本日も「AKIRA GOMi 1972-2012 / 倉俣史朗&村上麗奈」展を開催中です。
今回の展示のモチーフは倉俣史朗と村上麗奈です。
倉俣作品については後日触れるとして、本日は村上麗奈の出品作品のうちのコンタクト・プリントについてご案内します。
五味先生が新しくプリントした作品とは別に、敢えて撮影直後のコンタクトプリントを展示しようと提案されたときには正直驚きました。
コンタクト・プリントを展示販売するのは、ときの忘れものでは初めてのことです。
村上麗奈は1988年からの僅か一年余、ＡＶ女優として34本のビデオに出演し、その美貌と肢体によって一世を風靡しました。彼女の写真集は萩原朔美も撮影していますが、無表情な五味彬撮影の写真から発せられるオーラはありません。
先日、＜ART KYOTO 2012＞で葉書大のコンタクト・プリント（べた焼き、密着印画）を今回の個展に先立って２点展示したのですが、他の大作に伍してときの忘れものブースでひときわ輝いていました。
最初にお買いになったのはわざわざ東京から来られたＳさん、２点目は京都きっての老舗の画廊さん、ちょっと感激しました。
写真には全く詳しくない亭主ですが、ウィキペディア（Wikipedia）に従って、今回のコンタクト・プリントについて若干ご報告します。
コンタクト・プリント（contact print）は、写真フィルムを印画紙に密着させて原寸プリントしたもの、またはそのための技法を指す。べた焼き、密着印画（みっちゃくいんが）などとも呼ばれる。
村上麗奈の撮影にはポラロイドが使われましたが、五味先生の使っていたカメラは４×５のポラロイド写真を引き剥がした後、ネガフィルムが出来るシステムでした。そのネガからのコンタクトプリントが今回の出品作品です。
密着印画を作成するには、通常の引き伸ばし機を用いる。引き伸ばし機のネガキャリアは空のまま、印画紙の上に現像済みのフィルムを直接載せて並べる。このとき、フィルムの反りを避け密着させるために上にガラス板を置く。フィルムと印画紙が密着しているため、厳密なピント合わせの必要はなく、印画紙全面に均一に光が当たるようにすれば十分である。露光後は通常のプリントと同じように現像から乾燥までの処理を行う。
今回の村上麗奈のコンタクト・プリントに白い汚れなどがあるのはガラス板に垂れた液や埃、ゴミなどによるものです。
要するに本焼きの前に、どのように写っているかを確認するためのものですから、色鉛筆でフィルムの番号が書き込まれていたり、五味先生の指紋がついたりと個々のコンディション（状態）には大きな差があります。
もともと「作品」として焼いたものではありませんが、それが20数年を経てみると、それぞれが一枚こっきりの「稀少なヴィンテージ・プリント」になってしまったという次第です。
（という説明で正しいのかしら、機械音痴の亭主の間違いがありましたらご教示ください）
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-6」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
14.2x10.8cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-7」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
13.8x10.8cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-9」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
13.2x10.4cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-11」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
10.4x13.1cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-13」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
11.4x14.4cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-15」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
12.2x10.4cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-18」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
12.9x10.9cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-23」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
12.9x9.8cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-24」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
13.2x10.4cm
Siged
五味彬
「村上麗奈 CP Vintage 1989-25」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
12.8x9.6cm
Siged
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■五味彬 Akira GOMI（1953-）
1953年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。
77年渡仏し、ローレンス・サックマン、ミッシェル・ベルトンに師事する。
83年帰国後、ファッション誌『流行通信』『エル・ジャポン』などを中心に活躍。
93年日本初のCD-ROM写真集『YELLOWS』を発表。その後、『YELLOWS2.0』『AMERICANS』『YELLOWS3.0』など00年までに14タイトルを発表。バンタンデザイン研究所で写真Webデザインを教える。
97年東京都写真美術館で《アウグスト・ザンダーと五味彬》展。
99年《YELLOWS RESTART》を発表。
97年DIGITALOGUE Gallery Tokyo（東京・原宿）で個展《YELLOWS Contemporary Girls Psycho Sexual》。2008年キャノンギャラリー（銀座、名古屋、梅田を巡回）にて個展《YELLOWS Return To Classic》、ときの忘れものにて個展《五味彬写真展 Yellows 1.0》。
09年ときの忘れものにて個展、GALLERY COSMOSで元アシスタントたちとのグループ展《Family Plots》。
◆ときの忘れものは2012年5月11日[金]―5月19日[土] 「AKIRA GOMi 1972-2012 / 倉俣史朗&村上麗奈」を開催しています。（＊会期中無休）
