明日5月29日[火]から6月9日[土]の会期で「光嶋裕介銅版画展―Landscape at Night」を開催します(会期中無休)。
光嶋さんの在廊時間
5.29(火)18:00-
6.1(金) 17:00-
6.5(火) 18:00-
6.6(水) 17:30-
6.7(木) 17:30-
6.9(土)最終日は、終日います!
光嶋さんからのメッセージをお読みください。
建築家である光嶋さんは、早稲田の石山修武研究室で学んだ後、ベルリンの設計事務所で修行。帰国後の2008年に光嶋裕介建築設計事務所を設立しました。2011年に処女作となる内田樹さん(思想家、武道家)の自宅兼合気道道場「凱風館」を設計し、一躍注目を集めます。
ときの忘れものには学生時代から来てらした。
古今東西、名建築は偉大な施主なしには成立しなかった。
建築家にとって若い頃に偉大な施主(パトロン)に出会えるかどうかが運命の分かれ目。
偉大とは「金持ち」という意味ではありません。
安藤忠雄先生の「住吉の長屋」の施主は極く普通の方です。後世、住吉の長屋はル・コルビュジエのサヴォア邸に匹敵する20世紀の偉大な建築として評価されるでしょう。そして施主の方も無名時代の安藤先生の力を見抜いた具眼のパトロンとして賞賛されるに違いない。
内田樹さん(https://twitter.com/#!/levinassien)は初対面の光嶋さんの「麻雀の負けっぷりが良かったから」と設計依頼の理由を語っていますが、真意は「若い人にチャンスを提供するというのは、年上の人間のたいせつな仕事ですから。」にあるに違いない。
光嶋さんの今後の活躍次第で、内田さんが歴史に残る偉大な施主(パトロン)になれるかどうかが決まってくる。
光嶋さん、がんばってくださいよ。
絵(作品)も同じです。
歴史に残る名作の陰には、それを選び、買うことによって支えた偉大なコレクター(パトロン)の存在があります。
コレクションが第二の創造といわれる所以です。
1974年靉嘔先生、オノサト・トシノブ先生の版画から始まった亭主の版元人生ですが、いままで1000点近い作品をエディションしてきました。なにせ作りすぎて在庫の山を築き倒産したくらいですので、売れないエディションばかりだった。
泣きたいほど売れなかったのが草間彌生先生の「Infinity Nets 1958」(レゾネNo.14,限定50部)。
あっという間に売れて驚いたのが靉嘔先生の「海原野」連作3点(レゾネNo.345~347,限定75部)。
両方の作品を買ってくださったのはただお一人、亭主の最初のパトロンだったF(故人)さんだけだった。
後世どんなに高い評価を得ようと、発表当時は「売れない」もんなんです。
ウォーホルの「KIKU」さえ、1983年に買ってくださったのは50数人に過ぎません(限定300部)。
昨年、光嶋さんが2008年からつくり続けてきた15点の銅版画を見たとき、久しぶりに胸が高鳴りました。
「名作は連作からしか生まれない」という亭主の信念からいっても、この作品はポートフォリオにして残したい。
単品なら3万円でどなたでも買えるけれど、16点組となると価格も高額になる(25万円)。
売れなかったら悲惨です。
もちろん当初売れないからといって駄作とはいえません、上記の草間先生の例を見ればよくおわかりになるでしょう。しかし、貧乏画廊の足元は揺らぐ。
売れるか、売れないか、30数年も版元やって、いまだにわからない。
今回の銅版画集(ポートフォリオ)は限定8部(他に単品販売用が限定20部)ですが、とにかく1セットでも事前予約が入ったら大成功と思っていました。
口の悪い同業者からは「ワタヌキさんも懲りずによくやるねえ、この版画の売れない時代に」と揶揄されました。
リスクの大きさは光嶋さんも感じていたようで、「注文来なかったら、親父に頼もうかと思っていた」(笑)。
おかげさまで、このブログを書いている時点で7部が予約になりました。
亭主の30数年の版元人生でも快挙の一つです。
光嶋さんの最初のパトロンになってくださった7名の予約者の皆さんには心より御礼を申し上げます。
●ギャラリー・トークのご案内
6月1日(金)18時より、光嶋裕介さんと伊熊泰子さん(芸術新潮編集者)によるギャラリートーク(要予約/参加費1,000円)を開催します。参加ご希望の方は電話またはメールにてお申込みください。ギャラリーが少し広くなったので若干の残席があります。
