東京都写真美術館では、いま「心の眼」と題した写真家・稲越功一氏の写真展を開催中です。
稲越功一表稲越功一裏

稲越功一は、多くの著名人のポートレートを撮影したコマーシャル写真家として知られていますが、それとともに日常的な情景を切り取ったシリアス・フォトも撮り続けて来ました。この展覧会を準備中の2009年2月25日に稲越功一は亡くなります。担当学芸員である金子隆一(東京都写真美術館専門調査員)さんは、8月15日のときの忘れもののギャラリートークの際に、「『没後最初の展覧会』ではなく、『生前最後の展覧会』と言いたい」とおっしゃったほど、稲越のこの展覧会への意気込みは強かったそうです。1969年から2007年にかけて撮影された124点の作品は横一列に並び、キャプションもないというシンプルな展示がされていますが、これも作家の希望であったそうです。銀塩写真の魅力を伝えてくれるこの展覧会は、10月12日までです。
心の眼 稲越功一の写真
会場:東京都写真美術館 地下1階展示室
会期:2009年8月20日[木]~10月12日[月・祝]
開館時間:10時~18時(木・金は20時まで 入館は閉館の30分前)
休館日:毎週月曜日(但し9月21日[月]、22日[火]、23日[水]の連休中は開館)

メカスさんの作品もまさに日常を切り取ったもので、今日ご紹介するこの作品は、朝顔を撮ったシンプルな画ですが、蔓の巻き付いた中央を通る軸が一本に見えて、反復された画像が、ひとつにつながった一枚の写真に見える面白さがあります。
0909-44ジョナス・メカス Jonas MEKAS
朝顔
CIBA print
35.4×27.5cm
signed

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