「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」
会期=2011年9月9日(金)ー9月17日(土) 12:00-19:00 *会期中無休
いよいよ明日から、ときの忘れものでは「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」を開催します。
オープンに先立って昨日まで3回にわたり連載した浅野智子さんの連載エッセイ「瑛九の型紙考」はいかがでしたでしょうか。
大きな視野で、小さな作品の断片までを実物検証しながら、資料を渉猟して瑛九の「フォトデッサン」の制作の方法に迫る。そういう地道な実証的な研究がまだまだ瑛九に関しては遅れているように思います。
若い浅野さんのフレッシュな感覚での「型紙考」は長年瑛九作品に触れてきた亭主にもたいへん刺激的で勉強になりました。浅野さん、ありがとう。
続いて11日からは、「中川美香のエッセイ」を3回連続で掲載します。
瑛九の故郷宮崎で精力的な瑛九キャンペーンを繰り広げている宮崎日日新聞の文化部デスクの中川美香さんには「瑛九の追っかけの記」を書いていただきました。
中川さんのエッセイを掲載する前に、新たな長期連載「小林美香のエッセイー写真のバックストーリー」が9月10日よりスタートします。
小林美香さん(偶然ですが、上記の中川美香さんとお名前が同じです)には、既にこのブログで何度かご執筆いただいており、内外の写真の歴史に通暁し、しかも多くの写真の実物に触れている気鋭の写真研究者です。
毎月10日と25日の二回、更新する予定ですので、どうぞご期待ください。
さて、今回の瑛九展は点数が多いので狭いギャラリーにどう飾るのか心配しましたが、強力助っ人・浜田さんの渾身のデスプレーで素晴らしい展示になりました。
大きい作品から手のひらに納まる小品まで、どうぞ展示風景をご覧になってください。出品リストの末尾にスナップを掲載しました。
瑛九
「フォトデッサン型紙16」
切り抜き・印画紙
30.4x25.3cm
"Q Ei"と鉛筆サインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙17」
1937年
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
"Q Ei/37"と鉛筆サインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙18」
切り抜き・印画紙
21.2x26.5cm
瑛九
「フォトデッサン型紙19」
切り抜き・印画紙
25.2x30.3cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙20」
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙21」
切り抜き・印画紙
30.4x25.1cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン22」
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
瑛九
「フォトデッサン型紙23」
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙24」
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙25」
切り抜き・印画紙
18.6x28.9cm
型紙は当然ながら表と裏があります。
両方を展示でお見せできないのが残念ですが、白紙だったり、書き込みがあったり、吹きつけがされていたりと、とても表情豊かです。
反転の面白さをわかっていただこうと、表と裏のバックの色を変えてみたのが、上掲の図版です。
お買いになった方が、お好きな色で額装を楽しまれるのもいいと思います。
瑛九が「型紙」に使ったのは、普通の「紙」や「セロファン」のほかに、一度は完成させたフォトデッサン(印画紙)を次の作品を作るために「型紙」として切り抜いてしまったものも多数存在します。従来は、「フォトデッサン」の失敗作を「型紙」に転用したと言われてきましたが、ときの忘れものが今回公開する46点からなる「フォトデッサン型紙コレクション」の中には、きちんと瑛九自筆のサインや年記が記入されているものが12点もあります。
サイン=完成作品と考えるならば、惜しげもなく切り抜いてしまったのはどのような意図だったのでしょうか。
実は、ときの忘れもので瑛九のフォトデッサン型紙を展示するのは、今回が初めてではなく、2002年2月にも「第12回瑛九展―フォトデッサン型紙展」を開催しています。
あのときは点数も10数点でしたから、完売でしたが、さて今回はどうでしょうか。
瑛九
「フォトデッサン型紙26」
切り抜き・印画紙
13.2x28.2cm
瑛九
「フォトデッサン型紙27」
鉛筆・切り抜き・印画紙
27.6x19.3cm
瑛九
「フォトデッサン型紙30」
切り抜き・厚紙
38.2x53.9cm
瑛九
「フォトデッサン型紙31」
1937年
吹きつけ・厚紙
38.2x56.1cm
"Q Ei 1937"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙32」
切り抜き・厚紙
59.7x34.6cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙33」
1950年
切り抜き・印画紙
55.6x45.3cm
"Q Ei 1950"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙34」
切り抜き・印画紙
55.8x45.5cm
瑛九
「フォトデッサン型紙35」
切り抜き・印画紙
40.8x52.0cm
瑛九
