今月はイベントが続きます。
3月11日 ジョック・スタージス一日展~3.11を忘れない
3月17日、18日 「特別セール/靉嘔・瑛九・オノサトとデモクラートの作家たち」、出品リストはホームページに掲載しましたのでぜひご覧ください。
3月31日 大坂寛展レセプション
今週末10日までは「究極のポータブル・ミュージアム―60年代のN.Y.を駆けた30人のアーティスト“The New York Collection for Stockholm”」を開催していますが、先日の「館長募集」要綱を読んでいただけたでしょうか。
年齢、国籍、性別、学歴、経験など一切問いません。
われこそは究極の美術館の館長にとお思いの方のご応募をお待ちしています。
館長が決まらないと、私たち画商は生きていけない。
何人もの方からバラ(単品)でいただけないかとのお問合せをいただきましたが、30人揃っているから究極のポータブル・ミュージアムなので、どうぞご理解ください。
ところで画商というと皆さん「絵を売るお仕事」と思っていらっしゃるでしょうが、実は違います。
画商の本分は「絵を買う」ことにあります。
もっとも買ってばかりじゃ駄目で、買ったら売る、の繰り返しです。
皆さん、ご存知ないかも知れませんが、絵というのは天から降ってくるわけでもなければ、地から湧いてくるものでもありません。
画商が乏しい資金をやりくりして買って、初めて画廊の壁に並ぶわけです。
ですからレンタル・ギャラリー(貸し画廊)は画商ではありません。などと断言するとまたお叱りを受けそうですが、貸し画廊は発表場所を求める人たちに場所代を取ってスペースを貸しているわけで、美術商ではなく、不動産業と思えばいい。作品が売れようと売れまいと関係ないわけです。
ですから貸し画廊は絵を買いません。
これは決してけなしているのでもなければ、どちらがいいなどと言っているわけではありません。
商売の根本が違うわけで、同じ美術業界ではありますが、立ち位置がまったく違います。
端的にいえば、私たち画商は絵を買い、それをコレクターに売ってお金をいただく。
かたや貸し画廊さんは絵の売買に関係なく、作家からお金をいただいている。
つまり全く正反対の方向を向いて商売しているわけです。
私達画商が作家にお金を要求するなんてことはまったくといっていいほどありません。
こういう違いをはっきりさせないでいるから、日本の美術界が世界の七不思議になってしまうわけです。
さて、こんな貧乏画廊にもかかわらず、日々「買取はしているのか」とか「亡くなった親のコレクションを処分したい」などというご相談があります。
数点のときもあれば、千点をこえる大コレクションもある。
前置きはこのへんにして、1997年に東京では初めての個展をときの忘れもので開催し、2000年、2003年にも新作個展で次々と新しいシリーズを発表した小川信治の新着作品をご紹介します。
小川信治は、抜群の精緻な描写力で「世界」のイメージを多層的に交錯させる作品で注目を集めてきました。彼の「PERFECT WORLD」シリーズの一点です。

小川信治 Shinji OGAWA
「Perfect World より Perfect Crown」
2000年 油彩・キャンバス
12.1×17.2cm
サインあり
*作家サインのある桐箱入り
小川信治は一貫して、見慣れた情景を改変して、私たちが普段見ているものとは別の世界の可能性を探ってきました。油彩のみならず、鉛筆画や映像にも表現領域を広げています。
----------------------------------------
「アートは私にとって世界を認識していく作業だ。かつては何かを認識するのにいきなりアナログな実験をしていたが、今日でコンピュータによるシミュレーションがそれにとって変わっている。まず場を作り、環境を与え、計算させる。私の制作スタイルもそういったプロセスに似てるように思える。日々のくらしの中で不思議に思うことはたくさんある。いったいなぜなんだろう、と考えていくちに自分の体験に基づいた仮説らしきものがふと頭をよぎる。その仮説を検証していくことそのものがアート行為となってでてくる。小川信治の検証のやりかたはいまのところ3つある。
世界や存在の流動性を考えていくための手法…………………“WITHOUT YOU”
宇宙や世界の大きさや重なりを考えていくための手法………“PERFECT WORLD”
時間と空間など、次元のことを考えていくための手法………“CHAIN WORLD”などの映像作品」 2000.7.29 小川信治
----------------------------------------
今回ご紹介する作品を制作したころの小川自身の述懐です。

