亭主はこのところめっきり記憶力が衰えてしまい、特に「美人の顔を忘れる」という緊急事態に陥っております。
先日も第23回瑛九展に遠路(宮崎から!)いらして下さったAさんに気づかず(カタログを3冊もお買い上げくださったのに)、たいへん失礼してしまいました。
お帰りになった後に芳名簿のお名前を見てあわてて追いかけたのですがとき既に遅し。
前回いらしてくださったときは、亭主に無理やりつき合わされお酒まで一緒に飲んだ仲なのに・・・・
Aさん、ほんとうに失礼しました。
それにしても先日(5月31日)の梅津元さん(埼玉県立近代美術館主任学芸員/芸術学)による瑛九展ギャラリートーク、参加者は圧倒的に女性でした。
それは瑛九だからなのか、講師が梅津さんだからなのか、はて。。。
どちらにせよ、日本の未来を担う若い女性たちが瑛九に注目してくださることはたいへん嬉しい。
一昨2011年に宮崎、埼玉、うらわの3美術館を巡回した「生誕100年記念 瑛九展」は、初めての巡回展であり、今までで最も大規模な回顧展でした。
さすがにもう暫くは瑛九展は美術館ではないだろうと思っていたのですが、あにはからんや、今年も下記のような瑛九展が開催されます。
亭主はある雑誌に「瑛九ほど、学芸員に愛されている画家はいないのではないか」と書いたことがありますが、没後僅か一ヶ月で、国立近代美術館が遺作展示をして以後、今にいたるまで毎年のように全国どこかの美術館で瑛九関連展が開催されています。
これほど頻繁に美術館で開催されているから、きっと入場者も多いのだろうと思うと、これが間違い。シャガールやウォーホルみたいな大人数を動員できるわけではない。
1997年に埼玉県立近代美術館で開催された「 光の化石―瑛九とフォトグラムの世界展」は瑛九研究のターニングポイントともなった画期的な展覧会だったのですが、それを企画担当した梅津元さんによると「記録的な不入り」だったらしい。
それでも学芸員たちは熱心に瑛九の展覧会を企画する。
まことに稀有な例で、こんな作家はほかにいないでしょう。
瑛九もって瞑すべし。
「瑛九:紙の上の仕事」
和歌山県立近代美術館
会期:2013年6月8日(土)~9月1日

瑛九(えいきゅう/1911−1960)は、本名を杉田秀夫といい、現在の宮崎市に生まれました。10代半ばに上京すると、早くも美術雑誌に批評を発表し始める早熟な少年でした。批評だけにとどまらず、1920年代半ばからは、油絵や写真の制作など、作家活動を始めます。1936(昭和11)年には、「フォト・デッサン」と名付けた、印画紙を使った作品の独創性が認められ、美術界にデビューしました。「瑛九」という変わった名前を使い始めるのもこの時からです。
戦後は、エッチングやリトグラフといった版画の制作にも手を広げ、前衛性を持った独特の幻想世界を作り出し、熱意あふれる理論家的性格も相まって、他の作家に強い影響を与えました。特に関西在住の作家が多数参加した「デモクラート美術家協会」での活動は、関西の戦後美術を考える上でも重要な意味をもっています。病気のため48歳で早世しますが、油絵、版画、写真と、ジャンルを問わずに展開した多彩な創造の世界は、他に類のないものです。
今回の展覧会では、作者にとって重要な表現手法であった、版画や写真などの紙作品を、戦後のものを中心に紹介します。紙の上で繰り広げられた、非常に濃密で不思議な造形世界を、どうぞお楽しみください。(同館HPより)
●講演会「瑛九版画の魅力 −制作者の視点から−」
講師:田島直樹(筑波大学芸術系准教授、版画家)
7月21日[日]*14時から、2階ホールにて
(13時30分開場、先着120名、聴講無料)
●フロア・レクチャー(学芸員による展示解説)
7月14日[日]、7月15日[月・海の日]
*14時から、展示室にて(要観覧券)
関西方面の方、どうぞお出かけください。
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●瑛九展カタログのご案内
『第23回 瑛九展』図録
執筆:大谷省吾(東京国立近代美術館主任研究員)
図版:約30点掲載
カラー 24ページ
25.6x18.1cm(B5判)
価格:800円(税込)
※送料別途250円