Tel. 03-3470-2631/Mail. info@tokinowasuremono.com
●レセプションのご案内
トーク終了後の1日19時よりレセプションを開催します。どなたでも参加できますが、18時~19時の間はギャラリートーク(予約制)のため、予約者以外の皆さんは19時以降にご来場ください。
展示はいつものように強力助っ人・浜田さんのディレクションです。






■『光嶋裕介銅版画集―Landscape at Night』
2012年 限定8部
各作品にサイン、タイトル、番号入り
タトウ入り16点組(銅版画15点 + 手彩色バージョン1点)
テキスト:内田樹
各作品のイメージサイズ:12.0x30.0cm(シートサイズ 27.0x39.5cm)
セット価格:262,500円(限定8部、税込み)。
■単品:会期中の特別価格31,500円(限定20部、額付、税込み)
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
カタログをご希望の方はメールにてお申し込みください(無料)。
■光嶋裕介 Yusuke KOSHIMA(1979-)
1979年米国ニュージャージー州に生まれる。87年に日本に帰国。以降、カナダ(トロント)、イギリス(マンチェスター)、東京で育ち、98年早稲田大学本庄高等学院を卒業。02年早稲田大学理工学部建築学科、04年同学校大学院修士課程建築学専攻(石山修武研究室)を卒業する。同年ドイツに渡り、08年までザウアブルッフ・ハットン・アーキテクツ(ベルリン)に勤務する。 08年帰国し、東京で光嶋裕介建築設計事務所を主宰。10年より桑沢デザイン研究所にて非常勤講師に就任。、11年から12年まで日本大学短期大学部にて非常勤講師を勤める。12年より首都大学東京にて助教授に就任。
*ほぼ日刊イトイ新聞に『みんなの家。』 を連載
*『芸術新潮』2011年5月号~連載:内田樹さんが「実践的すまいづくり論」を連載
*凱風館が「SD REVIEW 2011」に入選
光嶋さんの在廊時間5.29(火)18:00-
6.1(金) 17:00-
6.5(火) 18:00-
6.6(水) 17:30-
6.7(木) 17:30-
6.9(土)最終日は、終日います!
光嶋さんからのメッセージをお読みください。
建築家である光嶋さんは、早稲田の石山修武研究室で学んだ後、ベルリンの設計事務所で修行。帰国後の2008年に光嶋裕介建築設計事務所を設立しました。2011年に処女作となる内田樹さん(思想家、武道家)の自宅兼合気道道場「凱風館」を設計し、一躍注目を集めます。
ときの忘れものには学生時代から来てらした。
古今東西、名建築は偉大な施主なしには成立しなかった。
建築家にとって若い頃に偉大な施主(パトロン)に出会えるかどうかが運命の分かれ目。
偉大とは「金持ち」という意味ではありません。
安藤忠雄先生の「住吉の長屋」の施主は極く普通の方です。後世、住吉の長屋はル・コルビュジエのサヴォア邸に匹敵する20世紀の偉大な建築として評価されるでしょう。そして施主の方も無名時代の安藤先生の力を見抜いた具眼のパトロンとして賞賛されるに違いない。
内田樹さん(https://twitter.com/#!/levinassien)は初対面の光嶋さんの「麻雀の負けっぷりが良かったから」と設計依頼の理由を語っていますが、真意は「若い人にチャンスを提供するというのは、年上の人間のたいせつな仕事ですから。」にあるに違いない。
光嶋さんの今後の活躍次第で、内田さんが歴史に残る偉大な施主(パトロン)になれるかどうかが決まってくる。
光嶋さん、がんばってくださいよ。
絵(作品)も同じです。
歴史に残る名作の陰には、それを選び、買うことによって支えた偉大なコレクター(パトロン)の存在があります。
コレクションが第二の創造といわれる所以です。
1974年靉嘔先生、オノサト・トシノブ先生の版画から始まった亭主の版元人生ですが、いままで1000点近い作品をエディションしてきました。なにせ作りすぎて在庫の山を築き倒産したくらいですので、売れないエディションばかりだった。
