韓国・テグのアートフェア参戦報告 秋葉恵美
先日、韓国・テグ市で開催された「Daegu Art Fair 2010」に参加してきました。
去年に引き続き2回目の参加となる今回は、尾立さんと自分の2人で行ってきました。全工程7泊8日。
韓国に行くのも海外のアートフェアでの仕事も初めてのことで、出発前には些か緊張しましたが、行ってしまったらやるしかない精神でその日を迎えました。11月15日のお昼に成田空港を発ち、約2時間ほどで釜山空港に到着。そこからバスでまた2時間ほど掛けて、1週間宿泊するホテルへと移動しました。尾立さんの報告記にもありましたが、この「NOVOTEL」というホテルは実に快適でした。


東京から参加されたギャラリー椿さん、Gallery Cellarさん、Booklayerの浜田さんたちと夕食をとり、初日は終了しました。
次の日は朝から展示作業。木箱がなかなか届かない!などハラハラするところもありましたが、この日は夕方4時からプレビューが始まるので、とにかく無駄なくてきぱきと作業をこなしていきました。
小野さんの作品からはじめ、永井さん、TSUYUさんの箱作品、安藤さんの版画、という順番で、「並び方はどれが最適か」「作品と作品の間隔をどうするか」「高さはこれでいいのいか」、慎重になりながらも、その作品たちの最適なバランスを尾立さんと相談し合いながら進めました(出発前に展示プランは決まっているのですが、実際に並べてみると何か違う、ということがやはりあるのです)。


今回の展示作品の中で一番大きな、尾形一郎さん 尾形優さんの写真作品の展示は、予め尾形さんたちが用意してくださった展示用パーツを用い、Booklayerの浜田さんにご協力いただきました。ものの10分ほどで横幅約3mの作品を展示した浜田さんは迫力満点。自分はというと、作品を抑える・トンカチを渡すなど、完全なサブと回りました。浜田さん、ありがとうございました!
(余談ですが、作品を梱包していた箱やプチプチなどを仕舞っておくスペース(ストレージ)がブース内にあります。が、これが結構小さい。本当にこれだけの梱包材が収まりきるのだろうかと思っていたのですが、ところがどっこい、尾立さんの「次はあれを仕舞おうかな。」「じゃ、あの平らな部分にこの箱を載せよう。」などの的確な指示で、見事にピッチリ!飛び出すこと無く見事に収まりました(写真を撮り忘れたことが悔まれます)。)
そんなこんなでいよいよDaegu Art Fair 2010が始まりました。

ときの忘れものが展示した作品に対する反応はとてもよく、隣のギャラリーのブースから流れてきた人たちが、「うわ~」と声を上げて尾形さんたちの写真に吸い込まれるように近づいて来たり、天井から吊るされたTSUYUさんの作品には思わず手を伸ばそうとする人も居て、まるで「こんな作品は初めて見た」というような表情を浮かべる人がほとんどで、そういった反応は、自分にとってはとても新鮮なものでした。日本のアートフェアなどでは、美しい作品・珍しい作品を見ても、感激したりということをそんなに表に出さないような印象があります。綺麗なものは綺麗、不思議に思ったことにはどんどん質問してくる、そういった真直ぐな反応が印象的でした。



来場者数は、平日はそんなに多いとは言えませんでしたが、土日は開場からたくさんの方が来られ、ブースの中に人だかりが出来るほどでした。


会期中、他のギャラリーも見て周りました。韓国に行く前から、向こうは派手派手な絵が好まれるから、と聞いていたのですが、全体を見てみて感じた印象は、必ずしもそうではありませんでした。絵画・立体・映像などのジャンルがあるのはもちろんですが、必ずしもインパクト重視のような作品だけではなく、いわゆる「一見大人しく見える作品」も多かったです。ただ、写真作品は非常に少なかったように思います。また展示の方法もさまざまで、壁一面作品二段掛け、というようなギャラリーもあれば、壁一枚に対して作品1点、というようなところもありました。


