スペインで作品を制作している根岸文子です。
SNAP22009年を振り返ってみると、voca展にも出展できたし、ときの忘れもので個展もしていただいたし、なかなか良い年だったと思います。

2009年末より Lafcadio hearn(小泉八雲)の日本の紹介の試み、という本を読んでいます。独自性とその魅力という、部分は、大変感動いたしました。彼の目から見た、150年程前の当時の日本の姿が、本当に美しく、夢を見るような形で書かれています。その後、本の内容は、日本の家族制度と宗教のつながりなどの説明に移ります。150年程前の日本、すっかり国際化された現代とは、異なった社会だけれども、元に流れるものはやはりまだ、変わってないんだなと思わされまた。いろいろな謎が解けていくような気持ちです。生まれて育った土地や先祖が、こんなに一人の人間に関係しているのだなと確信させられました。そして、思い出せない遠い過去の記憶がどこかにたくさん隠されているのではないでしょうか。

そして、私が制作している作品群は、心の奥底の思い出せない記憶にある故郷を探しているのではないかと、思うようになりました。親から子供へ先祖代々受けつがれる自分でも気がつかない記憶のなかの美しい風景。

Lafcadio hearnの本を読んで、感じた感動、美しいものを見て感じる感動のようなものを、遠い昔にどこかで感じた感動を、自分の深い記憶の中で探しているような気がします。

2010年も、心の故郷探しに邁進していきたいと思います。
(ねぎし ふみこ)

VOCA根岸作品根岸文子根岸文子
FUUN YUUSHI
2008年 アクリル・板
130x388cm サインあり
*VOCA2009出品作品
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