マイコレクション物語 第1回
ルドン作「光の横顔」の話 荒井由泰
「ときの忘れもの」の綿貫さんから私のコレクションについて、ブログに書いてみないかのお誘いを受けた。私のコレクションの中心は版画だが、最近、版画の人気が低迷していることもあり、版画そして版画蒐集の魅力について書くことは版画市場に少しは刺激になるかなと思い、筆を取ることにした。
綿貫さんとのお付き合いは40年近くにもなるが、私がニューヨークで商社マンとして仕事をしていた時に当時の版画センターにメクセペルの小品を注文したのが最初だったかと思う。その後、時にはコレクターとして、時には共同エディターとして、時には同志・友人として等々、親しくお付き合いをいただき、現在に至っている。そのことを語り出すと紙面がなくなるので、さっそく本論に入ることにしたい。
私のコレクションの原点はニューヨークで出会い、私の版画コレクションの師ともなったインテリ画廊主のアンディ・フィッチ(Andrew Fitch)氏(Fitch-Febvrel Gallery)にあるが、彼が一番熱心に扱い、プロモートしていたのがオディロン・ルドンであった。フィッチ氏のことは別の紙面に譲り、昨年偶然にも私のコレクションに加わったルドンの名作「光の横顔」に光を当てて、版画の複数性故の面白さや魅力に迫ってみたい。少しマニアックなアプローチだが、インターネット全盛の時代でもあり、関心を持っていただく方がいれば幸せだ。
オディロン・ルドン作「光の横顔」(Profil de Lumière)だが1886年に最初の単品作品として制作されたリトグラフである。暗闇のなかに頭巾をつけた女性が伏し目がちにおごそかにたたずむ姿は神秘的で美しい。私の大好きな作品である。バブルの時代にはとっても手が届く作品でなかったが、不景気のおかげで私のコレクションに加わった。
作品の詳細を述べるとイメージサイズ34.2x24cm シートサイズ 46x33cm(一部トリミングがあるようだ。MOMAのものより大きいが・・・)、シーン・アップリケといわれているが、薄いチャイナ紙に摺られ、台紙に貼り付けてある。イメージの左下部分の台紙にタイトルと限定部数の記載(PROFIL DE LUMIÈRE, á 50 Exemplaires)があり、イメージの右下すぐの台紙部分には摺り工房名(Imp. Lemercier et Cie, Paris)が書かれている。また、作品の頭巾部分に鉛筆による署名(ODILON REDON)がある。メルリオが著したカタログレゾネによれば、第2版であり、50部限定で1986年にデュモン社から出版されたようだ。では初版は?ということになる。レゾネには初版の写真が掲載されているが、この作品との違いは頭部の部分に蝶のような白っぽい汚れがあり、摺りも50部限定に比べ、荒れている感じだ。(直接見ていないので正確には分からないが)レゾネでは初版は流通してないとある。しかし、オークションや画廊で初版といわれる作品と同じく頭部に白い汚れがある作品をしばしば見かける。レゾネでは石版は消去(キャンセル)されたとされているので、謎が広がる。まずカタログレゾネだが、どんな作家のレゾネでもすべてが正しいとは限らない。抜けている作品があるとか、限定部数が異なっているとかは日常茶飯事だ。レゾネの記載事項は少し疑ってかかる方が賢明だ。あくまで参考と考えよう。