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
先日も第23回瑛九展に遠路(宮崎から!)いらして下さったAさんに気づかず(カタログを3冊もお買い上げくださったのに)、たいへん失礼してしまいました。
お帰りになった後に芳名簿のお名前を見てあわてて追いかけたのですがとき既に遅し。
前回いらしてくださったときは、亭主に無理やりつき合わされお酒まで一緒に飲んだ仲なのに・・・・
Aさん、ほんとうに失礼しました。
それにしても先日(5月31日)の梅津元さん(埼玉県立近代美術館主任学芸員/芸術学)による瑛九展ギャラリートーク、参加者は圧倒的に女性でした。
それは瑛九だからなのか、講師が梅津さんだからなのか、はて。。。
どちらにせよ、日本の未来を担う若い女性たちが瑛九に注目してくださることはたいへん嬉しい。
一昨2011年に宮崎、埼玉、うらわの3美術館を巡回した「生誕100年記念 瑛九展」は、初めての巡回展であり、今までで最も大規模な回顧展でした。
さすがにもう暫くは瑛九展は美術館ではないだろうと思っていたのですが、あにはからんや、今年も下記のような瑛九展が開催されます。
亭主はある雑誌に「瑛九ほど、学芸員に愛されている画家はいないのではないか」と書いたことがありますが、没後僅か一ヶ月で、国立近代美術館が遺作展示をして以後、今にいたるまで毎年のように全国どこかの美術館で瑛九関連展が開催されています。
これほど頻繁に美術館で開催されているから、きっと入場者も多いのだろうと思うと、これが間違い。シャガールやウォーホルみたいな大人数を動員できるわけではない。
1997年に埼玉県立近代美術館で開催された「 光の化石―瑛九とフォトグラムの世界展」は瑛九研究のターニングポイントともなった画期的な展覧会だったのですが、それを企画担当した梅津元さんによると「記録的な不入り」だったらしい。
それでも学芸員たちは熱心に瑛九の展覧会を企画する。
まことに稀有な例で、こんな作家はほかにいないでしょう。
瑛九もって瞑すべし。
「瑛九:紙の上の仕事」
和歌山県立近代美術館
会期:2013年6月8日(土)~9月1日

瑛九(えいきゅう/1911−1960)は、本名を杉田秀夫といい、現在の宮崎市に生まれました。10代半ばに上京すると、早くも美術雑誌に批評を発表し始める早熟な少年でした。批評だけにとどまらず、1920年代半ばからは、油絵や写真の制作など、作家活動を始めます。1936(昭和11)年には、「フォト・デッサン」と名付けた、印画紙を使った作品の独創性が認められ、美術界にデビューしました。「瑛九」という変わった名前を使い始めるのもこの時からです。
戦後は、エッチングやリトグラフといった版画の制作にも手を広げ、前衛性を持った独特の幻想世界を作り出し、熱意あふれる理論家的性格も相まって、他の作家に強い影響を与えました。特に関西在住の作家が多数参加した「デモクラート美術家協会」での活動は、関西の戦後美術を考える上でも重要な意味をもっています。病気のため48歳で早世しますが、油絵、版画、写真と、ジャンルを問わずに展開した多彩な創造の世界は、他に類のないものです。
今回の展覧会では、作者にとって重要な表現手法であった、版画や写真などの紙作品を、戦後のものを中心に紹介します。紙の上で繰り広げられた、非常に濃密で不思議な造形世界を、どうぞお楽しみください。(同館HPより)
●講演会「瑛九版画の魅力 −制作者の視点から−」
講師:田島直樹(筑波大学芸術系准教授、版画家)
7月21日[日]*14時から、2階ホールにて
(13時30分開場、先着120名、聴講無料)
●フロア・レクチャー(学芸員による展示解説)
7月14日[日]、7月15日[月・海の日]
*14時から、展示室にて(要観覧券)
関西方面の方、どうぞお出かけください。
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●瑛九展カタログのご案内
『第23回 瑛九展』図録執筆:大谷省吾(東京国立近代美術館主任研究員)
図版:約30点掲載
カラー 24ページ
25.6x18.1cm(B5判)
価格:800円(税込)
※送料別途250円
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