ときの忘れものでは「没後20年 孤高のモダニスト福田勝治写真展」を開催中ですが、福田勝治と同じく、昭和を代表する「植田正治写真展 写真とボク」が埼玉県立近代美術館で開催されています。
会期:2010年12月18日(土)-2011年1月23日(日)


砂丘を舞台に数多くの傑作写真を生み出し、日本のみならず世界の写真史上に独自の足跡を残した植田正治(1913-2000)。時代の潮流であったリアリズム写真運動に与することなく、終生、生まれ故郷の山陰にとどまって「写真する」歓びを追求しました。そのモダニ ズムあふれる作品は、海外でもUeda-cho(植田調)と称され、国外で最も人気の高い日本人写真家の一人となっています。
青年期に西洋アヴァンギャルドの洗礼を受けた植田正治は、地元で写真館を営む一方、制約なしに自己の表現を追求するアマチュア精神を貫きました。自宅近くの砂浜に家族や身近な人々をあたかもチェスの駒のように配して撮影した〈演出写真〉の緊密な構図はもとより、70歳から取り組んだファッション写真「砂丘モード」シリーズや、その後の福山雅治のCDジャケット撮影によって、脈々と築き上げられた写真世界は世代を超えたファンの支持を集めるにいたりました。素朴な身の回りの風景や事物に徹しながらも、その写真は風土性や時代を超える普遍性をたたえており、見る者に新鮮な驚きと深い感動を呼び起こしてやみません。
2010年は植田正治の没後10年にあたります。日本で初めての大規模な巡回展となる本展では、植田正治の代名詞ともいえる砂丘を舞台にした作品から、再評価の契機となったファッション写真まで、初期から晩年にいたる代表作約200点を展示し、その表現世界に迫ります。故郷・鳥取県の植田正治写真美術館のコレクションに加え、没後に発見されたネガによる初公開作品も見のがせません。(同展ホームページより)
初期のシュールで実験的な作品から、砂丘での演出写真、そして、晩年のファッション写真まで植田正治の足跡をたどる展覧会で、内容的にも量的にも満足できる展示です。
植田作品からは被写体に対する温かなまなざしが感じられて、作品を見るものにもそれが伝わってきます。特に、『僕のアルバム』(2007年求龍堂刊)に所収され、今回初めて展示された植田夫人を撮った写真からは、芳香のごとくに愛情が香ってきます。植田正治の写真は、写真が日常の中の「ハレ」の場であった時代から、その特別さを大切にしてきているように思います。被写体の人物とその瞬間を共有し、その瞬間を1枚の写真に留める。それは風景についても同様で、言うなれば「絶対非スナップ」、植田さんの「撮りますよ。」という声が聞こえてきそうです。
もう会期も残り一週間を切ってしまいましたが、植田正治ファンはもとより、ご存じない方にもぜひご覧いただきたい展覧会です。
◆画廊コレクションから、植田作品をご紹介します。

植田正治「砂丘モード」より『砂丘D』
1989年 ゼラチン・シルバー・プリント
25.0×23.3cm(額サイズ:55.7×43.5cm)
鉛筆サインあり
最愛の夫人に先立たれた悲しみに一時制作意欲を無くした植田さんが、息子さんの勧めでモード写真に取り組み、復活したというエピソードはあまりにも有名ですが、その中の一点です。

植田正治「猫」
1989年 ゼラチン・シルバー・プリント
17.5×26.5cm (額サイズ:36.7×45.7cm)
限定4部(2/4) 鉛筆サインあり
猫好きだった植田さんですが、猫を被写体にしたものは非常に珍しく、展覧会などで発表された写真ではないと思います。(旧蔵者は直接植田さんからいただいたということです)
写真の中に、これも珍しいことですが、限定番号(2/4)と自筆の鉛筆サインが記載されています。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
会期:2010年12月18日(土)-2011年1月23日(日)


砂丘を舞台に数多くの傑作写真を生み出し、日本のみならず世界の写真史上に独自の足跡を残した植田正治(1913-2000)。時代の潮流であったリアリズム写真運動に与することなく、終生、生まれ故郷の山陰にとどまって「写真する」歓びを追求しました。そのモダニ ズムあふれる作品は、海外でもUeda-cho(植田調)と称され、国外で最も人気の高い日本人写真家の一人となっています。
青年期に西洋アヴァンギャルドの洗礼を受けた植田正治は、地元で写真館を営む一方、制約なしに自己の表現を追求するアマチュア精神を貫きました。自宅近くの砂浜に家族や身近な人々をあたかもチェスの駒のように配して撮影した〈演出写真〉の緊密な構図はもとより、70歳から取り組んだファッション写真「砂丘モード」シリーズや、その後の福山雅治のCDジャケット撮影によって、脈々と築き上げられた写真世界は世代を超えたファンの支持を集めるにいたりました。素朴な身の回りの風景や事物に徹しながらも、その写真は風土性や時代を超える普遍性をたたえており、見る者に新鮮な驚きと深い感動を呼び起こしてやみません。
2010年は植田正治の没後10年にあたります。日本で初めての大規模な巡回展となる本展では、植田正治の代名詞ともいえる砂丘を舞台にした作品から、再評価の契機となったファッション写真まで、初期から晩年にいたる代表作約200点を展示し、その表現世界に迫ります。故郷・鳥取県の植田正治写真美術館のコレクションに加え、没後に発見されたネガによる初公開作品も見のがせません。(同展ホームページより)
初期のシュールで実験的な作品から、砂丘での演出写真、そして、晩年のファッション写真まで植田正治の足跡をたどる展覧会で、内容的にも量的にも満足できる展示です。
植田作品からは被写体に対する温かなまなざしが感じられて、作品を見るものにもそれが伝わってきます。特に、『僕のアルバム』(2007年求龍堂刊)に所収され、今回初めて展示された植田夫人を撮った写真からは、芳香のごとくに愛情が香ってきます。植田正治の写真は、写真が日常の中の「ハレ」の場であった時代から、その特別さを大切にしてきているように思います。被写体の人物とその瞬間を共有し、その瞬間を1枚の写真に留める。それは風景についても同様で、言うなれば「絶対非スナップ」、植田さんの「撮りますよ。」という声が聞こえてきそうです。
もう会期も残り一週間を切ってしまいましたが、植田正治ファンはもとより、ご存じない方にもぜひご覧いただきたい展覧会です。
◆画廊コレクションから、植田作品をご紹介します。

植田正治「砂丘モード」より『砂丘D』
1989年 ゼラチン・シルバー・プリント
25.0×23.3cm(額サイズ:55.7×43.5cm)
鉛筆サインあり
最愛の夫人に先立たれた悲しみに一時制作意欲を無くした植田さんが、息子さんの勧めでモード写真に取り組み、復活したというエピソードはあまりにも有名ですが、その中の一点です。

植田正治「猫」
1989年 ゼラチン・シルバー・プリント
17.5×26.5cm (額サイズ:36.7×45.7cm)
限定4部(2/4) 鉛筆サインあり
猫好きだった植田さんですが、猫を被写体にしたものは非常に珍しく、展覧会などで発表された写真ではないと思います。(旧蔵者は直接植田さんからいただいたということです)
写真の中に、これも珍しいことですが、限定番号(2/4)と自筆の鉛筆サインが記載されています。
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