山口、島根両県での集中豪雨による河川の氾濫は凄まじい光景でした。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
7月に「岩手の建築とお蕎麦、温泉を楽しむツアー」を計画していたのですが、ナビゲーターをお願いしていたU先生の都合がつかず、残念ながら中止となりました。
お声をかけていた皆さんにはお詫びする次第です。
建築はともかく、お蕎麦と温泉は亭主の生き甲斐でもありますので、結成ン十年の「露天風呂愛好会」の例会として7月13日~15日、二泊三日でイーハトーブの旅を楽しんでまいりました。
北から南まで随分と例会を重ねてきましたが、正会員五名が揃うことは以前はなかなかありませんでした。
みな仕事をもっており日程が合わなかったのが主な理由ですが、露天風呂愛好会の歴史に残る九州大遠征のときは、うちの社長が興奮のあまり前夜祭で飲みすぎてダウン、泣く泣く断念したというような惜しむべき事態もありました。
ここ数年は仕事にリタイアとまでいきませんが、メンバーにそれぞれ余裕ができ、五人打ち揃っての旅が続いています。

今回は瀧口修造研究の土渕信彦さんをゲストに迎え、小樽から始まった「詩人と美術 瀧口修造のシュルレアリスム展」の第二会場である岩手県土沢の萬鉄五郎記念美術館に先ず向かいました。
ときの忘れものでは「瀧口修造展」を計画しており、その準備のためにもぜひ拝見したいと思っていました。
皆さん萬鉄五郎記念美術館をご存知ですか。
萬鉄五郎(よろずてつごろう)の名前はよく知られているので、あるいは美術館の存在をご存知の方もいるでしょう。
しかし実際に行くとなると、これが遠い。
新幹線(やまびこしか停まらない)の新花巻でJR釜石線に乗りかえ「土沢駅」下車、徒歩8分とありますが、美術館のほかに何もない、文字通り辺鄙な場所に建っています。
萬鉄五郎記念美術館
『木の間通信』No.5
2013年2月1日
大宮政郎先生については先日このブログでもご紹介しました。
萬鉄五郎記念美術館
『木の間通信』No.7
2013年6月1日
萬鉄五郎記念美術館
〒028-0114 岩手県花巻市東和町土沢5区135
tel 0198-42-4402/fax 0198-42-4405
e-mail yorozu00@cocoa.ocn.ne.jp
「詩人と美術 瀧口修造のシュルレアリスム展」
会期=2013年7月13日(土)~9月23日(月・祝日)
その後、天童市美術館、足利市立美術館で巡回開催。

新幹線「新花巻」駅では鹿踊のお出迎え。

小雨の中、萬鉄五郎記念美術館に到着。

瀧口修造とブルトンにご挨拶。

学芸員の平澤広先生に展示の苦心談を伺いながら案内していただきました。手前は本展カタログに瀧口論を執筆した土渕信彦さん。


瀧口コレクションから瑛九の銅版画も出品されています。

左は駒井哲郎、右の赤い円の作品は菊畑茂久馬「ルーレット(1962年)」

左の壁面には萬鉄五郎の特集展示

瀧口修造のデカルコマニー作品群

ガラスケースの中には瀧口修造自筆の原稿

美術館の隣には大きな蔵を改造した喫茶店とギャラリーが併設されています。
旧知の盛岡在住の画家・戸村茂樹さん(右)と、これも亭主とは40年来のつきあいとなる館長の中村光紀さん(左)。

往時の萬家を偲ばせる堂々とした佇まい。

蔵の一階と二階をつかって戸村茂樹展が開催されていました。
左から、綿貫不二夫、館長の中村光則さん、綿貫令子、石田俊子さん、石田了一さん、栗原敦さん(実践女子大学教授、宮沢賢治の研究家)、土渕信彦さん(瀧口修造の研究者) 2013年7月13日
生憎の雨模様でしたが、天気予報よりは穏やか。
暑くもなくかえってしのぎ易い天候で一日目を終え、今日の宿は台温泉の中でも思いっきり鄙びた滝の湯旅館。湯元なのでお湯は素晴らしい。
温泉に浸かり、しこたま飲んだのでありました。

翌朝、宿の前で。
と本日のご報告はここまで。
宮沢賢治のふるさと花巻の宮沢賢治記念館とイーハトーブ館、盛岡での若冲展、直利庵での宴会については明日のブログで。

コメント