1891年4月2日にドイツに生まれ、1919年ケルンでハンス・アルプ等とダダの運動を起こしたマックス・エルンストは、1921年にパリに向かいアンドレ・ブルトンたちと親交しシュルレアリスムの作家として活躍します。
第二次世界大戦時にはアメリカに亡命し、後にフランスに移りフランス国籍を取得します。
1976年4月1日に死去しますが、その翌年西武美術館と兵庫県立近代美術館で開催された回顧展によって私たちは油彩や彫刻、コラージュ、フロッタージュなどエルンストの全貌に触れたのでした。
それまでは、亭主にとってはエルンストは多くの装画本と版画作品によって知られる作家でした。
人間の内面に潜む深層心理に鋭く迫り、版画技法にコラージュやフロッタージュの新たな表現方法を加えて不可思議なイメージを数多くの装画本によって展開しました。
今回の「デュシャン、エルンスト、マン・レイ展」には、エルンストの制作した装画本をいくつか出品していますが、それらには多くの挿絵が挿入されており、全部は飾りきれないので、ご興味のある方はお声をかけてください。
◆『LA BREBIS GALANTE　親切な子羊』

カラー銅版3点＋ポショワール21点入り
1949年
Les Editions Premieres 出版
24.3x20.0cm　Ed.300

◆『LA BALLADE DU SOLDAT　兵士のバラード』

カラー石版35点入り
1972年
PIERRE CHAVE 出版
テキスト：G. Ribemont-DESSAIGNES
版画：マックス・エルンスト
41.5x30.3cm　Ed.100　
奥付にG. Ribemont-DESSAIGNESとマックス・エルンストのサインあり

◆『LES CHIENS ONT SOIF　喉の乾いた犬ども』
表紙


カラー銅版2点＋カラー石版17点入り
1964年
AU PONT DES ARTS 出版
テキスト：Jacques PREVERT
版画：マックス・エルンスト
45.8x33.0cm　　Ed.320

◆『DENT PROMPTE　素早い歯』
表紙


リトグラフ10点入り
1969年
Galerie Lucie Weill 出版
詩：ルネ・シェール
版画：マックス・エルンスト
47.2x40.0cm　　Ed.290
＊奥付にルネ・シェールとマックス・エルンストのサインあり

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから

◆ときの忘れものは、2011年12月6日[火]―12月11日[日]「デュシャン、エルンスト、マン・レイ展」を開催しています（会期中無休）。

20世紀の現代美術の流れを決定づけたデュシャン、エルンスト、マン・レイ、の3人の版画作品、写真、オブジェを展示します。

◆千葉市美術館で「瀧口修造とマルセル・デュシャン」展が開催されています（2012年1月29日まで）。
ときの忘れものも少しお手伝いしたので、招待券があります。ご希望の方は、メールにてお申し込みください。図録（2,300円）もときの忘れもので頒布しています。
◆今月のＷＥＢ展は「野田哲也展」です。