最近はインターネット時代で、版画もネットで販売されるし、また、世界の有名美術館は版画に至るまで所蔵作品をホームページに掲載してくれる時代となっている。日本では岐阜県立美術館が昭和57年頃、安宅コレクションをまとめて購入したこともあり、最大のルドンコレクションを誇っている。ネットでコレクションも公開されている。世界を見渡すと、シカゴ美術館(AIC)のルドンコレクションは充実している。ルドン夫人に残された作品を一括してコレクションされた経緯があり、信頼性が高い。シカゴ美術館を含め、大英博物館、ニューヨーク近代美術館(MOMA)、フランス国立図書館にもルドン作品が納まっており、版画も含めネット上にコレクションが公開されている。
今回、ネット上に公開されている「光の横顔」の写真を取り込み、入念に比較・研究してみたが、版画コレクションの新しい楽しみ方、また面白みにつながるアプローチように感じた。その結果で判明したことを記してみたい。
①第2版といわれる50部限定作品が基準作品として扱われている。(同じイメージの木炭画が残されているが、当然、頭巾の上の部分には白い汚れはない)
②第2版でも頭巾部分にサインが入っている作品と入っていない作品がある。
③メルリオでは初版とされる作品と同じ図柄で有名な刷師クロ(Clot)刷りとフラピエ版(Edmond Frapier オークション情報では50部限定のほかにフラピエによってリプリントされたとある)が存在しており、限定部数は分からぬがけっこう流通している。
ルドンは転写紙を使ってリトグラフを作ることをファンタン=ラトゥールから学んだようだが、自由に描けることや書きためた木炭画を複製しやすいことから、たいへん気に入って、もっぱら転写紙を使ってのリトグラフ制作に専念した。転写紙を使用することは、石に直接描くより簡単と思っていたが、技法書を読むと決して簡単でなく木炭画の黒をしっかり石版に写すには刷り工房職人とのコラボが必須であり、ルドンは職人とともに相当努力したようだ。あとは私の推測だが、本来の初版はシカゴ美術館にある作品(サインがあることで推測できる:写真参照)で、頭部の汚れも含め、職人とともに修正をして仕上げた作品がデュモン社でエディションされた50部の作品であり、基準作品となっている。版はその時キャンセルされずに、職人によって修正された部分が前の状態に戻り、黒の部分も少し荒れ、さらに頭部に白い蝶の形が残ったのではないだろうか。この点フィッチ氏に聞いたところ、クロは正式な形でなくルドンの作品を残しており、「光の横顔」についても初期の版を使い、何らかの技法で版を作ったのではとのことだった。なお、クロに刷られたものはシン・ボラントと言われる紙に摺られている。クロ刷りとフラピエ版の関係については今後もう少し調べてみたい。第2版の50部限定作品については、最近では2001年にニューヨークのスワンギャラリーオークションに出品の記録が残っているが、それ以外の記録は見つからない。(フィッチ氏情報では2003年にドイツのオークションに出品されたとのこと)とにかく、市場にはあまりでない稀少品であることは確かだ。参考として各美術館から入手した写真を掲載するので、自分で見比べていただきたい。
以上のような物語を頭に入れながら、「光の横顔」を見ていただくと、版画の魅力の新たな一面を発見していただけるのではと期待している。現在、福井市のE&Cギャラリーで「人物博覧会」(ルドンから舟越まで:A氏コレクションより)のメイン作品として展示をしているので、お近くの方はご覧いただければ幸いである。
(あらいよしやす)

