昨日から肌寒いですね。
でも今日はお天気はいいようです、12時から開廊、「野田英夫・北川民次・国吉康雄展~太平洋に架けた夢」を開催していますので、どうぞお出かけください。

フェイスブックの発信の仕方がいまいちよくわからないのですが、それでもお友達リクエストをいただくと嬉しい。
つい最近もTさんという方とお友達になり、メッセージに「承認頂き、有難うございました。他の画廊には見られない企画で、楽しませて頂いております。今後共よろしくお願い致します。」とありました。
これって嬉しいんですが、「お前のところは相当ずれてるぞ」と言われているような気もします(笑)。
まあそれは覚悟の上ですが、ただいま開催中の「野田英夫・北川民次・国吉康雄展~太平洋に架けた夢」では日本とアメリカの間を往来し、日米の架け橋となった3人の作家の作品をご紹介しています。

今から105年前、1908年(明治41)7月15日、アメリカ・カルフォルニア州サンタクララで日系アメリカ市民の子として野田英夫が生れました。
日本とアメリカを往復し、自分の周辺の人々や風景を哀歓に満ちた筆致で描きだしましたが、脳腫瘍のため1939年1月僅か30歳で死去します。
ゆかりの熊本の県立美術館では幾度か回顧展が開催されていますが、一昨年4月ときの忘れものでは「野田英夫遺作展―漂泊と望郷の画家」を開催することができました。
3.11の東日本大震災から一ヶ月後の開催とあって苦戦しましたが、ときどき出品作を取り出してはその素晴らしさに感動をあらたにしています。
野田英夫の作家と作品については「大谷省吾のエッセイ」をお読みください。

本展での野田英夫作品をご紹介します。
5_野田英夫600野田英夫
「風景」
紙に油彩・ペン
24.0x33.3cm
※1979年の熊本県立美術館「野田英夫展」出品作品

曇り空の下に広がる穏やかな風景。
紙に油絵具で描いた筆致から、どこか風が吹いているようにも感じます。
それほど大きくはない画面ですが、この作品の前に立つと、何もせずにただじっと眺めていたくなる「自然」と同じような力で、画面の前に引きとめられてしまいます。

2_野田英夫600野田英夫
「作品 2」
紙に水彩
25.4x30.9cm

甲板を掃除する水兵たちの様子を描いた一場面。
細部は描かれておらず、細い線とコントラストの強弱のみで表現しています。それにも関わらず、水兵の動きやホースから飛び出す水の勢いまで感じさせます。
一瞬の風景を切り取り画面に閉じ込めているにも関わらず、野田が描く絵にはいつも静かな時が流れており、見る者の心をふっと和ませてくれます。

◆この他の出品作品は下記の通りです。
7_野田英夫600出品No.3)
野田英夫
「東京植物園写生」
1936年
紙にクレパス
22.7x28.2cm
サインあり
※1979年の熊本県立美術館「野田英夫展」出品作品

noda_04_1104_4出品No.4)
野田英夫
「作品 4」
紙にペン
33.7x26.3cm

noda_08_1104_8出品No.5)
野田英夫
「作品 8」
方眼紙にペン
12.9x9.1cm

noda_11_1104_11出品No.6)
野田英夫
「作品 11」
紙にペン
21.4x15.4cm

noda_14_1104_14出品No.7)
野田英夫
「作品 14」
紙にペン
21.3x17.0cm

noda_15_1104_15出品No.8)
野田英夫
「作品 15」
紙に鉛筆
21.4x16.8cm

noda_17_1104_17出品No.9)
野田英夫
「作品 17」
紙にペン
17.3x21.3cm

noda_21_1104_21出品No.10)
野田英夫
「作品 21」
紙にペン
16.8x23.3cm

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◆ときの忘れものでは、2013年4月19日[金]―4月27日[土]「野田英夫・北川民次・国吉康雄展~太平洋に架けた夢」を開催しています(※会期中無休)。
野田北川国吉展太平洋を往来し、アメリカの新天地で芸術家として自己を形成していった野田英夫・北川民次・国吉康雄の油彩、素描、版画など25点を出品します。

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◆カタログのご案内
『松本竣介展』図録 表紙『松本竣介展』図録
2012年 ときの忘れもの 発行
15ページ 25.6x18.1cm
執筆:植田実、図版:30点、略歴
価格:800円(税込)
※お申し込みはコチラから。