作品裏のシールとサイン

作家サイン入りの桐箱に入っています。
小川さんが若い頃「小磯良平よりうまくかけちゃう(笑)自分の腕をどうしたら現代美術で展開できるか悩んだ」とおっしゃっていたのを印象深く思い出します。
そしてたどり着いたのが、[WITHOUT YOU]シリーズと、[PERFECT WORLD]シリーズでした。
これらは、「私たちが信じて疑わないもの、普通だと確信しているものが既に異形のものへと変化し始めているという直観につき動かされて制作を始めた」と小川信治は言っています。
極めて伝統的な技法を用いながら、小川信治の精緻な描写力をもって初めて可能である大胆な試みをさまざまに展開し続けています。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
3月11日 ジョック・スタージス一日展~3.11を忘れない
3月17日、18日 「特別セール/靉嘔・瑛九・オノサトとデモクラートの作家たち」、出品リストはホームページに掲載しましたのでぜひご覧ください。
3月31日 大坂寛展レセプション
今週末10日までは「究極のポータブル・ミュージアム―60年代のN.Y.を駆けた30人のアーティスト“The New York Collection for Stockholm”」を開催していますが、先日の「館長募集」要綱を読んでいただけたでしょうか。
年齢、国籍、性別、学歴、経験など一切問いません。
われこそは究極の美術館の館長にとお思いの方のご応募をお待ちしています。
館長が決まらないと、私たち画商は生きていけない。
何人もの方からバラ(単品)でいただけないかとのお問合せをいただきましたが、30人揃っているから究極のポータブル・ミュージアムなので、どうぞご理解ください。
ところで画商というと皆さん「絵を売るお仕事」と思っていらっしゃるでしょうが、実は違います。
画商の本分は「絵を買う」ことにあります。
もっとも買ってばかりじゃ駄目で、買ったら売る、の繰り返しです。
皆さん、ご存知ないかも知れませんが、絵というのは天から降ってくるわけでもなければ、地から湧いてくるものでもありません。
画商が乏しい資金をやりくりして買って、初めて画廊の壁に並ぶわけです。
ですからレンタル・ギャラリー(貸し画廊)は画商ではありません。などと断言するとまたお叱りを受けそうですが、貸し画廊は発表場所を求める人たちに場所代を取ってスペースを貸しているわけで、美術商ではなく、不動産業と思えばいい。作品が売れようと売れまいと関係ないわけです。
ですから貸し画廊は絵を買いません。
これは決してけなしているのでもなければ、どちらがいいなどと言っているわけではありません。
商売の根本が違うわけで、同じ美術業界ではありますが、立ち位置がまったく違います。
端的にいえば、私たち画商は絵を買い、それをコレクターに売ってお金をいただく。
かたや貸し画廊さんは絵の売買に関係なく、作家からお金をいただいている。
つまり全く正反対の方向を向いて商売しているわけです。
私達画商が作家にお金を要求するなんてことはまったくといっていいほどありません。
こういう違いをはっきりさせないでいるから、日本の美術界が世界の七不思議になってしまうわけです。
さて、こんな貧乏画廊にもかかわらず、日々「買取はしているのか」とか「亡くなった親のコレクションを処分したい」などというご相談があります。
数点のときもあれば、千点をこえる大コレクションもある。
前置きはこのへんにして、1997年に東京では初めての個展をときの忘れもので開催し、2000年、2003年にも新作個展で次々と新しいシリーズを発表した小川信治の新着作品をご紹介します。
小川信治は、抜群の精緻な描写力で「世界」のイメージを多層的に交錯させる作品で注目を集めてきました。彼の「PERFECT WORLD」シリーズの一点です。

小川信治 Shinji OGAWA
「Perfect World より Perfect Crown」
2000年 油彩・キャンバス
12.1×17.2cm
サインあり
*作家サインのある桐箱入り
小川信治は一貫して、見慣れた情景を改変して、私たちが普段見ているものとは別の世界の可能性を探ってきました。油彩のみならず、鉛筆画や映像にも表現領域を広げています。
----------------------------------------
「アートは私にとって世界を認識していく作業だ。かつては何かを認識するのにいきなりアナログな実験をしていたが、今日でコンピュータによるシミュレーションがそれにとって変わっている。まず場を作り、環境を与え、計算させる。私の制作スタイルもそういったプロセスに似てるように思える。日々のくらしの中で不思議に思うことはたくさんある。いったいなぜなんだろう、と考えていくちに自分の体験に基づいた仮説らしきものがふと頭をよぎる。その仮説を検証していくことそのものがアート行為となってでてくる。小川信治の検証のやりかたはいまのところ3つある。
世界や存在の流動性を考えていくための手法…………………“WITHOUT YOU”
宇宙や世界の大きさや重なりを考えていくための手法………“PERFECT WORLD”
時間と空間など、次元のことを考えていくための手法………“CHAIN WORLD”などの映像作品」 2000.7.29 小川信治
----------------------------------------
今回ご紹介する作品を制作したころの小川自身の述懐です。

作品裏のシールとサイン

作家サイン入りの桐箱に入っています。
小川さんが若い頃「小磯良平よりうまくかけちゃう(笑)自分の腕をどうしたら現代美術で展開できるか悩んだ」とおっしゃっていたのを印象深く思い出します。
そしてたどり着いたのが、[WITHOUT YOU]シリーズと、[PERFECT WORLD]シリーズでした。
これらは、「私たちが信じて疑わないもの、普通だと確信しているものが既に異形のものへと変化し始めているという直観につき動かされて制作を始めた」と小川信治は言っています。
極めて伝統的な技法を用いながら、小川信治の精緻な描写力をもって初めて可能である大胆な試みをさまざまに展開し続けています。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
コメント