オディロン・ルドン
「光の横顔」
初版?
署名あり
シカゴ美術館所蔵

オディロン・ルドン
「光の横顔」
フラピエ摺り?

オディオン・ルドン
「光の横顔」
第2版
署名あり

オディオン・ルドン
「光の横顔」
第2版 1986
頭巾に署名
Image 34.2x24.0cm
Sheet 46.0x33.0cm
Ed.50
摺り工房名:Imp. Lemercier et Cie, Paris
出版社:デュモン社
荒井コレクション

オディオン・ルドン
「光の横顔」
頭巾に署名
大英博物館所蔵

オディオン・ルドン
「光の横顔」
頭巾に署名なし
フランス国立図書館
*画廊亭主敬白
亭主の「同志・友人」である荒井由泰さんの新連載の開始です。
先日、メールアート展についてご執筆いただいた中村惠一さんとも古いが、荒井さんとはもっと古い。このブログにも何度も登場し、文章も書いていただいています(小野隆生展)。
福井大学の先生や学生によって運営されているE&Cギャラリーで荒井コレクション展が開催されますのでお近くの方、ぜひご覧ください。


人物博覧会I:ルドンから舟越まで A氏コレクションより
会場:E&Cギャラリー
〒910-0006 福井県 福井市 中央1-20-25 三井ビル3F
TEL/FAX:0776-27-0207
会期:2012年6月20日(水)〜7月1日(日)12時~19時
休廊日:月曜日・火曜日
出品作品:エデュアール・マネ、オディロン・ルドン、アンドレ・マッソン、アルベルト・ジャコメッティ、フィリップ・モーリッツ、エリック・デマジエール、長谷川潔、藤森静雄、国吉康雄、谷中安規 、浜田知明、駒井哲郎、池田満寿夫、日和崎尊夫、舟越桂
2012年6月23日(土)
アーティストトーク│15:00〜16:30│
レセプション│17:00〜19:00│
視覚芸術表現において、いつの時代も「人物」は重要な主題でした。
「人物博覧会」と題した本企画展では、人物をモチーフとした珠玉の小品を2期に分けて展示します。
第一弾となる今回は、版画作品28点で構成。
オディロン・ルドンから舟越桂まで、多彩な作品で人物表現の多様性とその魅力に迫ります。
(同ギャラリーHPより引用)
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はるか昔、北荘画会を結成した土岡秀太郎は昭和初年に福井駅前にアルト会館をつくり、多くの作家を招き展覧会や講演会を開きました。戦前、福井は日本の前衛美術の一大拠点でした。
1950年代にも瑛九に鼓舞された福井の人たち(後に瑛九の会を結成)は熱心に版画の普及に取り組みました。
いわば現代版画の先進地である福井に誕生したE&Cギャラリーでは、亭主もレクチャーをさせていただきました。そのときもやはり荒井さんのコレクションによる駒井哲郎展でした。
福井にお出かけの機会があればぜひお立ち寄りください。
せっかくですから、オディロン・ルドンのリトグラフをご紹介しましょう。
オディロン・ルドン
《女神の横顔》
1885
リトグラフ
27.6x21.7cm
■オディロン・ルドン
Odilon Redon (1840-1916)
ボルドー生まれのフランスの画家で象徴主義運動の中心的存在。50才までは木炭画やリトグラフでの幻想的なモノトーン作品が中心。以後はカラフルな油彩やパステルで花や幻想的な風景を多く描き、独自の世界を作り上げた。
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ルドン作「光の横顔」の話 荒井由泰
「ときの忘れもの」の綿貫さんから私のコレクションについて、ブログに書いてみないかのお誘いを受けた。私のコレクションの中心は版画だが、最近、版画の人気が低迷していることもあり、版画そして版画蒐集の魅力について書くことは版画市場に少しは刺激になるかなと思い、筆を取ることにした。
綿貫さんとのお付き合いは40年近くにもなるが、私がニューヨークで商社マンとして仕事をしていた時に当時の版画センターにメクセペルの小品を注文したのが最初だったかと思う。その後、時にはコレクターとして、時には共同エディターとして、時には同志・友人として等々、親しくお付き合いをいただき、現在に至っている。そのことを語り出すと紙面がなくなるので、さっそく本論に入ることにしたい。
私のコレクションの原点はニューヨークで出会い、私の版画コレクションの師ともなったインテリ画廊主のアンディ・フィッチ(Andrew Fitch)氏(Fitch-Febvrel Gallery)にあるが、彼が一番熱心に扱い、プロモートしていたのがオディロン・ルドンであった。フィッチ氏のことは別の紙面に譲り、昨年偶然にも私のコレクションに加わったルドンの名作「光の横顔」に光を当てて、版画の複数性故の面白さや魅力に迫ってみたい。少しマニアックなアプローチだが、インターネット全盛の時代でもあり、関心を持っていただく方がいれば幸せだ。
オディロン・ルドン作「光の横顔」(Profil de Lumière)だが1886年に最初の単品作品として制作されたリトグラフである。暗闇のなかに頭巾をつけた女性が伏し目がちにおごそかにたたずむ姿は神秘的で美しい。私の大好きな作品である。バブルの時代にはとっても手が届く作品でなかったが、不景気のおかげで私のコレクションに加わった。