「フォトデッサン型紙36」
切り抜き・厚紙
34.5x49.4cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九
「フォトデッサン型紙37」
切り抜き・厚紙
38.0x56.2cm
瑛九
「フォトデッサン型紙38」
切り抜き・厚紙
45.6x56.0cm
瑛九
「フォトデッサン型紙39」
切り抜き・厚紙
52.5x34.8cm
瑛九
「フォトデッサン型紙40」
切り抜き・厚紙
38.0x31.5cm
瑛九
「フォトデッサン型紙42」
切り抜き・印画紙
55.6x45.7cm
"Q"とペンサインあり
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■瑛九 Ei-Q
1911年宮崎生まれ。本名・杉田秀夫。1925年中学を退学し上京、戸塚にある私立・日本美術学校洋画科に入学し、この頃より油絵を描く。15歳で『アトリヱ』『みづゑ』など美術雑誌に評論を執筆。1930年日本美術学校を退学。オリエンタル写真学校に入学し写真の研究を行なう。「フォトグラム」の制作を始め、写真評論を写真雑誌『フォトタイムス』に発表する。1936年印画紙による新しい作品を制作し上京、久保貞次郎と共に画家・長谷川三郎を訪ねる。長谷川と美術評論家・外山卯三郎の協力で、この作品を「フォト・デッサン」と命名、「瑛九(Ei-Q)」の名で発表することを決定し、フォトデッサン作品集『眠りの理由』を刊行。1937年自由美術家協会創立に参加。戦後は、既成の画壇や公募団体を批判し、1951年デモクラート美術家協会を創立。靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、河原温、細江英公ら若い作家たちに大きな影響を与えた。油彩、フォトデッサン、版画などに挑み、独自の世界を生み出す。1960年48歳で永逝。
◆ときの忘れものは「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」を開催します。

「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」
会期=2011年9月9日[金]―9月17日[土]
12時~19時 会期中無休
全46点の型紙の裏表両面を掲載した大判のポスター(限定200部、番号入り)を製作しました。
瑛九展ポスター(表)
限定200部
デザイン:DIX-HOUSE
サイズ:84.1x59.4cm(A1)
限定200部(番号入り)
価格:1,500円(税込)
+梱包送料:1,000円
瑛九展ポスター(裏)
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◆「生誕100年記念瑛九展」が埼玉県立近代美術館と、うらわ美術館の2会場で同時開催されます。
ときの忘れものも出品協力させていただきました。招待券が若干ありますので、ご希望の方はメールにてお申し込みください。
会期=9月10日(土)~11月6日(日)
info@tokinowasuremono.com
会期=2011年9月9日(金)ー9月17日(土) 12:00-19:00 *会期中無休
いよいよ明日から、ときの忘れものでは「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」を開催します。
オープンに先立って昨日まで3回にわたり連載した浅野智子さんの連載エッセイ「瑛九の型紙考」はいかがでしたでしょうか。
大きな視野で、小さな作品の断片までを実物検証しながら、資料を渉猟して瑛九の「フォトデッサン」の制作の方法に迫る。そういう地道な実証的な研究がまだまだ瑛九に関しては遅れているように思います。
若い浅野さんのフレッシュな感覚での「型紙考」は長年瑛九作品に触れてきた亭主にもたいへん刺激的で勉強になりました。浅野さん、ありがとう。
続いて11日からは、「中川美香のエッセイ」を3回連続で掲載します。
瑛九の故郷宮崎で精力的な瑛九キャンペーンを繰り広げている宮崎日日新聞の文化部デスクの中川美香さんには「瑛九の追っかけの記」を書いていただきました。
中川さんのエッセイを掲載する前に、新たな長期連載「小林美香のエッセイー写真のバックストーリー」が9月10日よりスタートします。
小林美香さん(偶然ですが、上記の中川美香さんとお名前が同じです)には、既にこのブログで何度かご執筆いただいており、内外の写真の歴史に通暁し、しかも多くの写真の実物に触れている気鋭の写真研究者です。
毎月10日と25日の二回、更新する予定ですので、どうぞご期待ください。
さて、今回の瑛九展は点数が多いので狭いギャラリーにどう飾るのか心配しましたが、強力助っ人・浜田さんの渾身のデスプレーで素晴らしい展示になりました。
大きい作品から手のひらに納まる小品まで、どうぞ展示風景をご覧になってください。出品リストの末尾にスナップを掲載しました。
瑛九「フォトデッサン型紙16」
切り抜き・印画紙
30.4x25.3cm
"Q Ei"と鉛筆サインあり
瑛九「フォトデッサン型紙17」
1937年
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
"Q Ei/37"と鉛筆サインあり
瑛九「フォトデッサン型紙18」
切り抜き・印画紙
21.2x26.5cm
瑛九「フォトデッサン型紙19」
切り抜き・印画紙
25.2x30.3cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン型紙20」
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン型紙21」
切り抜き・印画紙
30.4x25.1cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン22」
