うらわ美術館で、瑛九のフォトデッサンの展覧会が開催されています。
コレクションによるテーマ展XII 瑛九 フォト・デッサン―『真昼の夢』を中心に―
会期:2009年4月25日(土)~6月14日(日)
開館時間:午前10時~午後5時(土・日曜日は午後8時まで)
うらわ美術館 ギャラリーD
入場無料

この展覧会は、うらわ美術館の収蔵品から『真昼の夢』という瑛九のフォトデッサン集の9点を中心に、同時期のものと思われるフォトデッサン5点と資料を展示しています。点数は多くありませんが、1点1点に解説がついたコアなファンも満足できる展示になっています。フォトデッサンというのは、いわゆるフォトグラム、印画紙の上に直接ものを置いて光を当てて像を作るというもので、カメラを使わない写真作品です。マン・レイ(レイヨグラフ)やモホリ=ナジなどの作品が知られています。それを瑛九は自分なりの工夫を加え、オリジナル性の高い作品群を制作しました。
「僕は画家であり、だから印画紙を新しい画用紙としか考えない。僕にとっては、『カメラなしの写真』ではなく、印画紙を使ったデッサン、光で描くデッサンだとしか思っていない。だから僕流に『フォトデッサン』とよんでいる。」(毎日グラフ1952年11月10日)
1930年代は、印画紙の上にものを置いて制作した幻想的でシュールな作品であったのが、1950年ごろには、型紙を多用したストーリー性を感じさせる作品を制作するようになります。そこにはユーモラスなものやエロティックな作品もあり、戦前の作品とはまた違った魅力があります。
フォトデッサン自体は1点ものですので、フォトデッサン集というのは、フォトデッサンを撮影した複製になります。この『真昼の夢』は、1951年に限定100部発行されました。2月の「第19回瑛九展~時を超えて~」に同じ作品を出品いたしましたが、関西のコレクターの方にお買い上げいただきました。
瑛九ファンにはぜひご覧いただきたい展覧会です。
左にご紹介するのは、フォトデッサンのオリジナル(つまり一点もの)です。
瑛九「肖像」
1950年 フォトデッサン
27.5×22.4cm
画面下にサイン、裏面にタイトルあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
うらわ美術館の瑛九の展示は1部屋のみで、現在のメインの展示は、「広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展」です。広重は良く知られた「東海道五十三次」の他に、20種以上の五十三次を作っていたそうですが、この展覧会では、その最初の五十三次と晩年に作った五十三次、それに葛飾北斎の五十三次を宿場ごとにまとめて展示していて比較できるようになっています。広重の最初の五十三次には風景と共にそこに暮らす人々や旅人が活き活きと描かれていますが、晩年のものは引いた遠景になっていて、人は点のようになり絵葉書的で、比較すると同じ作家のものとは思えないような差があります。ひとつひとつじっくり見ていくとかなり時間がかかりますので、余裕を持ってお出かけください。時間がない方はカタログでゆっくりご覧ください。こちらも6月14日までで入場料は500円です。
コレクションによるテーマ展XII 瑛九 フォト・デッサン―『真昼の夢』を中心に―
会期:2009年4月25日(土)~6月14日(日)
開館時間:午前10時~午後5時(土・日曜日は午後8時まで)
うらわ美術館 ギャラリーD
入場無料

この展覧会は、うらわ美術館の収蔵品から『真昼の夢』という瑛九のフォトデッサン集の9点を中心に、同時期のものと思われるフォトデッサン5点と資料を展示しています。点数は多くありませんが、1点1点に解説がついたコアなファンも満足できる展示になっています。フォトデッサンというのは、いわゆるフォトグラム、印画紙の上に直接ものを置いて光を当てて像を作るというもので、カメラを使わない写真作品です。マン・レイ(レイヨグラフ)やモホリ=ナジなどの作品が知られています。それを瑛九は自分なりの工夫を加え、オリジナル性の高い作品群を制作しました。
「僕は画家であり、だから印画紙を新しい画用紙としか考えない。僕にとっては、『カメラなしの写真』ではなく、印画紙を使ったデッサン、光で描くデッサンだとしか思っていない。だから僕流に『フォトデッサン』とよんでいる。」(毎日グラフ1952年11月10日)
1930年代は、印画紙の上にものを置いて制作した幻想的でシュールな作品であったのが、1950年ごろには、型紙を多用したストーリー性を感じさせる作品を制作するようになります。そこにはユーモラスなものやエロティックな作品もあり、戦前の作品とはまた違った魅力があります。
フォトデッサン自体は1点ものですので、フォトデッサン集というのは、フォトデッサンを撮影した複製になります。この『真昼の夢』は、1951年に限定100部発行されました。2月の「第19回瑛九展~時を超えて~」に同じ作品を出品いたしましたが、関西のコレクターの方にお買い上げいただきました。
瑛九ファンにはぜひご覧いただきたい展覧会です。
左にご紹介するのは、フォトデッサンのオリジナル(つまり一点もの)です。瑛九「肖像」
1950年 フォトデッサン
27.5×22.4cm
画面下にサイン、裏面にタイトルあり
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うらわ美術館の瑛九の展示は1部屋のみで、現在のメインの展示は、「広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展」です。広重は良く知られた「東海道五十三次」の他に、20種以上の五十三次を作っていたそうですが、この展覧会では、その最初の五十三次と晩年に作った五十三次、それに葛飾北斎の五十三次を宿場ごとにまとめて展示していて比較できるようになっています。広重の最初の五十三次には風景と共にそこに暮らす人々や旅人が活き活きと描かれていますが、晩年のものは引いた遠景になっていて、人は点のようになり絵葉書的で、比較すると同じ作家のものとは思えないような差があります。ひとつひとつじっくり見ていくとかなり時間がかかりますので、余裕を持ってお出かけください。時間がない方はカタログでゆっくりご覧ください。こちらも6月14日までで入場料は500円です。
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