作品の詳細を述べるとイメージサイズ34.2x24cm シートサイズ 46x33cm(一部トリミングがあるようだ。MOMAのものより大きいが・・・)、シーン・アップリケといわれているが、薄いチャイナ紙に摺られ、台紙に貼り付けてある。イメージの左下部分の台紙にタイトルと限定部数の記載(PROFIL DE LUMIÈRE, á 50 Exemplaires)があり、イメージの右下すぐの台紙部分には摺り工房名(Imp. Lemercier et Cie, Paris)が書かれている。また、作品の頭巾部分に鉛筆による署名(ODILON REDON)がある。メルリオが著したカタログレゾネによれば、第2版であり、50部限定で1986年にデュモン社から出版されたようだ。では初版は?ということになる。レゾネには初版の写真が掲載されているが、この作品との違いは頭部の部分に蝶のような白っぽい汚れがあり、摺りも50部限定に比べ、荒れている感じだ。(直接見ていないので正確には分からないが)レゾネでは初版は流通してないとある。しかし、オークションや画廊で初版といわれる作品と同じく頭部に白い汚れがある作品をしばしば見かける。レゾネでは石版は消去(キャンセル)されたとされているので、謎が広がる。まずカタログレゾネだが、どんな作家のレゾネでもすべてが正しいとは限らない。抜けている作品があるとか、限定部数が異なっているとかは日常茶飯事だ。レゾネの記載事項は少し疑ってかかる方が賢明だ。あくまで参考と考えよう。
最近はインターネット時代で、版画もネットで販売されるし、また、世界の有名美術館は版画に至るまで所蔵作品をホームページに掲載してくれる時代となっている。日本では岐阜県立美術館が昭和57年頃、安宅コレクションをまとめて購入したこともあり、最大のルドンコレクションを誇っている。ネットでコレクションも公開されている。世界を見渡すと、シカゴ美術館(AIC)のルドンコレクションは充実している。ルドン夫人に残された作品を一括してコレクションされた経緯があり、信頼性が高い。シカゴ美術館を含め、大英博物館、ニューヨーク近代美術館(MOMA)、フランス国立図書館にもルドン作品が納まっており、版画も含めネット上にコレクションが公開されている。
今回、ネット上に公開されている「光の横顔」の写真を取り込み、入念に比較・研究してみたが、版画コレクションの新しい楽しみ方、また面白みにつながるアプローチように感じた。その結果で判明したことを記してみたい。
①第2版といわれる50部限定作品が基準作品として扱われている。(同じイメージの木炭画が残されているが、当然、頭巾の上の部分には白い汚れはない)
②第2版でも頭巾部分にサインが入っている作品と入っていない作品がある。
③メルリオでは初版とされる作品と同じ図柄で有名な刷師クロ(Clot)刷りとフラピエ版(Edmond Frapier オークション情報では50部限定のほかにフラピエによってリプリントされたとある)が存在しており、限定部数は分からぬがけっこう流通している。
ルドンは転写紙を使ってリトグラフを作ることをファンタン=ラトゥールから学んだようだが、自由に描けることや書きためた木炭画を複製しやすいことから、たいへん気に入って、もっぱら転写紙を使ってのリトグラフ制作に専念した。転写紙を使用することは、石に直接描くより簡単と思っていたが、技法書を読むと決して簡単でなく木炭画の黒をしっかり石版に写すには刷り工房職人とのコラボが必須であり、ルドンは職人とともに相当努力したようだ。あとは私の推測だが、本来の初版はシカゴ美術館にある作品(サインがあることで推測できる:写真参照)で、頭部の汚れも含め、職人とともに修正をして仕上げた作品がデュモン社でエディションされた50部の作品であり、基準作品となっている。版はその時キャンセルされずに、職人によって修正された部分が前の状態に戻り、黒の部分も少し荒れ、さらに頭部に白い蝶の形が残ったのではないだろうか。この点フィッチ氏に聞いたところ、クロは正式な形でなくルドンの作品を残しており、「光の横顔」についても初期の版を使い、何らかの技法で版を作ったのではとのことだった。なお、クロに刷られたものはシン・ボラントと言われる紙に摺られている。クロ刷りとフラピエ版の関係については今後もう少し調べてみたい。第2版の50部限定作品については、最近では2001年にニューヨークのスワンギャラリーオークションに出品の記録が残っているが、それ以外の記録は見つからない。(フィッチ氏情報では2003年にドイツのオークションに出品されたとのこと)とにかく、市場にはあまりでない稀少品であることは確かだ。参考として各美術館から入手した写真を掲載するので、自分で見比べていただきたい。
以上のような物語を頭に入れながら、「光の横顔」を見ていただくと、版画の魅力の新たな一面を発見していただけるのではと期待している。現在、福井市のE&Cギャラリーで「人物博覧会」(ルドンから舟越まで:A氏コレクションより)のメイン作品として展示をしているので、お近くの方はご覧いただければ幸いである。
(あらいよしやす)