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
瑛九「フォトデッサン型紙23」
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン型紙24」
切り抜き・印画紙
30.2x25.2cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン型紙25」
切り抜き・印画紙
18.6x28.9cm
型紙は当然ながら表と裏があります。
両方を展示でお見せできないのが残念ですが、白紙だったり、書き込みがあったり、吹きつけがされていたりと、とても表情豊かです。
反転の面白さをわかっていただこうと、表と裏のバックの色を変えてみたのが、上掲の図版です。
お買いになった方が、お好きな色で額装を楽しまれるのもいいと思います。
瑛九が「型紙」に使ったのは、普通の「紙」や「セロファン」のほかに、一度は完成させたフォトデッサン(印画紙)を次の作品を作るために「型紙」として切り抜いてしまったものも多数存在します。従来は、「フォトデッサン」の失敗作を「型紙」に転用したと言われてきましたが、ときの忘れものが今回公開する46点からなる「フォトデッサン型紙コレクション」の中には、きちんと瑛九自筆のサインや年記が記入されているものが12点もあります。
サイン=完成作品と考えるならば、惜しげもなく切り抜いてしまったのはどのような意図だったのでしょうか。
実は、ときの忘れもので瑛九のフォトデッサン型紙を展示するのは、今回が初めてではなく、2002年2月にも「第12回瑛九展―フォトデッサン型紙展」を開催しています。
あのときは点数も10数点でしたから、完売でしたが、さて今回はどうでしょうか。
瑛九「フォトデッサン型紙26」
切り抜き・印画紙
13.2x28.2cm
瑛九「フォトデッサン型紙27」
鉛筆・切り抜き・印画紙
27.6x19.3cm
瑛九「フォトデッサン型紙30」
切り抜き・厚紙
38.2x53.9cm
瑛九「フォトデッサン型紙31」
1937年
吹きつけ・厚紙
38.2x56.1cm
"Q Ei 1937"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン型紙32」
切り抜き・厚紙
59.7x34.6cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン型紙33」
1950年
切り抜き・印画紙
55.6x45.3cm
"Q Ei 1950"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン型紙34」
切り抜き・印画紙
55.8x45.5cm
瑛九「フォトデッサン型紙35」
切り抜き・印画紙
40.8x52.0cm
瑛九「フォトデッサン型紙36」
切り抜き・厚紙
34.5x49.4cm
"Q Ei"とペンサインあり
瑛九「フォトデッサン型紙37」
切り抜き・厚紙
38.0x56.2cm
瑛九「フォトデッサン型紙38」
切り抜き・厚紙
45.6x56.0cm
瑛九「フォトデッサン型紙39」
切り抜き・厚紙
52.5x34.8cm
瑛九「フォトデッサン型紙40」
切り抜き・厚紙
38.0x31.5cm
瑛九「フォトデッサン型紙42」
切り抜き・印画紙
55.6x45.7cm
"Q"とペンサインあり
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■瑛九 Ei-Q
1911年宮崎生まれ。本名・杉田秀夫。1925年中学を退学し上京、戸塚にある私立・日本美術学校洋画科に入学し、この頃より油絵を描く。15歳で『アトリヱ』『みづゑ』など美術雑誌に評論を執筆。1930年日本美術学校を退学。オリエンタル写真学校に入学し写真の研究を行なう。「フォトグラム」の制作を始め、写真評論を写真雑誌『フォトタイムス』に発表する。1936年印画紙による新しい作品を制作し上京、久保貞次郎と共に画家・長谷川三郎を訪ねる。長谷川と美術評論家・外山卯三郎の協力で、この作品を「フォト・デッサン」と命名、「瑛九(Ei-Q)」の名で発表することを決定し、フォトデッサン作品集『眠りの理由』を刊行。1937年自由美術家協会創立に参加。戦後は、既成の画壇や公募団体を批判し、1951年デモクラート美術家協会を創立。靉嘔、池田満寿夫、磯辺行久、河原温、細江英公ら若い作家たちに大きな影響を与えた。油彩、フォトデッサン、版画などに挑み、独自の世界を生み出す。1960年48歳で永逝。
◆ときの忘れものは「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」を開催します。

「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」
会期=2011年9月9日[金]―9月17日[土]
12時~19時 会期中無休
全46点の型紙の裏表両面を掲載した大判のポスター(限定200部、番号入り)を製作しました。
瑛九展ポスター(表)限定200部
デザイン:DIX-HOUSE
サイズ:84.1x59.4cm(A1)
限定200部(番号入り)
価格:1,500円(税込)
+梱包送料:1,000円
瑛九展ポスター(裏)こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆「生誕100年記念瑛九展」が埼玉県立近代美術館と、うらわ美術館の2会場で同時開催されます。
ときの忘れものも出品協力させていただきました。招待券が若干ありますので、ご希望の方はメールにてお申し込みください。
会期=9月10日(土)~11月6日(日)
info@tokinowasuremono.com
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