植田正治~気更来のコレクション展

現在開催中の「気更来のコレクション展」から、今日は植田正治の作品を2点ご紹介いたします。

アマチュア写真家を標榜していた植田正治が、1983年、70歳にして初めて商業写真、それもファッション写真を撮ります。鳥取砂丘で撮影されたそれらの写真は、ご子息充氏のアートディレクションによる『TAKEO KIKUCHI AUTUMN AND WINTER COLLECTION '83-84』というカタログに収められました。かつての「砂丘シリーズ」を髣髴とさせるシュールでスタイリッシュな作品は、晩年の代表作「砂丘モード」と呼ばれるようになります。この作品も1983年に撮影されたシリーズの1枚で、カタログには掲載されなかったものの、人物の配置や構図は実に「粋」で「カッコイイ」写真です。
植田正治「砂丘モード」植田正治 Shoji UEDA
砂丘モード」より「砂丘D
1983年
ゼラチンシルバープリント
25.0x23.3cm
サインあり

こちらの作品は、テレビの上に載った猫の一瞬の表情を捉えたもので、演出できない猫ですが、いい顔を見せてくれています。テレビの画面に植田さんの姿が映りこんでいるのがご愛嬌です。またこの作品は、エディションが書き込まれているのと、マージンがあるにもかかわらず、イメージの中にサインが書いてあるのがひじょうに珍しい作品です。
植田正治「猫」植田正治 Shoji UEDA

1989年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:17.5×26.5cm
額装サイズ:36.7×45.7cm
Ed.4 サインあり

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◆ときの忘れものは、2011年2月8日[火]―2月26日[土]<陽気が更に来る>ことを祈りつつ「気更来のコレクション展」を開催しています(日曜・月曜・祝日は休廊。ただし、TOKYO FRONTLINE開催中の2月20日[日]は開廊します)。
気更来のコレクション展
出品:小野隆生、宮脇愛子、百瀬寿、秋葉シスイ、
アンドレ・ケルテス、植田正治、エドワード・スタイケン、瑛九、細江賢治