オディロン・ルドン
「光の横顔」
初版?
署名あり
シカゴ美術館所蔵

オディロン・ルドン
「光の横顔」
フラピエ摺り?

オディオン・ルドン
「光の横顔」
第2版
署名あり

オディオン・ルドン
「光の横顔」
第2版 1986
頭巾に署名
Image 34.2x24.0cm
Sheet 46.0x33.0cm
Ed.50
摺り工房名:Imp. Lemercier et Cie, Paris
出版社:デュモン社
荒井コレクション

オディオン・ルドン
「光の横顔」
頭巾に署名
大英博物館所蔵

オディオン・ルドン
「光の横顔」
頭巾に署名なし
フランス国立図書館
*画廊亭主敬白
亭主の「同志・友人」である荒井由泰さんの新連載の開始です。
先日、メールアート展についてご執筆いただいた中村惠一さんとも古いが、荒井さんとはもっと古い。このブログにも何度も登場し、文章も書いていただいています(小野隆生展)。
福井大学の先生や学生によって運営されているE&Cギャラリーで荒井コレクション展が開催されますのでお近くの方、ぜひご覧ください。


人物博覧会I:ルドンから舟越まで A氏コレクションより
会場:E&Cギャラリー
〒910-0006 福井県 福井市 中央1-20-25 三井ビル3F
TEL/FAX:0776-27-0207
会期:2012年6月20日(水)〜7月1日(日)12時~19時
休廊日:月曜日・火曜日
出品作品:エデュアール・マネ、オディロン・ルドン、アンドレ・マッソン、アルベルト・ジャコメッティ、フィリップ・モーリッツ、エリック・デマジエール、長谷川潔、藤森静雄、国吉康雄、谷中安規 、浜田知明、駒井哲郎、池田満寿夫、日和崎尊夫、舟越桂
2012年6月23日(土)
アーティストトーク│15:00〜16:30│
レセプション│17:00〜19:00│
視覚芸術表現において、いつの時代も「人物」は重要な主題でした。
「人物博覧会」と題した本企画展では、人物をモチーフとした珠玉の小品を2期に分けて展示します。
第一弾となる今回は、版画作品28点で構成。
オディロン・ルドンから舟越桂まで、多彩な作品で人物表現の多様性とその魅力に迫ります。
(同ギャラリーHPより引用)
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はるか昔、北荘画会を結成した土岡秀太郎は昭和初年に福井駅前にアルト会館をつくり、多くの作家を招き展覧会や講演会を開きました。戦前、福井は日本の前衛美術の一大拠点でした。
1950年代にも瑛九に鼓舞された福井の人たち(後に瑛九の会を結成)は熱心に版画の普及に取り組みました。
いわば現代版画の先進地である福井に誕生したE&Cギャラリーでは、亭主もレクチャーをさせていただきました。そのときもやはり荒井さんのコレクションによる駒井哲郎展でした。
福井にお出かけの機会があればぜひお立ち寄りください。
せっかくですから、オディロン・ルドンのリトグラフをご紹介しましょう。
オディロン・ルドン《女神の横顔》
1885
リトグラフ
27.6x21.7cm
■オディロン・ルドン
Odilon Redon (1840-1916)
ボルドー生まれのフランスの画家で象徴主義運動の中心的存在。50才までは木炭画やリトグラフでの幻想的なモノトーン作品が中心。以後はカラフルな油彩やパステルで花や幻想的な風景を多く描き、独自の世界を作り上げた。
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