綿貫さんが昔エディションしたウォーホルの「KIKU」シリーズ3点をソウルのギャラリーが出品していました。値段は15万ドルと聞いてびっくり。
当然のことですが、これだけたくさんのギャラリー・人が集まるのですから、趣味趣向もさまざま、一言で括れません。しかし、それはつまり、どんな作品も受け入れられる余地があるということではないだろうか、とも思いました。
フェアが終了し、今度は撤収。これも展示同様女子2人で行いました。時間が限られているので、搬出もてきぱきと無駄なく次々こなし、展示のときには浜田さんに手伝っていただいた尾形作品も、我々2人ですべて撤収しました。やり終えたときは「ナイスコンビプレーだ!」と自画自賛しました。梱包が終わった後は最後の仕事です。日本に送り返すための木箱への収納も自分達でやらなければならず、入れる順番、大きさを考えないと、全てが収まらなくなってしまいます。ここでまた収納名人尾立さん!もちろん見事に収まりました。
会期中、事務局の方々、ボランティアの通訳の方々には大変お世話になりました。この作品はどういう作品なのか、ということを熱心に尋ねてこられ、来場者の方たちにも積極的に説明をしてくださったり、毎日仕事が終わると、「今日の夜ご飯は○○を食べに行きましょう!」と色々なところに連れて行っていただきました。
ホテルに帰ったら洗濯をしてお風呂に入って寝る、という毎日で、怒涛のように過ぎていきましたが、そんな中で事務局の方たちやボランティアの通訳の方たちとの交流は気持ちを和らげてくれました。
ときの忘れものがこれからどのようにアートフェアに参加していくか考えさせられる一週間でもあり、ひとつ大きな経験ができました。(あきばめぐみ)
◆ときの忘れものは、2010年12月15日(水)~12月25日(土)まで「エドワード・スタイケン写真展」を開催します(会期中無休)。

エドワード・スタイケンは、20世紀のアメリカの写真にもっとも大きな影響を与えた写真家であるだけでなく、キュレーターとして数々の写真展を企画し、写真界の発展に多大な貢献をしました。
1986年と1987年に写真家のジョージ・タイスによってオリジナルネガからプリントされた、1920年代か30年代の作品を中心に、ヌード、ファッション、風景、ポートレートなど17点を選び展示いたします。
先日、韓国・テグ市で開催された「Daegu Art Fair 2010」に参加してきました。
去年に引き続き2回目の参加となる今回は、尾立さんと自分の2人で行ってきました。全工程7泊8日。
韓国に行くのも海外のアートフェアでの仕事も初めてのことで、出発前には些か緊張しましたが、行ってしまったらやるしかない精神でその日を迎えました。11月15日のお昼に成田空港を発ち、約2時間ほどで釜山空港に到着。そこからバスでまた2時間ほど掛けて、1週間宿泊するホテルへと移動しました。尾立さんの報告記にもありましたが、この「NOVOTEL」というホテルは実に快適でした。


東京から参加されたギャラリー椿さん、Gallery Cellarさん、Booklayerの浜田さんたちと夕食をとり、初日は終了しました。
次の日は朝から展示作業。木箱がなかなか届かない!などハラハラするところもありましたが、この日は夕方4時からプレビューが始まるので、とにかく無駄なくてきぱきと作業をこなしていきました。
小野さんの作品からはじめ、永井さん、TSUYUさんの箱作品、安藤さんの版画、という順番で、「並び方はどれが最適か」「作品と作品の間隔をどうするか」「高さはこれでいいのいか」、慎重になりながらも、その作品たちの最適なバランスを尾立さんと相談し合いながら進めました(出発前に展示プランは決まっているのですが、実際に並べてみると何か違う、ということがやはりあるのです)。


今回の展示作品の中で一番大きな、尾形一郎さん 尾形優さんの写真作品の展示は、予め尾形さんたちが用意してくださった展示用パーツを用い、Booklayerの浜田さんにご協力いただきました。ものの10分ほどで横幅約3mの作品を展示した浜田さんは迫力満点。自分はというと、作品を抑える・トンカチを渡すなど、完全なサブと回りました。浜田さん、ありがとうございました!
(余談ですが、作品を梱包していた箱やプチプチなどを仕舞っておくスペース(ストレージ)がブース内にあります。が、これが結構小さい。本当にこれだけの梱包材が収まりきるのだろうかと思っていたのですが、ところがどっこい、尾立さんの「次はあれを仕舞おうかな。」「じゃ、あの平らな部分にこの箱を載せよう。」などの的確な指示で、見事にピッチリ!飛び出すこと無く見事に収まりました(写真を撮り忘れたことが悔まれます)。)
そんなこんなでいよいよDaegu Art Fair 2010が始まりました。

