今日から8月。夏休みは皆さんどちらにお出かけでしょうか。
普段はなかなかいけない場所の美術館を訪ねるのもいいですね。
いくつかご紹介して行きましょう。

避暑地の軽井沢にはいくつも素晴らしい美術館がありますが、なかでも脇田和美術館は、個人美術館として格調ある雰囲気を持ち、建築的にも木造のアトリエ山荘(吉村順三設計)を内包し、回廊式の本館建築と共に訪れる人びとに静かで魅力的な空間を提供している気持ちの良い美術館です。

油彩を中心に素描・版画など約1,000点を収蔵する同館は今年開館20周年を迎えました。
開館20周年 脇田和展
会期=2011年4月29日(金)~11月25日(金)脇田和展

脇田和展_裏

脇田和美術館
秋の2011年10月15日(土)には、「建築ワークショップ Vol.8空間の解析 吉村順三建築を見る」も開催されるようなので、建築好きな方は参加されてはいかがでしょう。
左は昨年の案内です。

■脇田和
1908年東京の青山生まれ。1923年青山学院中等部を中退し、姉夫婦に付き添ってドイツへ留学する。1925年ベルリン国立美術学校に入学。銅版、リトグラフ、木口木版など版画技術を習得。
1930年金メダルを授与されて卒業。父の死にともない帰国、その後の数年間は、おもに父の事業の整理に費やされるが、1932年太平洋画研究会で入選するほか、1935年には帝展に反旗を翻した画家たちの第二部会展で特選と昭和洋画奨励賞受賞。
1936年猪熊弦一郎、小磯良平、中西利雄、内田巌らと共に新制作派協会(現、新制作協会)の結成に参加。戦時色が濃くなるにつれて、母と子供をテーマとするようになる。戦後の1953年に肋膜炎で療養中にもらった鳥がきっかけとなって鳥をモチーフに描き始める。1955年第3回日本国際美術展で最優秀賞を受賞。1956年グッゲンハイム国際美術展国内賞を受賞。1991年軽井沢に脇田和美術館が開館。1998年文化功労者。2005年97歳で歿。

脇田和は戦前から版画制作(特にリトグラフ)に熱心に取り組み、多くの作品を遺しました。
ときの忘れもののコレクションから3点ご紹介します。
脇田和「黄色い鳥」600脇田和
「黄色い鳥」
1974年 リトグラフ
24.0×33.0cm
Ed.50
サイン有り

脇田和「失墜」600脇田和
「失墜」
1974年 リトグラフ
24.4×29.6cm
Ed.50
サイン有り

脇田和「向かい合う鳥」600脇田和
「向かい合う鳥」
1974年 リトグラフ
49.0×35.5cm
Ed.50
サイン有り

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