泣きたいほど売れなかったのが草間彌生先生の「Infinity Nets 1958」(レゾネNo.14,限定50部)。
あっという間に売れて驚いたのが靉嘔先生の「海原野」連作3点(レゾネNo.345~347,限定75部)。
両方の作品を買ってくださったのはただお一人、亭主の最初のパトロンだったF(故人)さんだけだった。
後世どんなに高い評価を得ようと、発表当時は「売れない」もんなんです。
ウォーホルの「KIKU」さえ、1983年に買ってくださったのは50数人に過ぎません(限定300部)。
昨年、光嶋さんが2008年からつくり続けてきた15点の銅版画を見たとき、久しぶりに胸が高鳴りました。
「名作は連作からしか生まれない」という亭主の信念からいっても、この作品はポートフォリオにして残したい。
単品なら3万円でどなたでも買えるけれど、16点組となると価格も高額になる(25万円)。
売れなかったら悲惨です。
もちろん当初売れないからといって駄作とはいえません、上記の草間先生の例を見ればよくおわかりになるでしょう。しかし、貧乏画廊の足元は揺らぐ。
売れるか、売れないか、30数年も版元やって、いまだにわからない。
今回の銅版画集(ポートフォリオ)は限定8部(他に単品販売用が限定20部)ですが、とにかく1セットでも事前予約が入ったら大成功と思っていました。
口の悪い同業者からは「ワタヌキさんも懲りずによくやるねえ、この版画の売れない時代に」と揶揄されました。
リスクの大きさは光嶋さんも感じていたようで、「注文来なかったら、親父に頼もうかと思っていた」(笑)。
おかげさまで、このブログを書いている時点で7部が予約になりました。
亭主の30数年の版元人生でも快挙の一つです。
光嶋さんの最初のパトロンになってくださった7名の予約者の皆さんには心より御礼を申し上げます。
●ギャラリー・トークのご案内
6月1日(金)18時より、光嶋裕介さんと伊熊泰子さん(芸術新潮編集者)によるギャラリートーク(要予約/参加費1,000円)を開催します。参加ご希望の方は電話またはメールにてお申込みください。ギャラリーが少し広くなったので若干の残席があります。
Tel. 03-3470-2631/Mail. info@tokinowasuremono.com
●レセプションのご案内
トーク終了後の1日19時よりレセプションを開催します。どなたでも参加できますが、18時~19時の間はギャラリートーク(予約制)のため、予約者以外の皆さんは19時以降にご来場ください。
展示はいつものように強力助っ人・浜田さんのディレクションです。






■『光嶋裕介銅版画集―Landscape at Night』
2012年 限定8部
各作品にサイン、タイトル、番号入り
タトウ入り16点組(銅版画15点 + 手彩色バージョン1点)
テキスト:内田樹
各作品のイメージサイズ:12.0x30.0cm(シートサイズ 27.0x39.5cm)
セット価格:262,500円(限定8部、税込み)。
■単品:会期中の特別価格31,500円(限定20部、額付、税込み)
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
カタログをご希望の方はメールにてお申し込みください(無料)。
■光嶋裕介 Yusuke KOSHIMA(1979-)
1979年米国ニュージャージー州に生まれる。87年に日本に帰国。以降、カナダ(トロント)、イギリス(マンチェスター)、東京で育ち、98年早稲田大学本庄高等学院を卒業。02年早稲田大学理工学部建築学科、04年同学校大学院修士課程建築学専攻(石山修武研究室)を卒業する。同年ドイツに渡り、08年までザウアブルッフ・ハットン・アーキテクツ(ベルリン)に勤務する。 08年帰国し、東京で光嶋裕介建築設計事務所を主宰。10年より桑沢デザイン研究所にて非常勤講師に就任。、11年から12年まで日本大学短期大学部にて非常勤講師を勤める。12年より首都大学東京にて助教授に就任。
*ほぼ日刊イトイ新聞に『みんなの家。』 を連載
*『芸術新潮』2011年5月号~連載:内田樹さんが「実践的すまいづくり論」を連載
*凱風館が「SD REVIEW 2011」に入選
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