今回の展示のモチーフは倉俣史朗と村上麗奈です。
倉俣作品については後日触れるとして、本日は村上麗奈の出品作品のうちのコンタクト・プリントについてご案内します。
五味先生が新しくプリントした作品とは別に、敢えて撮影直後のコンタクトプリントを展示しようと提案されたときには正直驚きました。
コンタクト・プリントを展示販売するのは、ときの忘れものでは初めてのことです。
村上麗奈は1988年からの僅か一年余、ＡＶ女優として34本のビデオに出演し、その美貌と肢体によって一世を風靡しました。彼女の写真集は萩原朔美も撮影していますが、無表情な五味彬撮影の写真から発せられるオーラはありません。
先日、＜ART KYOTO 2012＞で葉書大のコンタクト・プリント（べた焼き、密着印画）を今回の個展に先立って２点展示したのですが、他の大作に伍してときの忘れものブースでひときわ輝いていました。
最初にお買いになったのはわざわざ東京から来られたＳさん、２点目は京都きっての老舗の画廊さん、ちょっと感激しました。
写真には全く詳しくない亭主ですが、ウィキペディア（Wikipedia）に従って、今回のコンタクト・プリントについて若干ご報告します。
コンタクト・プリント（contact print）は、写真フィルムを印画紙に密着させて原寸プリントしたもの、またはそのための技法を指す。べた焼き、密着印画（みっちゃくいんが）などとも呼ばれる。
村上麗奈の撮影にはポラロイドが使われましたが、五味先生の使っていたカメラは４×５のポラロイド写真を引き剥がした後、ネガフィルムが出来るシステムでした。そのネガからのコンタクトプリントが今回の出品作品です。
密着印画を作成するには、通常の引き伸ばし機を用いる。引き伸ばし機のネガキャリアは空のまま、印画紙の上に現像済みのフィルムを直接載せて並べる。このとき、フィルムの反りを避け密着させるために上にガラス板を置く。フィルムと印画紙が密着しているため、厳密なピント合わせの必要はなく、印画紙全面に均一に光が当たるようにすれば十分である。露光後は通常のプリントと同じように現像から乾燥までの処理を行う。
今回の村上麗奈のコンタクト・プリントに白い汚れなどがあるのはガラス板に垂れた液や埃、ゴミなどによるものです。
要するに本焼きの前に、どのように写っているかを確認するためのものですから、色鉛筆でフィルムの番号が書き込まれていたり、五味先生の指紋がついたりと個々のコンディション（状態）には大きな差があります。
もともと「作品」として焼いたものではありませんが、それが20数年を経てみると、それぞれが一枚こっきりの「稀少なヴィンテージ・プリント」になってしまったという次第です。
（という説明で正しいのかしら、機械音痴の亭主の間違いがありましたらご教示ください）
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-6」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
14.2x10.8cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-7」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
13.8x10.8cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-9」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
13.2x10.4cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-11」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
10.4x13.1cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-13」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
11.4x14.4cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-15」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
12.2x10.4cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-18」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
12.9x10.9cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-23」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
12.9x9.8cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-24」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
13.2x10.4cm
Siged
五味彬「村上麗奈 CP Vintage 1989-25」
1989
Vintage Gelatin Silver Print
12.8x9.6cm
Siged
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■五味彬 Akira GOMI（1953-）
1953年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。
77年渡仏し、ローレンス・サックマン、ミッシェル・ベルトンに師事する。
83年帰国後、ファッション誌『流行通信』『エル・ジャポン』などを中心に活躍。
93年日本初のCD-ROM写真集『YELLOWS』を発表。その後、『YELLOWS2.0』『AMERICANS』『YELLOWS3.0』など00年までに14タイトルを発表。バンタンデザイン研究所で写真Webデザインを教える。
97年東京都写真美術館で《アウグスト・ザンダーと五味彬》展。
99年《YELLOWS RESTART》を発表。
97年DIGITALOGUE Gallery Tokyo（東京・原宿）で個展《YELLOWS Contemporary Girls Psycho Sexual》。2008年キャノンギャラリー（銀座、名古屋、梅田を巡回）にて個展《YELLOWS Return To Classic》、ときの忘れものにて個展《五味彬写真展 Yellows 1.0》。
09年ときの忘れものにて個展、GALLERY COSMOSで元アシスタントたちとのグループ展《Family Plots》。
◆ときの忘れものは2012年5月11日[金]―5月19日[土] 「AKIRA GOMi 1972-2012 / 倉俣史朗&村上麗奈」を開催しています。（＊会期中無休）
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