2006年に私の画廊で個展をひらいたトリシャ・ブラウンさんが、また来日公演するらしい、というを聞いたので、もしやと思ってグーグルで検索したら、とんでもないものを発見! してしまった。

トリシャ・ブラウン2006年に私どもの<ときの忘れもの>が刊行した岡崎乾二郎監修『トリシャ・ブラウン 思考というモーション』が、アマゾンの中古品扱いで5冊出ていた。
それ自体は何の問題もないのだけれど、問題は価格です。
安いもので24,980円、高いものは39,979円という、眼を疑うような高額商品になっています。
http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/4990300505/ref=dp_olp_used?ie=UTF8&condition=used


いったいこりゃあどうなってるんだ。なにかコンピュータの桁の間違いに違いないと、今度は「日本の古本屋」をのぞいてみたら、これも21,000円でした(驚)。

今月は資金繰りも苦しいので、倉庫から山と運んで古本屋さんに引き取ってもらおうかしら。
いったいどういう仕掛けで、こんな事態になったのでしょう。

人様の営業を妨害するつもりはまったくありませんが、版元の私どもには、2,500円でいくらでも積んでございます(送料無料)。
http://www.tokinowasuremono.com/artist-b29-trisha/060306.html

はあー(ため息です)。
私も長らく版画と書籍の版元をやってきたけれど、こんなことは初めての経験です。
喜んでいいのやら、私どもの宣伝力不足を嘆くべきなのか。
たしかにトリシャ・ブラウンさん、及びコンテンポラリー・ダンスに関しての類書はまったくなく、この本が重要な基本文献であることは版元としても重々承知しておりますし、自負もしております。
今回の事態は古本屋さんたちの早とちりだと思いますが、いずれ私どもでも品切れになるでしょうから、そうしたら密かに何冊か隠して老後の楽しみにいたしましょう。
それにしても最近の世の中の情報というのはいったいどうなってるんでしょうね。