた作家でしたが、遂に会わずに終わってしまいました。
今回、WEB展覧会でご紹介するのは、久保先生の勧めで1977年以降に制作された銅版画ですが、種類もそう多くはありません。1993年に下関市立美術館で遺作展「殿敷侃 遺されたメッセージ・アートから社会へ」にも数点が出品されたようです。同館では昨年もコレクション展が開催されました。
これら数点の銅版画を見ると、私は同じく50歳の短命だった日和崎尊夫(1992年没)と、駒井哲郎(1976年没、56歳)の二人のことを思い浮かべます。辛うじてお二人には間に合い、仕事もすることができました。日和崎、駒井はいまや版画史上に燦然と輝く星ですが、殿敷侃が再評価されるのはいつのことでしょうか・・・
しかし、3人の作品を並べてみると、拮抗しているのがよくわかります。
右)駒井哲郎「顔」
1973年 銅版 23.5×21.0cm
限定250部
右)駒井哲郎「静物」
1968年 銅版 35.5×35.5cm
限定30部

右)日和崎尊夫「KALPA 74」
1974年 木口木版 25.5×20.0cm
限定50部
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ところで三浦さん(きっとどこかのホテルでこのブログを読んでいるに違いない)、お土産待ってま~す。
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