昨日と今日(月曜)、画廊は久しぶりにお休みです。
がしかし、亭主は早稲田大学の石山修武研究室で次次回企画「具体 Gコレクションより」の打ち合わせ。
なかなか休みがとれません。

約一ヶ月続いた「松本竣介展」が19日に終わりました。
最終日、最後のお客様は福岡県からいらした女性でした。
亭主は毎日毎日、来廊されたお客様と竣介の作品をあきず眺め、実に幸せな日々でした。
全国から来場された皆さん、大枚はたいて作品をお買い上げいただいたお客様に心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

思えば、昨2012年4月14日盛岡の岩手県立美術館から始まった巡回企画「生誕100年 松本竣介展」の初日オープニングに植田実先生と出席し、葉山、宮城、島根を経て、最後の世田谷美術館には初日大雪の最終日(1月14日)にも伺い、竣介の作品を見続けた9ヶ月間でした。
5美術館を巡回した大回顧展は50ヶ所もの美術館、機関、個人所蔵家から作品を借用したとのこと。これからの返却作業はたいへんでしょうね。
3.11の影響で開催すら危ぶまれた中で空前の規模の展覧会実現に尽力された各館の担当学芸員のご尽力に、竣介ファンとして深甚なる敬意を表します。

ブログにも書きましたが、亭主の竣介体験は1970年代初頭、鎌倉の神奈川県立近代美術館にあった松本竣介記念室での「立てる像」との出会いでした。
先日来廊された館長の水沢勉先生に伺うと、水沢先生が勤めはじめたときは既に記念室はなかったとのこと、またあった時代でもいつも開いていたわけではなかったらしい。ではなぜ一般の客に過ぎない亭主がそんな部屋に迷い込むことができたのか、なんだか謎めいています。

話は変わって日本の代表的な繁華街銀座のビルを海外の建築家が設計するようになって今までにないスタイルのビルがずいぶんと増えました。
2004年にオープンしたシャネル銀座ビルディングもその一つ、設計はNYのピーター・マリノPeter Marino
その4階にあるシャネル・ネクサス・ホールでアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展が開催されています。
ブレッソン
アンリ カルティエ=ブレッソン
こころの眼 L'Imaginaire d'après nature

会期/2013年1月18日(金)~2月10日(日)
12:00~20:00 会期中無休
会場/シャネル・ネクサス・ホール
東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
入場料/無料
問い合わせ先/シャネル・ネクサス・ホール事務局 
tel. 03-3779-4001
http://www.chanel-ginza.com/nexushall/

「私にとってカメラは、スケッチブックであり、直観と自発性の操る道具であり、そして視覚的な意味において、質問を投げかけると同時に決定をくだす、瞬間の支配者である。」

1947年ロバート キャパらとともに国際写真家集団「マグナム・フォト」を設立したフランスの写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン は、写真をルポルタージュ技術からひとつの芸術へと昇華させていった巨人の一人。
今回の展覧会は代表作54点で構成、20世紀を代表する写真家のエッセンスを堪能できます。
「決定的瞬間」という言葉は彼の写真集のタイトルのみならず、写真そのものの可能性を示す言葉ともなっています。
ときの忘れものの次回の銀塩写真の魅力 IV展」(2月8日―2月16日)にも数点出品しますので、合わせてご覧いただければ幸いです。

アンリ・カルティエ=ブレッソン
フランス、セーヌ エ マルヌ県シャントルーで生まれ、ごく若い頃はシュルレアリズムを中心とする絵画に強い関心を持ちました。アフリカ象牙海岸に1年滞在後の1932年、その後も愛用することとなるライカカメラとの出会いをきっかけに、生涯続く写真への情熱を抱き始めます。
1933年にはニューヨークのジュリアン・レヴィ・ギャラリーで初の個展を開催。その後、ジャン ルノアールの映画の仕事にも参加しています。
1940年には大戦の捕虜となるも1943年、3度目の試みで脱走に成功し、その後は囚人や脱走兵を支援する地下組織に加わりました。1945年には、ジャーナリスト集団の一員としてパリ解放をカメラに収めたほか、ドキュメンタリー映画『帰還』を撮影しました。
1947年、ロバート キャパ、ジョージ ロジャー、デビッド シム シーモア、ウィリアム ヴァンディヴァートとともに、マグナム・フォトを設立。その後3年間にわたり東洋を旅した後、1952年にヨーロッパに戻り、初の写真集となる『決定的瞬間』(フランス語版原題「逃げ去るイメージ」)を出版します。
1968年以降は写真家としての活動を減らし、デッサンや油絵に力を注ぐようになりました。
2003年には、自身の作品の管理を目的とした「アンリ カルティエ=ブレッソン財団」を、妻と娘とともにパリで設立。受賞歴も多く、数え切れないほどの表彰や名誉博士号を授与されています。
2004年8月3日、96歳の誕生日の数週間前に、プロヴァンスの自宅で永眠。

◆ときの忘れものは、2013年2月8日[金]―2月16日[土]「銀塩写真の魅力 IV展」を開催します。
魔方陣
銀塩写真のモノクロームプリントの持つ豊かな表現力と創造性をご覧いただくシリーズも4回目を迎えました。
本展では、北井一夫、五味彬、植田正治、大竹昭子、細江英公、佐藤理、エドワード・スタイケン、ジョック・スタージス、ロベール・ドアノー、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ロバート・メープルソープ、ウィン・バロックらのモノクローム作品約20点をご覧いただきます。

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『松本竣介展』図録
価格:800円(税込、送料無料)

執筆:植田実、16頁、図版30点、略歴
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