ときの忘れものが展示した作品に対する反応はとてもよく、隣のギャラリーのブースから流れてきた人たちが、「うわ~」と声を上げて尾形さんたちの写真に吸い込まれるように近づいて来たり、天井から吊るされたTSUYUさんの作品には思わず手を伸ばそうとする人も居て、まるで「こんな作品は初めて見た」というような表情を浮かべる人がほとんどで、そういった反応は、自分にとってはとても新鮮なものでした。日本のアートフェアなどでは、美しい作品・珍しい作品を見ても、感激したりということをそんなに表に出さないような印象があります。綺麗なものは綺麗、不思議に思ったことにはどんどん質問してくる、そういった真直ぐな反応が印象的でした。



来場者数は、平日はそんなに多いとは言えませんでしたが、土日は開場からたくさんの方が来られ、ブースの中に人だかりが出来るほどでした。


会期中、他のギャラリーも見て周りました。韓国に行く前から、向こうは派手派手な絵が好まれるから、と聞いていたのですが、全体を見てみて感じた印象は、必ずしもそうではありませんでした。絵画・立体・映像などのジャンルがあるのはもちろんですが、必ずしもインパクト重視のような作品だけではなく、いわゆる「一見大人しく見える作品」も多かったです。ただ、写真作品は非常に少なかったように思います。また展示の方法もさまざまで、壁一面作品二段掛け、というようなギャラリーもあれば、壁一枚に対して作品1点、というようなところもありました。


綿貫さんが昔エディションしたウォーホルの「KIKU」シリーズ3点をソウルのギャラリーが出品していました。値段は15万ドルと聞いてびっくり。当然のことですが、これだけたくさんのギャラリー・人が集まるのですから、趣味趣向もさまざま、一言で括れません。しかし、それはつまり、どんな作品も受け入れられる余地があるということではないだろうか、とも思いました。
フェアが終了し、今度は撤収。これも展示同様女子2人で行いました。時間が限られているので、搬出もてきぱきと無駄なく次々こなし、展示のときには浜田さんに手伝っていただいた尾形作品も、我々2人ですべて撤収しました。やり終えたときは「ナイスコンビプレーだ!」と自画自賛しました。梱包が終わった後は最後の仕事です。日本に送り返すための木箱への収納も自分達でやらなければならず、入れる順番、大きさを考えないと、全てが収まらなくなってしまいます。ここでまた収納名人尾立さん!もちろん見事に収まりました。
会期中、事務局の方々、ボランティアの通訳の方々には大変お世話になりました。この作品はどういう作品なのか、ということを熱心に尋ねてこられ、来場者の方たちにも積極的に説明をしてくださったり、毎日仕事が終わると、「今日の夜ご飯は○○を食べに行きましょう!」と色々なところに連れて行っていただきました。
ホテルに帰ったら洗濯をしてお風呂に入って寝る、という毎日で、怒涛のように過ぎていきましたが、そんな中で事務局の方たちやボランティアの通訳の方たちとの交流は気持ちを和らげてくれました。
ときの忘れものがこれからどのようにアートフェアに参加していくか考えさせられる一週間でもあり、ひとつ大きな経験ができました。(あきばめぐみ)
◆ときの忘れものは、2010年12月15日(水)~12月25日(土)まで「エドワード・スタイケン写真展」を開催します(会期中無休)。

エドワード・スタイケンは、20世紀のアメリカの写真にもっとも大きな影響を与えた写真家であるだけでなく、キュレーターとして数々の写真展を企画し、写真界の発展に多大な貢献をしました。
1986年と1987年に写真家のジョージ・タイスによってオリジナルネガからプリントされた、1920年代か30年代の作品を中心に、ヌード、ファッション、風景、ポートレートなど17点を選び展示いたします。
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